また1on1の予定が近づいてきた。正直、話すことがない。毎回ひねり出して、気まずい沈黙をやり過ごしている。
その気まずさの正体は、たぶんこれだ。1on1を、上司のための報告の場だと思っている。違う。あれは、あなたのための時間だ。使い方を書く。
先に一文で。1on1は業務報告でなく部下のための時間で、話題は詰まり・キャリア・フィードバック依頼・働き方の4系統から出せばよく、週1行のメモでネタ切れは消える。
この記事の要点
- 1on1の目的は報告でなく、普段話せないことを置く場だ
- 話題は4系統。詰まり・キャリア・フィードバック・働き方
- 最強の質問は「直した方がいい点はありますか」
- 週1行のメモが、毎回のネタ帳になる
話すことがなくなる理由
- 目的の誤解|報告の場だと思うと、チャットで済む話しかなく、当然ネタが尽きる
- 報告と混ざる|業務の進捗はチャット・定例で済ませ、1on1は別の種類の話に取っておく、という仕分けがないと、同じ話の二度手間になる
- 関係の浅さ|深い話をする関係じゃない、と感じる。だが順序は逆で、1on1で軽い相談を重ねた先に関係ができる
話題の4系統。これだけで年間分ある
1、詰まっていること。業務の障害、判断に迷っていること、リソースの不足。日常で切り出すほどではないが、放置すると育つ種。1on1はこの種の話の正式な置き場だ。切り出しの技術は上司に相談できない時の記事で書いた型がそのまま使える。
2、キャリアの話。やってみたい仕事、伸ばしたいスキル、異動や昇進の希望。この話題は、会議でもチャットでも置き場がない。1on1は、異動希望([通し方の記事](/articles/idou-kibou-tooranai))を公式に匂わせられる数少ない場でもある。
3、フィードバックの依頼。「最近の自分の仕事で、直した方がいい点はありますか」。この質問は、評価の物差しを期末でなく平時に知る最高の一手だ。評価面談で初めて課題を聞かされる事故(自己評価と評価の記事)が、この質問の積み重ねで消える。
4、働き方の調整。業務量、会議の多さ、リモートの割合、通院や家庭との両立。言い出すタイミングが難しい話題ほど、1on1の価値が出る。
ネタ切れを防ぐ仕組み。週1行のメモ
毎回その場でひねり出すから苦しい。仕組みは1つでいい。
金曜に1行、「今週引っかかったこと」を書く。
- 4週分あれば、1on1の直前にネタ帳が4行できている
- 書くことで、引っかかりの言語化も進む
- このメモはそのまま、期末の自己評価と職務経歴書の材料にもなる。1行が三度働く
上司側が機能していない1on1への対処
上司が無言・準備なし・スマホを見ている。その1on1は、あなたの問題でなく運用の問題だ。
- 持ち込みの場に割り切る|こちらの4系統を持ち込んで、自分のための時間として使い切る
- 短縮を提案する|「今週は相談が少ないので、15分で終えても大丈夫ですか」。形骸化した60分より誠実だ
- 頻度の調整を提案する|隔週→月1への変更提案は、双方の時間を守る建設的な話として通りやすい
よくある誤解
「1on1で愚痴や弱音を言ったら、評価が下がる」。詰まりの共有は弱音でなく、リスクの早期報告だ。評価を下げるのは、抱え込んで破裂させる方になる。ただし、感情の吐露だけで終わらせず、「なので◯◯を相談したい」まで付けると、相談の形が締まる。
「話すことがないのは、自分が考えていない証拠だ」。話すことがない週は、単に平和な週だ。無理にひねり出す義務はなく、短く終える提案も立派な運用になる。罪悪感の置き場所を間違えないでほしい。
よくある質問
上司から「何かある?」としか聞かれず、進めにくいです
オープンすぎる問いには、こちらの議題を先に送る対処が効く。1on1の前日に「明日は◯◯と△△を相談させてください」とチャットで送っておくと、場の主導権が自然にこちらに来る。
転職を考え始めています。1on1で匂わせてもいいですか?
匂わせない方がいい。転職の検討は、決まる前に社内へ出すと配置や評価に影響する情報だ。1on1で出すのは、社内で解決し得る不満(業務・キャリア・働き方)までにして、転職の相談は社外に置く。
仕事の資料をLINEで無料配布中
1on1の話題テンプレ(4系統の質問リスト・週1行メモの書式)を公式LINEで無料配布している。あの30分は、あなたの経営会議だ。議題を持って、使い倒そう。


