Claude Codeを使えば、記事は1日で20本できる。これは誇張ではなく、私のサイトで実際に起きていることだ。

だが同時に、こうも断言できる。全部任せた人のサイトから順に、読めないゴミの山になる。量産の速度と、任せてはいけない工程の話はセットでしか成立しない。私が2週間で200記事を作った運用の中で、最後まで人間に残した工程を書く。

この記事の要点

  • 任せてよいのは、正解の確認が可能な工程。下書き・修正・整備
  • 人間が残すのは3つ。企画・事実の検品・基準づくり
  • 検品を飛ばした結果は実証済みだ。AIは私の経歴を捏造した
  • 目視の検品は破綻する。自動検査との分業に移行する

前提。工程を分解しないから、全部任せてしまう

「AIに記事を書かせる」と一括りにするから、任せる範囲を間違える。記事作成は工程の束だ。分解すると、こうなる。

  1. 何を書くか決める(企画)
  2. 構成を組む
  3. 本文を書く
  4. 事実・経歴・文体を確認する(検品)
  5. リンク・タグ・画像を整える(整備)
  6. 事故が起きたら再発を止める(基準づくり)

このうち2・3・5は、迷わず任せていい。確認可能な作業だからだ。構成が悪ければ直させればいいし、リンク切れは機械的に見つかる。

問題は1・4・6で、ここを渡した瞬間にメディアの信用が他人事になる。順に書く。

工程の分解|渡すもの・残すもの① 企画人間② 構成AI③ 執筆AI④ 検品人間+検査⑤ 整備AI⑥ 基準づくり人間赤枠=人間が残す3工程。速度に影響しないが、信用を全部握っている・企画を渡す → 誰にも刺さらない記事が量産される(速く作れる無価値)・検品を渡す → 捏造・誤りがそのまま公開される(信用の毀損)・基準づくりを渡す → 同じ事故が延々と繰り返される(改善が働かない)

ここまでのまとめ

任せてよいのは、正解の確認が可能な工程。下書き・修正・整備

人間が残すのは3つ。企画・事実の検品・基準づくり

検品を飛ばした結果は実証済みだ。AIは私の経歴を捏造した

残す工程1。企画。何を書くかはAIに決めさせない

AIに「売れるテーマで記事を書いて」と頼むことはできる。出てくるのは、どこかで読んだような一般論のテーマ一覧だ。

当然で、AIは市場の平均を学習している。平均から出てくる企画は、平均的に埋もれる。

私のサイトの企画は、全部人間側で決めている。自分が実際に通過した悩み、DMに繰り返し届く相談、検索データで見つけた空白。企画の材料は自分の一次情報にしかない。AIに渡すのは、決まった後の企画リストだ。

逆に言えば、企画さえ握っていれば、執筆速度は20倍になっても軸はぶれない。編集長は企画会議を外注しない。それだけの話なんよ。

残す工程2。検品。AIは平気で嘘の体験談を書く

これは理屈ではなく、実際に起きたことで書く。

ある日の記事チェックで、私が使ったことのない退職代行サービスを「私は使った」と書いている記事を見つけた。金額も、上司とのやり取りの描写もあった。全部、AIの創作だった。

説得力を上げようとして、AIは体験談を作る。悪意がないから、止める理由もAI側にはない。顛末はAIが私の経歴を捏造した話に全部書いたが、この経験から検品の型が決まった。

  • 事実と経歴に関わる記述は、全記事、人間が見る。サンプル抽出では漏れる。創作は無作為に混入するからだ
  • 機械的に見つかるものは、検査スクリプトに任せる。禁止表現・使っていないサービス名・壊れたリンク・存在しない記事への参照。この検査は毎週自動で回している
  • 人間の目は、機械が見つけられないものに集中する。話の筋が事実か、数字が本当か、言い切っていい内容か

