人事を辞めたい。経営と現場の間で板挟みになり、どちらからも嫌な顔をされる。

先に立場を書いておく。私は人事職の当事者ではない。ただ、この職種の相談は繰り返し届くし、採用される側・現場の側から人事を見続けてきた。外から見えている構図と、出口の相場を書く。

この記事の要点

  • 板挟みは技量の問題ではなく、人事という位置の仕様だ
  • 消耗の源は3つ。板挟み・感謝されない裏方・重い実務の心労
  • 人事経験は人材業界・労務・組織系ベンチャーで広く売れる
  • 動く前に、消耗の源が構図か会社かを仕分ける

板挟みの正体。あなたの位置が両方の窓口だから

人事のつらさの筆頭は、板挟みだ。そして最初に言い切っておきたいのは、板挟みはあなたの立ち回りの失敗ではなく、職種の仕様だということになる。

  • 経営の決定(制度変更・評価・時にはリストラ)を、現場に伝えるのは人事だ
  • 現場の不満・訴え・トラブルを、経営に上げるのも人事だ
  • 両方の窓口を同じ人間がやる以上、両方の期待を同時に満たせない場面は制度的に発生する

現場からは「経営の犬」と見られ、経営からは「現場に甘い」と詰められる。どれだけ上手く立ち回っても、この構図自体は消えない。消えるのは、あなたの心の残量の方だ。

さらに人事には、外から見えにくい重さが2つ乗る。感謝されない裏方性(採用も労務も、うまくいって当たり前)と、重い実務の心労退職勧奨・ハラスメント対応・メンタル不調者の窓口)だ。人の人生に関わる決定の実務を担いながら、自分の消耗は誰にもケアされない。この非対称が、人事を静かに削っていく。

消耗の源を仕分ける。構図か、会社か

辞めたいが固まってきたら、動く前に1つだけ仕分けてほしい。つらさの源は、人事という構図か、いまの会社か。

構図がつらい場合。板挟みの位置そのもの、人の重い決定に関わること自体が消耗なら、会社を変えても再発する。この場合は職種の重心を変える話になる。採用専任に寄る、制度企画に寄る、あるいは人事の隣接領域へ出る。

会社がつらい場合。経営の決め方が乱暴で、人事が使い捨ての伝書鳩になっている。現場との信頼を築く時間も与えられない。この場合、人事という仕事は好きなまま、環境だけ変えれば解決する可能性が高い。

仕分けの補助線として、転職先候補の内情を先に見る手がある。人事こそ、次の会社の「人の扱い」を入社前に検品すべき職種だ。

*クリックすると公式サイトが開く。社員・元社員の口コミで企業の内情を確認できる。登録は無料だ。*

利用の流れ|① 無料登録 → ② 気になる会社の口コミ(組織・評価・退職理由)を読む → ③ 人事の扱われ方の傾向を掴んでから応募を決める

転職会議で企業の内情を見てみる

口コミは個人の感想の集積で、真実の保証ではない。それでも、人の扱いの傾向は複数の声から浮かぶ。人事のプロであるあなたなら、読み筋は分かるはずだ。

人事経験の売り先。調整の実務は広く通用する

人事経験の市場価値は、本人が思っているより広い。

  • 同業他社の人事|採用・労務・制度のどれかの実務があれば、規模を変えて売れる。大手→ベンチャーの人事責任者候補は典型の出口だ
  • 人材業界|エージェント・採用支援・HRサービス。採用の裏側を知る人材は、この業界の即戦力になる
  • 労務・社労士事務所系|労務トラブル対応の経験は、専門職の入口になる
  • 組織に投資するベンチャーの管理部門|人事制度をゼロから作る側。板挟みの調整経験が、そのまま組織づくりの土地勘になる

面接で語るべきは、制度の知識より調整の実例だ。対立する利害の間で何を軸に落とし所を作ったか。板挟みで削られた経験は、語り方を変えれば対人調整力の証明そのものになる。あなたを削ってきたものが、あなたの売り物でもある。この皮肉な構図は、人事の転職で一番覚えておく価値がある。

迷いが晴れない人へ。整理の場を借りる

構図か会社かの仕分けが1人で回らない、そもそも人事を続けたいのか分からない。その段階なら、動く前に整理の場を借りる選択肢がある。

エージェントは求人を出す場だから、迷いの段階で行くと話が転職前提で進む。求人を紹介しない型のキャリアコーチングなら、辞めるかどうかの手前から話せる。

*クリックすると公式サイトが開く。求人紹介をしないキャリアコーチングで、初回の相談は無料だ。*

相談の流れ|① 無料相談を申し込む → ② 板挟みの消耗と、決まっていないことをそのまま話す → ③ 続けるかは内容と料金を聞いてから決めればいい

ポジウィルキャリアの無料相談を見てみる

求人を紹介されないから、転職を強要されない。整理した結果「いまの会社で採用専任に寄る」という結論も普通にありえる場所だ。本編は有料なので、無料相談で判断すればいい。誰に相談すべきかの全体像はキャリアの相談先の選び方にまとめてある。

人の悩みを受け止め続けてきたあなたが、自分の悩みだけ1人で抱えるのは、割に合わない話だ。窓口には、窓口が要る。モヤモヤの言語化から始めたい人は人生がモヤモヤする時の整理から入ってもいい。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

リストラや退職勧奨の実務が精神的に限界です

人の雇用を切る実務は、人事の業務の中で最も重い消耗になる。眠れない・食欲が落ちるといった心身のサインが出ているなら、転職活動より先に受診と休息を優先してほしい。担当替えの相談は、弱さの表明ではなく業務上の申告として正当だ。この実務を平気でこなせる人の方が少数派で、削られるのはあなたの共感力が機能している証拠でもある。

人事経験を活かして独立する道はありますか

ある。社労士資格を取って労務の専門家になる道、採用支援のフリーランス・コンサルとして企業と契約する道が代表的だ。ただし独立は、会社員のうちに専門領域と実績を固めてからの方が立ち上がりが速い。まず転職で専門性を尖らせて、その先の選択肢として独立を残しておく順番が現実的になる。

よくある質問

人事の板挟みがつらいのは、自分の立ち回りが下手だからですか?

違う。両方の窓口を同じ人間がやる職種の仕様だ。技量ではなく、その消耗との相性の問題として考える。

人事の経験は転職市場でどう評価されますか?

同業・人材業界・労務系・組織づくり中のベンチャーで広く売れる。調整の実例が一番の売り物になる。

辞めるかどうか迷っています。何から整理すべきですか?

消耗の源が構図か会社かの仕分けからだ。混ざったまま動くと転職先で再発する。整理の場を借りる手もある。

消耗の仕分けシートをLINEで無料配布中

構図か会社かを仕分けるワークシートを、公式LINEで無料配布している。あなたを削ったものは、あなたの売り物でもあるんだわ。

LINEで無料の資料を受け取る