「まずはカジュアルにお話しませんか」と面談に誘われた。服はスーツなのか私服なのか。選考ではないらしいが、何を話せばいいのか。
先に実態を言う。カジュアル面談は、建前は選考でなく、実態は相互の下見だ。服装はきれいめに寄せ、話す準備は自己紹介と質問リストの2つ。罠と攻略を順に書く。
カジュアル面談とは、選考の前段階で企業と候補者が情報交換する場のことで、建前上は合否の出ない面談である。
この記事の要点
- 服装は指定がなければオフィスカジュアル。私服指定でもきれいめに寄せる
- 準備は2つ。1〜2分の自己紹介と、質問リスト5個だ
- 選考ではないが、印象は共有される。この距離感で臨む
- 逆に、あなたも会社を検品できる場だ。聞く側に回って情報を取り切る
カジュアル面談の正体。建前と実態の距離
まず位置づけを正確に。カジュアル面談は、選考の前段階で企業と候補者が情報交換する場で、合否は出ないのが建前だ。用語の整理は用語辞典のカジュアル面談にも置いた。
ただし実態には距離がある。面談の印象は採用チームに共有され、その後の選考の空気に影響するのが普通だ。ひどい印象を残せば選考の案内が来なくなることもある。つまり、気楽に行っていい場だが、気を抜いていい場ではない。この距離感が全ての前提になる。
逆も真で、あなたにとっては選考が始まる前に会社の中の人から一次情報を取れる、数少ない機会だ。受け身の説明会として消費するか、検品の場として使い切るかで、この30〜60分の価値はまるで変わる。
服装。迷ったらジャケット着脱式で行く
服装の判断は3段で足りる。
- 指定なし|オフィスカジュアル(ジャケット+シャツやきれいめトップス)が正解だ。スーツで行っても浮くことは少ない
- 「私服でどうぞ」指定|完全な普段着でなく、きれいめの私服に寄せる。襟つきか無地のトップス、ダメージのないボトムス。Tシャツ・パーカー・サンダルは避ける
- オンライン|上半身は同じ基準で。映りの整え方はリモート面接の目線とカメラと同じ理屈だ
万能の保険は、ジャケットを持参して着脱で調整することだ。相手がラフなら脱げばいいし、かっちりした場なら羽織ればいい。服装で減点されることはあっても加点はされない場だから、考える時間を最小にして無難を取るのが正しい配分になる。
話すことの準備1。自己紹介を1〜2分で
面談の冒頭は、ほぼ必ず「簡単に自己紹介をお願いします」から始まる。ここで準備の差が出る。
型はこうだ。現在の仕事(1文)→これまでの要約(2〜3文)→いま興味を持っている方向(1文)。
「現在は○○業界で△△の仕事をしています。前職から□□の領域を担当してきて、直近は◇◇にも関わっています。今後は○○の方向に関心があり、本日は貴社のお話を伺いたくて参加しました」
長い経歴の詳細は要らない。相手が質問の取っかかりを掴める粒度で十分だ。この1〜2分を準備しているかどうかで、面談全体の滑り出しが決まる。
話すことの準備2。質問リスト5個で検品する
カジュアル面談の本体はこちらだ。求人票と採用ページでは分からないことを、中の人に聞けるのがこの場の価値になる。持っていく質問の例を置く。
- 「○○のポジションの、実際の1日の仕事の流れを教えてください」
- 「チームは何名で、どんな経歴の方が多いですか」
- 「中途で入った方は、どのあたりでギャップを感じることが多いですか」
- 「いまチームが一番力を入れていること、困っていることは何ですか」
- 「選考に進む場合、どんな流れになりますか」
ギャップと困りごとを聞く質問は、良い話だけでない実像を引き出す質問として特に働く。質問の考え方の土台は面接の逆質問で聞くべきことと同じで、カジュアル面談ではより踏み込んで聞ける。
避ける話題と、よくある誤解
避けるべきは2つだけ。年収など条件の細かい交渉(時期が早い。関心を示す程度に留める)と、現職や前職の悪口(どの場でも同じだ)になる。
そして一番多い誤解を潰す。「選考ではないから、志望度が低いと言っていい」は半分だけ正しい。カジュアル面談は志望度が固まっていない段階で参加していい場で、「情報収集の段階です」と正直に言って問題ない。ただし、興味が全くなさそうな態度は共有される印象の側に響く。「まだ選考を決めていないが、○○には関心がある」という現在地の正直な表明が、一番損のない立ち位置になる。志望度の表現の技術は面接で志望度を聞かれた時で書いた通りだ。
面談後。選考に進むかの判断と連絡
終わったら、その日のうちにお礼のメールを1通送る。もらった情報への感謝と、(進みたい場合は)選考への意思を1文添えれば足りる。
進むか迷う場合も、聞いた一次情報を判断材料として整理するところまでがこの面談の完了だ。仕事の中身・チームの空気・困りごとの中身。求人票では見えなかった情報が5個の質問で手に入っているはずで、それこそがあなたがこの場に払った時間の対価なんよ。
よくある質問
カジュアル面談を辞退したり、途中で選考に進まないと決めてもいいですか?
いい。面談はお互いの下見であって、参加が応募の義務を生むものではない。進まない場合も、お礼と「今回は見送ります」の連絡だけ丁寧にすれば、関係は綺麗に終わる。
履歴書や職務経歴書は持っていくべきですか?
提出を求められていなければ不要だ。ただし経歴を口頭で語れる準備(自己紹介1〜2分)は必須で、オンラインなら手元に自分の経歴メモを置いておくと安心が増す。
カジュアル面談の準備シートをLINEで無料配布中
自己紹介の型と質問リストのテンプレートを、公式LINEで無料配布している。カジュアルという言葉に油断せず、検品の場として使い切れ。


