家を買いたい。転職もしたい。どっちを先にやるべきか。
原則を先に言う。ローンの融資実行が先、転職が後だ。順番を間違えると、審査落ちどころか融資取り消しまでありえる。仕組みから書く。
この記事の要点
- 審査は勤続年数と収入の安定性を見る。転職直後は不利になりやすい
- 融資実行前の転職は申告義務があり、再審査・取り消しのリスクだ
- 実行が終われば、その後の転職がローン契約を覆すことは通常ない
- 購入予定がある人は、転職を含めた2〜3年の時間割を先に組む
なぜ順番が問題になるのか。審査の目線を知る
住宅ローンの審査は、これから数十年、安定して返せる人かを見る。その材料の中心が、勤続年数と収入だ。
- 勤続年数|長いほど安定の証明になる。転職直後は「新しい環境で続くか未知数」として扱われる
- 収入の実績|直近の源泉徴収票などで見られる。転職直後は新しい年収の実績が数ヶ月分しかない
- 雇用形態と試用期間|試用期間中の申し込みは、さらに慎重に見られる
金融機関や商品によって基準は違い、勤続1年未満でも通る場合はある(同業でのキャリアアップ転職を前向きに評価する銀行もある)。だが総じて、転職直後の申し込みは選択肢が狭まり、条件が厳しくなりやすいというのが実務の相場だ。
つまり、両方やりたい人の時間割は自然にこうなる。ローンを先に片付けて、転職を後に置く。
一番危ない地帯。審査通過後〜融資実行前の転職
順番の話で、特に強調しておきたい危険地帯がある。本審査に通った後、融資実行(引き渡し)前の転職だ。
- 審査は申込時の勤務先・年収を前提に承認されている。実行前にその前提が変われば、金融機関への申告義務がある
- 申告すれば再審査になり、承認が覆る可能性がある。物件の引き渡し直前に融資が消える事態は、契約違約金まで絡む大事故だ
- 黙って実行を受けるのは告知義務違反の問題になり、後から発覚した場合、最悪は一括返済請求のリスクすらある
だから鉄則は1行になる。物件の引き渡しと融資実行が完全に終わるまで、転職は動かさない。内定をもらうのも、退職を切り出すのも、実行後だ。この期間は数ヶ月の我慢で済む。事故った場合の損失とは比較にならない。
転職が先になった場合。組めないわけではない
すでに転職してしまった、あるいは転職の方が急ぐ事情がある。その場合の現実も書く。
- 同業種・キャリアアップの転職なら、前職からの通算の経歴を評価する金融機関がある。転職理由と収入の上昇を説明できる資料を揃える
- 年収見込みで審査する商品もある。転職後の雇用契約書や年収見込証明書が材料になる
- ただし選べる金融機関の幅は狭まり、金利や頭金の条件が厳しくなる傾向は覚悟する。急がないなら、転職後1〜3年の勤続を作ってからの方が条件は良くなりやすい
- 試用期間中の申し込みは避ける。試用期間の扱いが安定性の評価に響く
なお、審査基準・必要な勤続年数・商品の条件は金融機関ごとに違い、変わり続ける。この記事は順番の原則の整理で、個別の可否は複数の金融機関への事前相談(事前審査)で確かめてほしい。
購入予定がある人の転職計画。2〜3年の時間割
家の購入と転職の両方が視野にある人は、単発の判断ではなく時間割で組む。
- 購入が2年以内なら|転職を後ろへ。現職の勤続でローンを固め、実行後に転職活動を始める
- 購入が3年以上先なら|転職を先へ。新しい職場で勤続1〜3年を作ってから申し込む方が、上がった年収で借入の幅も広がる
- どちらも急ぐなら|優先順位を家族と決める。両方同時は、審査と選考の両方で不利を重ねる最悪の並びだ
そしてこの計画は、家族と共有して初めて機能する。一馬力世帯の転職の組み方は一馬力の転職が怖い人へ、転職側の収入の切れ目の計算は最初の給料はいつかが担当だ。
ローンと転職は、どちらも人生の大きな変数だ。同時に動かすとリスクが掛け算になり、順番に動かせば足し算で済む。急がば、順番なんだわ。
よくある質問
住宅ローンと転職、どちらを先にすべきですか?
購入意思が固いなら、融資実行まで終えてから転職が原則だ。実行後の転職はローン契約を通常覆さない。
審査中や融資実行前に転職するとどうなりますか?
申告義務があり、再審査・融資取り消しのリスクがある。黙って実行を受けるのは告知義務違反の問題になる。
転職してすぐに住宅ローンを組みたい場合は?
同業キャリアアップなら通る場合もあるが、選択肢と条件は厳しくなりがちだ。急がないなら勤続1〜3年を作ってからが有利になる。
ローン×転職の時間割シートをLINEで無料配布中
2〜3年の順番を組む計画表を、公式LINEで無料配布している。大きな変数は、同時に動かすな。順番に動かすんよ。


