個人でメディアを持ちたい。だが、何から手を付ければいいのか、工程の全体が見えない。
数年前なら、この問いへの答えは「まずWordPressの勉強を数週間」だった。いまは違う。私はこのサイトを、AI前提の工程で2週間で200記事規模まで立ち上げた。その工程表を、消えた工程と残った工程が分かる形で置いていく。
この記事の要点
- 立ち上げの工程は4段階。ドメイン→置き場所→記事→計測
- AIで消えたのは、構築・執筆・検査の技術工程だ
- 残ったのは、方針決め・検品・収益導線の判断。ここが本体になる
- 学習コストはゼロではない。保存と公開の概念だけは避けられない
全工程を先に見せる。消えた工程には線を引いた
図の通りで、技術の工程は消え、判断の工程が残った。以下、段階ごとに実際にやったことを書く。
段階1。方針決め。ここだけはAIが1文字も進めてくれない
最初の数日、私はAIをほとんど動かしていない。決めていたのはこれだ。
- 読者は誰か。私の場合、今の会社に消耗している20代後半〜40代の会社員
- 何の悩みに答えるか。どのキーワード群を書き、どれを書かないか
- 何で収益化するか。広告・アフィリエイト・自分の商品のどの組み合わせか
地味だが、ここが決まっていないメディアは、あとの全工程が高速な迷走になる。AIは方針が決まれば爆速で、決まっていなければ平均的な記事を量産する機械でしかない。
立ち上げ前に1つだけ助言するなら、収益の柱を1つは自分の商品にしておくことだ。広告とアフィリエイトだけのメディアは、掲載条件の変更で収益が他人の決定に握られる。メディア・note・Kindleを組み合わせる考え方は稼げるのは組み合わせという話で書いた。
段階2。サイト構築。数週間の学習が数日の指示に変わった
従来の個人サイトは、WordPressの学習・テーマ選び・カスタマイズで数週間が相場だった。外注なら数十万円の見積もりが返ってくる領域だ。
私がやったのは、日本語で仕様を伝えることだった。トップページに何を並べるか、記事ページに何が要るか、スマホでどう見えてほしいか。実装はAIがやり、私は上がりを見て直しを指示した。
かかった費用は、ドメイン代とAIの利用料だ。サーバーは無料枠で動いている。AIの料金プランは変わるものなので、具体額は各公式で当日確認してほしいが、外注の見積もりと桁が違うことだけは断言できる。私は前職でWeb制作の見積もりを散々見てきた側なので、ここは自信を持って書く。
避けて通れなかった学習も正直に書いておく。保存と公開の概念、つまりGitの超基本だけは覚えた。半日で足りたが、ゼロではなかった。この立ち上げの詳細な記録は2週間で200記事のメディアをAIと作った話にある。
ここまでのまとめ
・立ち上げの工程は4段階。ドメイン→置き場所→記事→計測
・AIで消えたのは、構築・執筆・検査の技術工程だ
・残ったのは、方針決め・検品・収益導線の判断。ここが本体になる
段階3。記事と検査。量産の速度より、検品の仕組みが先
サイトができたら記事だ。ここでの発見は、執筆より検査の方が本体だったということになる。
執筆はバッチ指示文で回る。1日10〜20本は現実的な数字だ。だが量産を始めてすぐ、AIが私の経歴を捏造する事故が起きた。以来、禁止表現・壊れリンク・存在しない参照を自動で検査するスクリプトを整備して、人間の検品は事実確認に集中させている。
立ち上げ工程としては、こう順番を組むのが正解だった。
- 記事の型(見出し・要点・FAQ・導線の配置)を1本目で固める
- 文体と禁止事項をルールファイルに固定する
- 検査の仕組みを作る
- それから量産に入る
私は2と3を後回しにして量産を先に始め、事故ってから整備した。この順番だけは、私の失敗をそのまま踏まないでほしい。
段階4。計測と収益導線。立ち上げの最終日ではなく、翌日からが本番