検品の具体的な確認項目はAI記事の検品リスト10項目として独立させた。量産を始める前に、検品の型を先に作ってほしい。順番が逆だと、ゴミを高速で積むことになる。

残す工程3。基準づくり。事故を仕組みに変換する

検品で事故を見つけて直す。それで終わりにすると、同じ事故が翌週また起きる。AIは反省しないからだ。

だから私は、事故が起きるたびに1つルールを増やしてきた。

  • 経歴の捏造が起きた → 書いてよい経歴の範囲と禁止事項をルールファイルに固定した
  • 文体がAIっぽく崩れた → 禁止語と文末のルールを同じファイルに足した
  • 存在しない記事へのリンクが混入した → リンク先の実在を自動検査する項目を足した

ルールファイルは、事故の数だけ賢くなる。この積み重ねの方法はAIに文体と禁止事項を覚えさせる方法に書いた。

正直に言うと、この工程が一番地味で、一番面倒だ。事故のたびに「直して終わり」にしたくなる。だが基準を1つ増やせば、その種類の事故は二度と検品に上がってこない。検品の負荷は、基準づくりをサボった分だけ増え続ける。ここは先行投資だと割り切っている。

現実的な時間配分。私の場合

工程を残すと言っても、時間はかけすぎない。私の1バッチ(10〜20記事)あたりの実感はこうだ。

  • 企画とバッチ指示文の作成に30分〜1時間
  • AIの執筆中は放置。この間、私は子どもと風呂に入っている
  • 検品に1〜2時間。事実確認と、引っかかった箇所の修正指示
  • 事故があれば、基準への変換に30分

つまり人間の稼働は1バッチ2〜4時間で、その大半が検品だ。検品は退屈な作業で、正直好きではない。それでも、この2〜4時間を惜しんだメディアが読者と検索エンジンの両方から見放されていくのを見ると、ここが参入障壁なのだと思う。速く作れる時代の差は、確認の丁寧さでつく。逆説だが、実感としてはこれが真実だわ。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

1日に何本までなら検品つきで量産できますか

私の体感では、人間1人の検品体制なら1日10〜20本が上限になる。それ以上作らせることは技術的には簡単だが、検品が追いつかなくなった分だけ、未検品の在庫が積み上がる。未検品の記事は、公開できない在庫であって資産ではない。だから私は、AIの生産能力ではなく自分の検品能力に量を合わせている。検品の速度を上げたければ、目視の項目を減らすのではなく、機械検査に移せる項目を増やす方向でやるべきだ。

検品で直しが多すぎて、自分で書いた方が早い気がします

その感覚は、最初の数週間は正しい。私も初期は、直しの指示を書く時間と自分で書く時間が変わらなかった。転機は、直しを個別に指示するのをやめて、ルールファイルに変換し始めてからだった。同じ種類の直しが2回出たら、それはルール化のサインになる。ルールが溜まるほど1本あたりの直しは減っていき、ある地点から明確に量産の方が速くなる。つまり、序盤の直しの手間は無駄ではなく、ルールという資産への投資だ。ここで諦めた人だけが「自分で書いた方が早い」のまま止まる。

外注ライターに頼むのとAI量産はどちらがいいですか

品質の下限管理の考え方が違う。外注は、いいライターに当たれば検品がほぼ不要になるが、当たり外れの分散が大きく、単価も月数万円から数十万円になる。AIは、出力の分散が小さい代わりに、事実と経歴の検品を人間が握り続ける必要がある。私がAI側を選んでいる理由は、費用よりもルールの蓄積が効く点だ。外注ライターへの指示書も育つが、人が変われば伝え直しになる。AIのルールファイルは、蓄積がそのまま残り続ける。長く続けるメディアほど、この差は大きくなるんよ。

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よくある質問

記事作成のどこまでをAIに任せてよいですか?

構成・執筆・整備は任せてよい。企画・検品・基準づくりの3つは人間に残す。速度ではなく信用を決める工程だからだ。

検品は全記事に必要ですか?

事実と経歴に関わる部分は全記事必要だ。創作の混入は無作為に起きるのでサンプル抽出では漏れる。機械検査との分業で回す。

量産すると文体がバラバラになりませんか?

何もしなければバラつく。ルールファイルに文体と禁止事項を固定してから、私の検品の指摘は目に見えて減った。

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