志望動機を書こうとすると、手が止まる。本音は「給料を上げたい」「残業を減らしたい」「あの上司から離れたい」。こんなの、書けるわけがない。

そこで嘘を作るから、面接で崩れる。本音は殺さなくていい。翻訳して出すんだ。型と例文を全部置く。

先に一文で。志望動機の本音は嘘に置き換えるのでなく、不満→選ぶ基準→この会社である理由の3段に翻訳することで、根のある話のまま深掘りに耐える志望動機になる。

この記事の要点

  • 作り込んだ嘘は、深掘りの2問目で必ず崩れる
  • 翻訳の型は3段。不満→基準→この会社である理由
  • 給料・働き方・人間関係、どれも翻訳の余地がある
  • 面接官の関心は物語の美しさでなく、長く働けるかだ

なぜ嘘の志望動機は崩れるのか

作り込んだ志望動機は、こう聞かれた瞬間に止まる。

  • 「なぜ同業のA社でなく、当社なのですか」
  • 「その理念に共感したきっかけになった経験を教えてください」

根が自分の経験にない話は、2問目で具体を出せない。逆に、本音から翻訳した志望動機は、根がある分だけ深掘りに耐える。だから正直さは、倫理の問題である前に耐久性の問題だ。

翻訳の型。3段で組む

  1. 不満(過去)|前職で何が足りなかったか。事実として短く
  2. 基準(現在)|だから次は何を軸に選ぶのか。ここが翻訳の核心になる
  3. この会社である理由(未来)|その基準に、この会社のどこが合致するのか。固有名詞で1つ

不満をそのまま出すと他責に聞こえ、基準だけだと他社にも当てはまる。3段そろって初めて志望動機になる

本音別・翻訳の例文

本音1、給料を上げたい。

「前職は成果が処遇に反映される仕組みが弱く、評価と報酬が接続する環境で働きたいと考えました。御社は◯◯という評価制度をとられており、成果を出した分が返ってくる点が志望の軸です」

  • 翻訳の芯は「成果と報酬の接続」。金額の話でなく、仕組みへの評価に置き換える
  • 具体の希望額は、聞かれた時に別の場面で答える(希望額を聞かれた時の記事

本音2、残業を減らしたい。

「前職は長時間労働が常態化しており、成果を時間の量でなく質で出す働き方をしたいと考えました。御社は◯◯(フレックス・リモート・業務の仕組み化)に取り組まれており、その環境で力を出したいです」

  • 「楽をしたい」でなく、「時間あたりの成果」の話に翻訳する

本音3、人間関係から離れたい。

「前職では業務の進め方の目線を揃えるのが難しい場面があり、チームで同じ目標に向かって進められる環境を求めています。御社は◯◯(1on1・目標共有の仕組み)があり、その点に惹かれました」

  • 個人攻撃の匂いを消し、環境の話にする。パワハラ等の重い事情も同じ変換でいい(詳細は退職理由の書き方

逆に、正直に言っていい本音

全部を翻訳する必要はない。そのまま言っていい本音もある。

  • 家庭の事情|「育児と両立できる働き方を選びたい」は、隠すと入社後に苦しくなるだけだ
  • スキルの方向|「◯◯の経験を積みたい」は、そのまま前向きな動機として通る
  • 業界・事業への関心|根拠になる経験があれば、最強の志望動機になる

翻訳が必要なのは、そのままだと他責・条件面だけに聞こえる本音だけだ。

よくある誤解

「志望動機は熱意の量で勝負するもの」。熱意の言葉(御社しかない・情熱を持って)は量産できるので、差がつかない。差がつくのは、選ぶ基準の明確さと、その基準がこの会社に合う理由の具体性だ。

「ネガティブな理由は一切出してはいけない」。出し方の問題だ。不満を1段目に短く置き、2段目の基準にすぐ渡すなら、それは現実的な判断をする人の話になる。ネガティブを完全に消した志望動機は、逆に根のない印象を与えることすらある。

よくある質問

転職回数が多く、毎回同じ理由で辞めています

同じ理由が繰り返されているなら、それは環境の問題か自分側の課題かの切り分けが要る。切り分けた上で「この基準で選ぶ」と語れれば、回数はむしろ判断の蓄積になる。答え方の型は転職回数が多い人の面接の記事で書いた。

第一志望でない会社の志望動機が書けません

順位と志望動機は別物だ。基準に合致する点が1つでもあれば、志望動機は成立する。順位を聞かれた時の答え方は第一志望ですかの記事で書いた。

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