いいオファーが来た。でも今は動けない。現職のプロジェクトが山場で、転職を考える余裕がない。断るのは惜しい。でも待ってもらえるものなのか。

待ってもらえる。条件は1つ、期限と理由をこちらから示すことだ。宙ぶらりんが嫌われるのであって、期限つきの保留は普通の進行になる。場面別の文例で書く。

この記事の要点

  • 保留の型は2点セット。いつまでに返すか+なぜ待ってほしいか
  • 段階が進むほど待てる幅は狭い。スカウト1ヶ月、内定後は数日〜1週間
  • 時期が読めない場合は、こちらから中間報告の日を約束する
  • 無言の放置だけが最悪。保留の連絡は、辞退より簡単で失うものがない

保留の原則。企業が嫌うのは待つことでなく、読めないことだ

採用する側の立場で見ると、候補者の保留自体は日常だ。困るのは、返事がいつ来るか分からない状態になる。予定が組めず、他の候補者への対応も宙に浮くからだ。

逆に言えば、期限を渡した保留は、相手のスケジュールに組み込める。だから型はこの2点セットで固定していい。

  • 期限|「◯月◯日までにお返事いたします」
  • 理由|「現職のプロジェクトが◯月中旬まで山場のため」

理由は詳細でなくていい。現職の繁忙、家庭の事情、他社選考との比較。1行の抽象度で、待つ側が納得できる筋があれば足りる。保留の連絡は、辞退の連絡より心理的に軽く、機会は残る。迷ったら保留を選んでいい。

場面別の文例。段階で幅が変わる

スカウト・オファーへの初回返答を待ってもらう(幅、数週間〜1ヶ月)。

「ご連絡ありがとうございます。大変興味を持っております。あいにく現職の業務が◯月中旬まで繁忙のため、◯月◯日までにあらためてお返事させていただけますでしょうか。その際、ぜひ詳しくお話を伺いたいです」

興味の表明+期限+再開の意思。この3つが入っていれば、1ヶ月先の返事でも札は生きて待っている。スカウトの仕分け全般はメッセージは無視していいかの基準で書いた通りで、興味のある札だけこの型で保留すればいい。

カジュアル面談後の「選考に進みますか」を待ってもらう(幅、1〜2週間)。

「先日はありがとうございました。ぜひ前向きに検討したく、社内の状況を整理した上で、◯日までにお返事いたします」

内定・正式オファーの承諾を待ってもらう(幅、数日〜1週間)。ここは企業が採用枠を確保して待つ段階なので、幅が一気に狭くなる。承諾期限の延長交渉の文例と限界は内定保留メールの例文が専門で書いている。オファー面談で条件を確かめてから決めたい場合はオファー面談で聞くことも併せて読んでほしい。

時期が読めない場合。中間報告を約束する

「◯月以降なら動ける」と言えるならいいが、現職の状況次第でいつ動けるか自体が読めないこともある。その場合は、返事の期限でなく、中間報告の日を約束する

「現時点では活動再開の時期をお約束できない状況です。恐れ入りますが、◯月◯日頃に一度、状況をご報告させていただけますでしょうか。その際に、選考に進めるかどうかをお伝えします」

期限が切れないなら、連絡の約束で読めなさを補う。報告日が来たら、動けるなら進み、まだなら次の報告日をまた約束する。この繰り返しで、札は切れずに残る。相手から自然に消えていくこともあるが、それは相手の採用スケジュールの都合で、あなたの落ち度ではない。

待たせている間の作法。2つだけ

保留期間中の振る舞いで、再開時の温度が変わる。やることは2つだけだ。

1、約束の期限は必ず守る。期限に返事ができない状況になったら、期限の前に「申し訳ありません、あと1週間いただけますか」と再設定の連絡を入れる。期限切れの沈黙だけが、保留を放置に変える

2、状況が変わったら早めに伝える。転職の意思自体が消えたなら、期限を待たず辞退の連絡を入れる。「検討の結果、現職に留まることにしました」の1通で、相手は次に動ける。待たせた末の辞退は失礼ではないが、辞退を決めた後の沈黙は失礼になる。

よくある誤解

「保留をお願いした時点で、志望度が低いと見なされて切られる」。逆のことが多い。理由と期限つきの保留は、雑に即答しない慎重な候補者として映る。切られるのは保留でなく、無期限の沈黙と期限破りだ。

「オファーは一期一会だから、無理してでも即決すべきだ」。市場に出ている限り、オファーは繰り返し来る。現職が崩れるタイミングの転職は、選考の質も入社後の立ち上がりも悪くなる。あなたの人生の日程が主で、オファーの日程は従だ。調整を頼む遠慮は要らない。

よくある質問

複数のオファーを同時に保留するのはありですか?

ありだ。それぞれに期限を示して並行検討するのは、転職活動の標準の形になる。ただし期限はできるだけ揃えること。バラバラの期限は、比較検討の締切が増えて自分が苦しくなる。「◯日までに全社へ返事する」と自分の締切を1本決めて、各社への期限をそこに合わせるときれいに回る。

保留したまま、他社の選考を進めてもいいですか?

いい。保留は独占契約ではなく、比較検討の時間をもらう連絡だ。他社と比べること自体が保留の主目的であることは、企業側も理解している。聞かれたら「他社も含めて検討しています」と正直に言って問題ない。

転職の資料をLINEで無料配布中

場面別の保留テンプレと、期限管理のシートを公式LINEで無料配布している。いい札は、捨てずに保留する。期限を渡せば、待つ側も気持ちよく待てる。

LINEで無料の資料を受け取る