隣の席の香水が、きつい。頭が痛くなる日もある。でも「匂いがきついです」なんて、本人に言えるわけがない。
その詰まりは、我慢か直談判かの二択で考えているからだ。間にある対処から並べていく。
先に一文で。職場の香水問題は、物理の自衛→第三者経由の相談→本人への体質主語の伝え方、の順で段階的に動き、体調に出ているなら我慢でなく就業環境の調整として申し出ていい。
この記事の要点
- 二択(我慢/直談判)を捨てる。間に3段階の対処がある
- 第三者経由なら、全体周知の形になり、あなたの名前は出ない
- 本人に言うなら、相手でなく自分の体質を主語にする
- 体調に出ているなら、それはスメハラの領域。調整を求めていい
段階1、物理の自衛。今日からできる
- 席の工夫|配置換えの相談、空調の風向きの確認。「集中しやすい席に」という理由で動かせることもある
- 卓上の対策|小型の空気清浄機・マスク。マスクは今の職場では違和感なく使える装備だ
- 時間の工夫|匂いのピーク(出社直後)の時間帯は、会議室やフリースペースで作業する
自衛で7割軽減できれば、それ以上の行動はしない、という判断も立派な解だ。対処のゴールは相手を変えることでなく、あなたの消耗を減らすことにある。
段階2、第三者経由。名前を出さずに動かす
自衛で足りないなら、上司か総務への相談に上げる。ここでの伝え方が肝心だ。
「◯◯さんの香水が嫌です」ではなく、
「強い匂いで頭痛がして、業務に集中しづらい時間があります。席の調整か、職場全体への周知をご検討いただけませんか」
- 体調と業務への影響の形にすると、個人の好き嫌いでなく環境の問題として扱われる
- 会社側の対応は通常、全体向けの一般周知(身だしなみ・香りのエチケットの案内)の形を取る。あなたが発端だと本人に伝わらない形だ
- 相談の切り出し方の段取りは上司に相談できない時の記事の型が使える
段階3、本人に伝える。最後の手段の言い方
関係が近く、直接言う方が早い間柄なら、言い方は1つだけ守る。相手の趣味でなく、自分の体質を主語にする。
- ✕「その香水、きついですよ」(相手の選択への攻撃になる)
- ◯「ごめんなさい、私、匂いに敏感な体質で、頭痛が出ちゃうことがあって。少しだけ控えめにしてもらえると助かります」
謝りから入り、体質のせいにして、お願いの形で締める。相手の香水は本人にとって身だしなみや好みの一部なので、否定でなく、こちらの事情への協力依頼として渡すのが、関係を守る唯一の形になる。
体調に出ているなら。スメハラの領域
頭痛・吐き気・集中困難が続いているなら、これは好みの問題を越えて、就業環境の課題だ。
- 症状の記録(いつ・どこで・どの程度)を残す
- 上司か産業保健の窓口に、調整(席替え・周知)を正式に申し出る
- 強い香りが業務に支障を与える状態は、スメルハラスメントとして企業が対応すべき問題と位置づけられてきている
体を削って耐える場面ではない。申し出は、わがままでなく環境改善の情報提供だ。
よくある誤解
「匂いの感じ方は人それぞれだから、訴えても取り合ってもらえない」。感じ方に個人差があるからこそ、体調と業務への影響という客観の形に変換して伝える。頭痛の頻度・集中できない時間帯という事実は、好みの議論を跳び越えて扱ってもらえる。
「柔軟剤の匂いは、香水と違って言いにくい」。柔軟剤・整髪料・タバコ臭も、対処の枠組みは同じだ。むしろ本人が無自覚な分、全体周知の形(段階2)が一番機能する領域になる。
よくある質問
自分が香水を注意される側になりました。どう受け止めれば?
匂いの感じ方の個人差の問題で、人格の否定ではない。つける量を半分にする・無香に近いものへ替える、の対応で関係は普通に戻る。指摘した側も言いにくさを越えて伝えているので、逆ギレだけは避けたい。
席替えを何度お願いしても動いてもらえません
対応しない事実を記録に残し、産業医面談や人事への相談に段階を上げる。体調への影響が続くのに環境調整を放置される状態は、職場の安全配慮の問題として扱える。それでも動かない職場なら、環境を変える判断(異動・転職)の材料が1つ増えたことになる。
職場の資料をLINEで無料配布中
匂い問題の対処フロー(自衛→第三者→本人の3段階の文例つき)を公式LINEで無料配布している。我慢と直談判の間には、ちゃんと道がある。名前を出さずに、環境は動かせる。


