妻が仕事を辞めて専業主婦になる。世帯収入が1本になると思うと、口には出さないが怖い。
先に言う。その不安の大半は、計算していないことから来る漠然さだ。片働き家計を数字にする手順と、備え、収入側の対処まで書く。
この記事の要点
- 妻の手取りが丸ごと消えるのではない。控除と扶養で一部は戻る
- 不安は計算で縮む。片働き家計を1ヶ月分、数字で作る
- 備えは3つ。家計の試算・生活防衛資金・収入減の前の固定費削減
- 専業主婦化は永続ではなく期間の決定として扱うと、選択肢が残る
変化を数字にする。消える分と、戻る分
世帯収入の変化は、引き算1本ではない。消える分と戻る分を分けて見る。
消える分。妻の手取り。ここは分かりやすい。
戻る分。
- 配偶者控除・配偶者特別控除|妻の収入がなくなる(または一定以下になる)と、夫側の所得税・住民税が軽くなる
- 社会保険の扶養|妻が夫の社会保険の扶養に入れば、妻自身の健康保険料・年金保険料の自己負担がなくなる(国民年金は第3号被保険者の扱い)
- 働くことに伴う支出の消滅|通勤・外食・仕事着など、就労コストも消える
正直に言えば、戻る分は消える分より小さいのが通常だ。だが、差し引きの実額を計算した家庭と、漠然と怖がっている家庭では、打てる手がまるで違う。夫の年収帯での手取りは年収500万の手取りなどの早見と手取り計算ツールで数分で出る。まず、片働き後の世帯手取りを1つの数字にする。そこが全ての出発点になる。
備えの3点セット。収入が減る前にやる
数字が出たら、備えは3点に絞られる。
1、片働き家計を1ヶ月分、作ってみる。世帯手取りから、住居・食費・保険・教育・通信を並べて、貯蓄がいくら残るかを見る。赤字になるなら、なる前に分かったことが収穫だ。時期の再検討も固定費の削減も、事前なら選べる。
2、生活防衛資金の確認。片働きは、収入源が1つになるという意味で、失業・病気のリスクが世帯に直撃する形だ。生活費の半年分を目安に、現金の備えを確認する。足りないなら、専業主婦化の時期を数ヶ月ずらしてでも作る価値がある。
3、固定費の削減を、収入が減る前にやる。保険の見直し・通信の乗り換え・住居費の再考。収入減の後の削減は我慢の色がつくが、前の削減は準備の色になる。心理的な差は大きい。削れた分がそのまま片働き家計の耐久力だ。
収入側の対処。1本になる柱を太くする
支出側を整えたら、収入側だ。世帯収入が1本になるなら、その1本の点検が要る。
- 夫側の市場価値の確認。片働き化は、夫の年収が世帯の全てになるということだ。いまの年収が市場に対して適正か、上げる余地があるかを測る。扶養が増えるタイミングは、年収を上げる転職を検討する自然な節目でもある。一馬力の転職の組み方は一馬力の転職が怖い人へに書いた
- 収入の柱の分散。副業が可能な就業規則なら、小さくても第2の柱を持つ選択肢がある。1本化の怖さの対義語は、柱の複数化だ
妻側の選択肢を保つ。永続ではなく期間として扱う
最後に、見落とされがちな観点を書く。専業主婦になることを、永続の決定ではなく期間の決定として扱うことだ。
- 戻る時期の仮置き。子どもの入園・入学など、再就職を検討する節目を仮でいいから2人で置いておく
- ブランクの計画。戻る場合に備えて、資格や学び直しの選択肢を把握しておく。教育訓練給付金は離職後も一定期間は使える制度で、条件は80%給付の条件にまとめた
- 戻る時の市場の現実。ワーママの再就職・転職のタイミングはワーママの転職タイミングが参考になる
期間として扱えば、「もう戻れないかもしれない」という妻側の不安と、「一生1本で支えるのか」という夫側の不安の、両方が軽くなる。どちらの不安も、無期限という前提が作っているからだ。
世帯収入の1本化は、家計の話であると同時に、2人の役割の再契約でもある。数字と期限を入れた再契約は、漠然とした不安を、運用できる計画に変える。怖さを口に出せないまま抱えるより、電卓を挟んで2人で並ぶ方が、ずっと強い家計になるんだわ。
よくある質問
妻が専業主婦になると世帯の手取りはどう変わりますか?
妻の手取りが消える一方、配偶者控除と社会保険の扶養で一部が戻る。差し引きの実額を計算するのが出発点だ。
片働きになる前に何を準備すべきですか?
片働き家計の試算・生活費半年分の防衛資金・収入減の前の固定費削減の3点だ。
一馬力になるのが怖いです。
夫側の市場価値の点検・副収入の柱・妻の再就職の選択肢の保持の3方向で備える。専業主婦化は期間の決定として扱う。
片働き家計の試算シートをLINEで無料配布中
世帯手取りの変化と固定費の見直し表を、公式LINEで無料配布している。不安は電卓で縮む。2人で並んで計算するんよ。

