送信済みフォルダを見返して、応募メールの誤字に気づいた。「貴社」が「記者」になっている。謝罪のメールを追いかけて送るべきか、それとも黙るべきか。
答えを言う。本文の誤字なら、送らない。送るべき例外は、宛名・社名の間違いと添付の事故だけだ。線引きと例外時の動きを書く。
この記事の要点
- 本文の軽微な誤字は、選考に影響しない。訂正メールは不要だ
- 訂正メールは、ミスの再通知+受信箱の1通追加という二重の損になる
- 例外は2つ。宛名・社名の間違いと、添付忘れ・添付間違い
- 例外時は、弁明なしで正しい情報+短い詫びだけを送る
送らなくていい理由。採用担当の受信箱から見る
採用担当の受信箱には、応募・日程調整・社内連絡が毎日積まれている。その中で、応募メール本文の誤字1つは、気づかれない確率が高く、気づかれても評価には乗らない。選考の判断材料は添付の履歴書・職務経歴書の中身で、メール本文は用件が伝われば仕事を終えている。
そこへ「先ほどのメールに誤字がありました」と1通足すと何が起きるか。読むべきメールが1通増え、気づいていなかったミスが通知され、細かいことを気にする人という印象が加わる。3方向すべてで損だ。
この判断の理屈は、書類の誤字と同じになる。添付した職務経歴書側の誤字だった場合の基準は送った後に気づいた時の再送基準、面接後のお礼メールの誤字はお礼メールの誤字は送り直すかで書いた。メール系のミスは、実害がない限り沈黙が最適という軸は全部共通だ。
例外1。宛名・社名の間違いは、すぐ訂正を送る
本文の誤字と決定的に違うのが、相手の名前の間違いだ。社名の誤記(株式会社の位置違い・旧社名・他社名)、担当者名の誤字、「様」の欠落。これらは文章のミスではなく、相手への敬意の問題として読まれる。
気づき次第、すぐ短い訂正を送る。
件名|Re:(元の件名のまま)宛名の誤りのお詫び
◯◯株式会社 ◯◯様 先ほどお送りしたメールにて、宛名の記載に誤りがございました。大変失礼いたしました。あらためて、よろしくお願い申し上げます。
弁明を書かないのがコツだ。「急いでいたもので」「変換ミスで」は、読み手にとって情報価値がなく、言い訳の印象だけ残る。正しい表記と詫びの2要素で切り上げる。宛名間違いの重さの詳細と、間違えたまま選考が進んだ場合の扱いは宛名を間違えた時の対処で書いた。
例外2。添付の事故は、用件として送り直す
添付ファイルを忘れた、別のファイルを付けた、開けない形式で送った。これは誤字でなく用件の不達なので、当然すぐ送り直す。
件名|応募書類の再送(氏名)
◯◯様 先ほどのメールにて、応募書類の添付が漏れておりました。失礼いたしました。本メールに添付いたしますので、ご確認をお願いいたします。
別のファイルを付けてしまった場合(特に他社向けの書類)は、「先ほどの添付ファイルは誤送信のため、破棄をお願いいたします」の一文を必ず入れる。間違えて送った情報の破棄依頼は、あなた自身の情報管理の後始末として重要だ。
再発防止。送信前の10秒ルール
応募メールの事故は、送信前の10秒でほぼ防げる。見るのは3点だけだ。
- 宛名。社名・部署・氏名・様。コピー元の前の会社名が残っていないか
- 添付。ファイルが付いているか、正しいファイルか、ファイル名に他社名が入っていないか
- 件名。用件と氏名が入っているか
本文の誤字チェックはその後でいい。事故の重さは、本文<添付<宛名の順だから、確認の順番も重い方からやる。
よくある誤解
「誤字を謝らないのは社会人として失礼だ」。謝罪の要否は、礼儀でなく相手のコストで決める。実害のない訂正メールは、相手の時間を使う行為で、それ自体が小さな失礼になる。黙って次から正確に書くことが、一番の礼儀だ。
「応募メールの文章力も選考されている」。されているのは、用件が整理されているか・失礼がないかのレベルまでで、文豪の文章は求められていない。誤字1つで崩れる評価なら、そもそも書類の中身で勝負になっていない。メール本文の完璧さより、添付書類の中身に時間を使う方が通る。
よくある質問
誤字だらけのメールを送ってしまいました。1つや2つではありません
複数箇所の誤字で文面の体をなしていないレベルなら、例外的に「乱れたメールをお送りし失礼いたしました」と、整えた全文を再送する価値がある。判断基準は誤字の数でなく、用件が正しく伝わるかどうかだ。伝わる範囲なら、複数でも沈黙でいい。
敬語の誤り(御社と貴社の使い分けなど)も同じ扱いですか?
同じで、訂正メールは不要だ。書き言葉では貴社、話し言葉では御社が使い分けの原則だが、混同はよくある誤りで、選考を左右しない。次のメールから直せばいい。
転職の資料をLINEで無料配布中
応募メールの送信前チェック3点シートと、宛名ミス時の訂正テンプレを公式LINEで無料配布している。ミスの後の一手は、足すことより足さないことの方が多い。