最後に計測を仕込む。検索エンジンへの登録、アクセスの計測、収益リンクのクリック計測。ここもAIに指示して整備させた。
収益リンクについて1つだけ技術的な話をする。全部のリンクを1つの管理ファイル経由にしておくこと。記事に直書きすると、リンク先の条件が変わった時に数百記事を手で張り替えることになる。最初に一元管理にしておけば、変更は1ファイルで済む。これは立ち上げ時にしか仕込めない類の設定で、後からやると移行作業が地獄になる。
そして冷や水を1杯。立ち上げが終わっても、収益はすぐには立たない。検索エンジンの評価には時間がかかるし、読者の信用も一朝一夕には積み上がらない。AIが縮めたのは構築の時間であって、育つ時間ではないんよ。立ち上げの高速化を、成果の高速化と混同した人から脱落していく。
それでも、個人が試せる回数が桁で増えたのは事実だ。2年かかった立ち上げが2週間になった。失敗しても、また2週間で次を試せる。この回数の増加こそが、AI時代の個人メディアの本当の追い風だと私は思っている。
何から始めるか迷っている段階なら、先にAI副業は何から始めるかで全体の中の位置を確認してほしい。メディアは選択肢の1つであって、全員の正解ではない。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
個人メディアとブログは何が違うのですか
呼び方の違いに大きな意味はないが、私は規模と作りで使い分けている。日記的に書き溜めていくのがブログ、特定の読者の悩みに向けて記事群・ツール・導線を面で組んだものがメディアという感覚だ。AI以前は、面で組む作業量が個人には重すぎたから、個人=ブログが常識だった。作業量の壁が下がった今、個人がメディアの作りを選べるようになった。どちらが偉いという話ではなく、狙う検索面の広さと収益導線の複雑さで選ぶ話になる。
記事は何本くらいで検索から人が来始めますか
正直に書くと、本数だけでは決まらない。私のサイトも、公開直後の流入はごくわずかで、検索エンジンの評価は本数より時間と信頼の蓄積に紐づいている実感がある。本数が効くのは、読者の悩みを面で覆えるようになるからであって、100本という数字そのものに魔法はない。目安を求められたら、1つの悩みのクラスタを20〜30本で覆い、それを3〜4クラスタ持った規模から手応えが変わってくる、と答えている。ただしこれは私の1例で、領域の競争環境で大きく変わる。
ドメインやサーバー選びで気をつけることはありますか
この記事の主題ではないので要点だけ書く。ドメインは自分で所有すること、これだけは譲らないでほしい。無料ブログサービスのURLで積み上げると、資産がプラットフォームの都合に握られる。サービスの終了・規約変更・広告の強制表示。積み上げた記事とリンクの評価は、引っ越しで完全には持ち出せない。年数千円のドメイン代は、資産の所有権の値段だと思えば安い。サーバー側は、いまは個人メディアの規模なら無料枠で始められる選択肢がある。始めてから、規模に応じて考えれば足りる。
3分で診断:副業・独立タイプ診断——メディア運営があなたに合うかを含め、副業の入口を8問で判定する。無料・登録不要。
よくある質問
個人メディアの立ち上げに何が必要ですか?
ドメイン・置き場所・記事・計測の4つ。AIで技術工程は縮むが、方針決めと収益導線の判断は丸ごと残る。
外注とAIはどちらがいいですか?
作って終わりなら外注でもいい。毎週手を入れ続ける個人メディアは、日本語の指示で回し続けられるAI前提の方が速度も費用も持つ。
技術知識ゼロでも立ち上げられますか?
ほぼ可能だが、保存と公開の概念だけは覚える必要があった。半日で足りる。サーバーやコードの知識は不要だった。
立ち上げ工程表はLINEでも配っている
個人メディアの立ち上げチェックリストを、LINEで無料配布している。作る速度は道具が出す。何を作るかは、あなたしか決められないんだわ。




