夜勤明けの朝、カーテンを閉め切っても眠れない。休日は体を戻すだけで終わる。気づけば、働くために休み、休むために働いている。

夜勤で働く人からの相談が、私のDMには繰り返し届く。看護師も、介護職も、工場勤務も、警備も。業種は違うのに、まとめるとほぼ同じ形になる。

「夜勤のある仕事をしています。最近、夜勤明けに眠れなかったり、体調を崩すことが増えました。周りは普通にこなしているように見えるので、自分の体力がないだけかと思っています。この生活をあと何年続けられるのか不安です」

届く相談の典型例として答える。最初に事実を置く。夜勤がつらいのは、あなたの体力の問題ではない。

  • 月80時間や深夜業の負荷は、国が健康管理の課題として制度に組み込んでいる水準の話だ。
  • 交代勤務は、人の体のリズムと逆行する働き方だ
  • 対処の基本は公的な情報として整理されている。根性論ではない
  • 続けるなら、守り方を知った上で続ける
  • 離れる道は、資格と経験を持ったまま存在する

夜勤がきついのは、体の仕組みの問題だ

まず前提を正す。人の体は、昼に活動して夜に眠るという概日リズムを持っている。ホルモンの分泌も体温の変化も、このリズムに沿って動いている。

夜勤は、そのリズムと逆の時間に働き、逆の時間に眠る働き方だ。だから体には負荷がかかる。これは意志や気合の問題ではなく、生理的な仕組みの話なんよ。

厚生労働省も、交代勤務に従事する労働者の健康管理を課題として位置づけている。深夜業に従事する労働者には特定の健康診断の仕組みが設けられているし、労働時間の管理についても基準がある。国が制度として扱っているという事実そのものが、「個人の根性で処理する問題ではない」という証明になる。

だから、周りが平気に見えることを根拠に自分を責めないでほしい。平気に見える人も負荷は受けているし、影響の出方には個人差がある。あなたの体が先に信号を出しているだけだ。

続けるなら。負荷を減らす基本

いますぐ辞められない事情がある人へ。完全に打ち消すことはできないが、負荷を減らす工夫はある。一般的に推奨されている範囲で並べる。

  • 明けの帰り道は、強い光を避ける。朝の光を浴びると体が「起きる時間だ」と判断してしまう。サングラスや帽子で光の量を落として帰ると、帰宅後に眠りやすくなる
  • 寝室を暗く、静かに、涼しく保つ。遮光カーテン、耳栓、アイマスク。昼に眠る以上、環境で夜を作るしかない
  • カフェインは勤務の後半で切る。勤務前半に取り、明けに近い時間帯は避ける。帰宅後の眠りに響く
  • 明け直後の長時間睡眠より、分割を試す。明けに短めに眠り、夕方にもう一度眠る方が合う人もいる。合う型は人によって違うので、記録を取って探す
  • 健康診断を必ず受ける。深夜業の健康診断の仕組みがあるなら使い切る。数値の変化は自覚より早く出る

そして最重要の1つ。眠れない日が続く、食欲が落ちた、気分が落ち込んだままだ、動悸がする。このサインが出ているなら、工夫の段階ではなく受診の段階だ。産業医、かかりつけ医、心療内科。このセクションに紹介する商品はない。必要なのは求人ではなく、医療に繋がることだ。

体力の残高という考え方

もう1つ、判断の軸を渡す。夜勤に耐えられる体力は、年齢とともに確実に減る。

20代で回っていた夜勤が、30代で重くなり、40代でさらに重くなる。これは例外の少ない話だ。そして厄介なのは、限界が来てから動こうとすると、選べる仕事の幅が既に狭まっていることだ。体を壊した状態では、日勤の仕事でも通勤や長時間の勤務がつらくなる。

だから問いはこうなる。「いつまで夜勤を続けるか」を、決めているか。

  • 決めていない → 体が壊れた日が終了日になる。これが一番まずい
  • 決めている → その日から逆算して、資格や経験を積める

期限を決めるだけで、いまの夜勤が「終わりのない消耗」から「期間限定の投資」に変わる。同じ勤務でも、心の持ちようがまるで違ってくる。

夜勤から離れる。業種別のルート

離れると決めた人へ。資格と経験を持ったまま、日勤中心に移る道が各業種にある。

看護師の場合。クリニック、検診・健診センター、訪問看護、企業の健康管理室。日勤中心の働き方は複数ある。夜勤手当の分だけ収入は下がる傾向があるから、求人票の数字で家計と並べて判断してほしい。ナース専科 転職なら日勤のみ・オンコールなしといった条件で絞れる。まず自分の地域にその条件の求人がいくつあるかを見るだけでいい。

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介護職の場合。デイサービスや訪問介護は日勤中心だ。同じ施設系でも、夜勤の人数体制は事業所でまるで違う。かいご畑は無資格・未経験からの求人も扱い、働きながら資格を取る支援もある。「夜勤なし」や「夜勤2人体制」といった条件で並べ直すところから始めてほしい。

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工場勤務の場合。同じ製造業でも、日勤のみの工程や職場は存在する。交代制の有無、シフトの組み方、手当の水準は会社で大きく違う。コウジョブは工場・製造業専門で条件から探せる。いまの職場が製造業の標準なのかどうかは、他社の求人票と並べて初めて分かる。

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警備・運輸など、上記以外の業種の人へ。考え方は同じだ。同じ業種の中に日勤中心の職場があるか、まず求人票で確認する。業種を変えずに勤務形態だけ変えられるなら、それが一番コストの低い移り方になる。

どの業種でも共通するのは、1社の求人だけを見て判断しないことだ。担当者や媒体によって出てくる求人は変わる。合わなければ断ればいいだけで、断り方は断り文面45選に置いてある。

面接で必ず聞くこと

次の職場で同じことを繰り返さないために、確認すべき質問を渡す。

  • 夜勤は月に何回か。何人体制か
  • 夜勤明けの翌日は休みになるか。勤務間のインターバルは確保されているか
  • 実際の残業時間はどのくらいか
  • 深夜業の健康診断は実施されているか

この質問に具体的に答えられる職場は、勤務の負荷を管理している職場だ。答えを濁す職場は、それ自体が判断材料になる。

看護師3年目の負荷は夜勤を辞めたい看護師3年目へ、介護の夜勤体制は介護の夜勤ワンオペが怖い、工場の将来不安は工場の仕事が単調で不安な人へに、それぞれ詳しく書いた。

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よくある質問

夜勤で体調を崩すのは慣れの問題ですか?

慣れの問題ではない。人の体は昼に活動し夜に眠るリズムを持っていて、交代勤務はそれと逆行する。厚生労働省も交代勤務者の健康管理を課題として扱っている。個人の根性で解決する話ではない。

夜勤を続けながら体を守る方法はありますか?

完全に打ち消すことはできないが、負荷を減らす工夫はある。明けの光を避けて帰る、寝室を暗く静かに保つ、カフェインの取り方を管理する、健康診断を必ず受ける、など。

夜勤のない仕事に移れますか?

移れる。看護・介護・工場のいずれも、同じ資格と経験のまま日勤中心の職場が存在する。夜勤手当の分だけ収入は下がる傾向があるので、家計の計算とセットで検討する。

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