転職エージェントに登録しようとして手が止まった。1社に絞るべきか、何社も掛け持ちすべきか。多いほど有利という話も、逆に混乱するという話も聞く。

即答する。始めは2〜3社。選考が本格化したら1〜2社に絞る。数は戦力ではなく管理コストだ。理由から書く。

この記事の要点

  • 開始時は2〜3社。総合型1〜2社+特化型1社が定石だ
  • 1社だけは、担当の力量と求人の偏りを検証できないから危ない
  • 5社以上は連絡と日程で破綻する。数は戦力にならない
  • 本格化したら主力に絞る。併用は悪ではなく、伝え方の問題だ

1社だけが危ない理由。物差しがないからだ

エージェントの体験は、会社よりも担当者個人で決まる部分が大きい。求人の提案の質、書類の添削の深さ、連絡の速さ。全部担当次第だ。

1社しか使っていないと、その担当が当たりか外れかを判定する物差しがない。微妙な求人ばかり送られてきても、「自分の市場価値はこんなものか」と誤解して条件を下げてしまう。実際には担当が外れなだけ、というケースが山ほどある。求人が全部微妙に見える時の切り分けはエージェントの求人が全部微妙な時で書いた通りで、2〜3社を並べると、提案の質の差が一目で分かる。この比較こそが併用の最大の目的だ。

5社以上が回らない理由。面談も連絡も人数分になる

逆側の失敗が、手当たり次第の登録だ。エージェントは登録ごとに、初回面談1時間、希望条件の説明、日程調整の連絡が発生する。5社なら、その全部が5倍だ。

在職中の限られた時間でこれをやると、どの担当への返信も遅くなる。エージェント側から見ると、返信の遅い候補者は優先度を下げる対象になる。彼らは成功報酬で動いているから、決まりそうな人に時間を使う。全社に薄く付き合う人は、全社から薄く扱われる。数を増やした結果、1社あたりの支援の質が下がるという逆転が起きるんよ。

組み合わせの定石。総合型+特化型+受け皿

2〜3社の中身は、性質を散らすと比較が働く。

1、総合型を1〜2社。求人数が多く、業界を横断して見られる。市場の相場観はここで掴む。

2、自分の職種・業界の特化型を1社。求人票に書かれない内情や、職種特有の書類の書き方は特化型が濃い。

3、面談なしのスカウト型を受け皿に置く。エージェントとの面談と別枠で、経歴を置いておくと企業や別のエージェントからの声が届く。併用の負担をほぼ増やさずに、比較の母数だけ増やせるのがこの型の利点だ。

*クリックすると公式サイトが開く。経歴を登録しておくと、ヘッドハンターからのスカウトが届く型だ。*

登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 経歴を登録してスカウトを受け取れる状態にする → ③ 良い提案だけ返信すればいい

リクルートダイレクトスカウトを受け皿に置いておく

併用の管理。ルールは3つだけでいい

併用で事故が起きるのは、数のせいでなく管理のせいだ。ルールは3つで足りる。

1、同じ求人に2社から応募しない。重複応募は企業とエージェント双方の信用を削る事故だ。応募した求人は、会社名・経路・日付を1枚の表(スプレッドシートで十分)に記録する。

2、併用していることは隠さない。聞かれたら「他社も併用しています」と普通に言っていい。プロ側にとって併用は前提だ。バレ方や気まずさの正体はエージェントの掛け持ちはバレるかで書いた通り、隠す方が不自然になる。

3、選考が進んだら主力に集約する。面接が始まる段階で、対応の質が一番良かった1〜2社に「御社経由の選考に集中します」と伝える。年収交渉や日程調整の窓口が絞られ、詰めの局面での事故が消える。

応募社数そのものの目安(併用とは別の話だ)は転職は何社応募するのが普通かにまとめてある。

よくある質問

併用していると伝えたら、対応が悪くなりませんか?

逆だ。他社と比較されている前提の方が、担当は求人の質で勝負するようになる。対応が悪くなる担当なら、その1社を切る判断材料が早く手に入っただけだ。

途中で合わないエージェントはどう断ればいいですか?

「転職活動の方針を見直すため、いったんサポートを終了してください」とメールで伝えれば終わる。理由の詳細説明は不要で、角も立たない。

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