AIを業務で使ってきた。転職の書類にも書きたい。だが、どう書けば評価されるのかが分からない。
答えは1つ。ツール名ではなく、変化量を書く。これを外すと、どれだけAIを使い込んでいても書類では評価されない。落ちる書き方と評価される書き方を、具体例で並べる。
この記事の要点
- ツール名の羅列は評価されない。採用側は道具の名前を買っていない
- 書くのは3要素。課題・打ち手・数字(変化量)だ
- 数字は厳密でなくていい。時間以外の変化でも成立する
- 非エンジニアの業務改善こそ、今一番欲しがられている掛け算だ
落ちる書き方。ツール名を並べただけ
まず、実際によく見る書き方から。
・ChatGPT、生成AIツールを業務で活用
・AIを用いた業務効率化に取り組んだ
これでは何も伝わらない。採用側が読み取れるのは「触ったことがあるらしい」までで、それは今や大半の応募者に当てはまる。差がつかない情報を書いても、書類は通らない。
なぜこう書いてしまうかというと、AIを使ったこと自体を実績だと思っているからだ。だが企業が金を払うのは、道具を触れる人ではなく、道具で業務を変えられる人になる。
評価される書き方。3要素で組む
書くべきは、この3つだ。
- 課題——どの業務の、何が問題だったか
- 打ち手——それに対して何をどう使ったか
- 数字(変化量)——結果として何がどれだけ変わったか
上の悪い例を、この型で書き直す。
・月次報告書の作成に毎回半日を要していた課題に対し、生成AIで要約と初稿作成の手順を整備。作成時間を半日から2時間に短縮し、手順書化してチーム4名に展開した
同じ経験でも、読み手が受け取る情報量がまるで違う。課題を見つける力・打ち手を組み立てる力・展開する力が、この一文から読み取れる。
もう1つ例を挙げる。
・問い合わせ対応の返信品質が担当者ごとにばらついていた課題に対し、頻出パターンの返信のひな形をAIで整備。一次返信の作成時間を平均10分から3分に短縮し、新人でも同水準の返信が出せる状態にした
時間短縮だけが数字ではない。品質のばらつきが減った、属人化が解消した、対応件数が増えた、ミスが減った。これらも全部、変化量になる。
数字が出せない場合の書き方
「計測していないから数字が書けない」という人は多い。厳密な計測値でなくていい。
- 「作成に半日かかっていた資料が2時間になった」(体感ベースの比較でいい)
- 「週1回の作業が月1回で済むようになった」(頻度の変化)
- 「自分だけが対応できた業務を、チーム3名で回せるようになった」(人数の変化)
大事なのは正確さではなく、変化を具体的に描写することだ。面接で「その数字の根拠は」と聞かれたときに、「正確な計測ではないが、以前は◯◯の作業に……」と説明できれば問題ない。盛った数字は掘られると崩れるが、根拠のある概算は掘られるほど信用が増す。
そもそも書くことがないと感じている人は、職務経歴書に書くことがない人への記事で棚卸しから始めてほしい。AI活用に限らず、経験は言語化されていないだけで存在していることが多い。
非エンジニアこそ強い。掛け算の理由
「自分は技術者じゃないから」と書くのをためらう人がいる。逆だ。
いま企業が困っているのは、AIを作れる人がいないことではない。自社の業務のどこにボトルネックがあり、そこにAIをどう当てればいいかを判断できる人がいないことだ。
- 技術者は、道具を作れる。だが経理の締め作業の詰まりどころは知らない
- 現場の人間は、詰まりどころを知っている。そこにAIを当てる判断ができれば、価値が生まれる
業務知識 × AI活用。この掛け算は、現場を知っている人だけが持てる。40代のリスキリングの記事で書いた通り、経験の在庫が多い人ほどこの掛け算は強くなる。
だから職務経歴書には、あなたが元々持っている業務知識を主語にして書く。「AIを使えます」ではなく「経理業務の◯◯を、AIでこう変えました」だ。
面接で掘られる質問への備え
書類が通ると、面接では必ずこう掘られる。
- 「なぜその業務を選んだのですか」(課題を見つける観点を見ている)
- 「うまくいかなかった部分はありますか」(検品と限界の理解を見ている)
- 「他の人にも展開できましたか」(再現性と巻き込む力を見ている)
- 「情報の扱いはどうしましたか」(リスク管理の意識を見ている)
特に4つ目は重要だ。機密情報や個人情報の扱いに無自覚な回答をすると、それだけで警戒される。「固有名詞を伏せて入力した」「社内ルールを確認した上で運用した」と言えるだけで、印象がまるで変わる。
準備の型はプロンプトの学び方に書いた通りで、使った経験があれば全部答えられる質問でもある。逆に、使っていない人が資格だけで語ろうとすると、ここで崩れる。資格との付き合い方はAI資格に意味はあるかにまとめた。
書き上げたら、他人の目を通す
最後に実務の話を。職務経歴書は、自分で読むと必ず「伝わっている気」になる。第三者に一度読ませるのが、一番手っ取り早い品質向上になる。
無料で添削してもらえる窓口を使うのが早い。書類の作り込みに強い総合型のエージェントなら、AI活用の書き方も含めて、応募先に合わせた形に直してもらえる。
*クリックすると公式サイトが開く。登録後に担当から連絡が来て、書類の添削から相談できる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分。職務経歴書は未完成でいい) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 書類の添削と求人紹介を受けられる
書く前に自分の市場価値の現在地を数字で知りたい人は、測定型から入る手もある。
*クリックすると公式サイトが開く。質問に答えると想定年収と、経歴を求める企業からのスカウトが見られる。*
登録後の流れ|① 質問に答えて経歴を登録する(10分弱) → ② 想定年収が表示される → ③ 経歴に興味を持った企業からスカウトが届く
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
社内でAI利用が禁止されている場合、何を書けばいいか
会社の方針でAIを使えない環境なら、無理に書く必要はない。代わりに、個人の学習として何をどこまでやったかを書く。「業務外で自分のブログ運営に生成AIを組み込み、記事の初稿作成の工程を作った」のような形なら、業務規程に触れずに実践の証拠になる。個人の活動での実践は、副業禁止規定に触れない範囲で作れる。
前職の業務改善は、成果が会社のものではないのか
職務経歴書に書くのは、あなたがやった仕事の内容と、その結果であって、会社の資産の持ち出しではない。守るべき線は、具体的な社内数値・顧客名・非公開の手法を書かないことだ。「売上◯億円のプロジェクトで」ではなく「複数部署をまたぐ案件で」と書けば、機密に触れずに規模感は伝わる。この線引きができること自体も、実は評価対象になる。
よくある質問
AIを使った経験は職務経歴書に書くべきですか?
書くべきだが、ツール名の羅列では評価されない。課題・打ち手・変化量の3点で書く。ツール名は最後に添える程度でいい。
数字が出せない場合はどう書けばいいですか?
体感ベースの比較でいいし、時間以外の変化(ばらつき・属人化・件数)でも成立する。大事なのは変化を具体的に描写することだ。
非エンジニアでもAI活用の経験は評価されますか?
される。業務知識×AI活用の掛け算は現場を知る人だけが持てる。業務知識を主語にして書くのが正解だ。
職務経歴書の型はLINEで。転職戦略シートを無料配布中
課題・打ち手・数字の3要素で経歴を書き出せるシートを、公式LINEで無料配布している。書くのは道具の名前ではなく、変えた量だ。


