自分の残業代が正しいのか、計算したことがない人がほとんどだ。
式は1本しかない。時給単価 × 割増率 × 残業時間。1分で計算できる形にして、未払いのチェックまで書く。
この記事の要点
- 式は1本。時給単価×割増率×残業時間だ
- 時給単価=月給(除外手当を引く)÷月平均所定労働時間
- 割増は時間外1.25倍・深夜+0.25・法定休日1.35倍が基本枠だ
- 未払いチェックは3問。1分単位・みなし超過分・名ばかり管理職
手順1。自分の時給単価を出す
まず自分の時給を出す。月給 ÷ 月平均所定労働時間だ。
- 月給に入れるもの|基本給、役職手当、資格手当など
- 除外するもの|通勤手当、家族手当、住宅手当(一律支給でないもの)、賞与など
- 月平均所定労働時間|(365日−年間休日)×1日の所定時間÷12。多くの会社で160時間前後になる
例で計算する。月給30万円(除外手当を引いた額)・月平均160時間なら、
30万円 ÷ 160時間 = 時給単価1,875円
自分の年間休日と所定時間は就業規則に書いてある。ここが分かれば、あとは掛け算だけだ。
手順2。割増率を掛ける
残業の種類ごとに、法律で決まった割増率を掛ける。
- 法定時間外(1日8時間・週40時間超)|1.25倍
- 深夜(22時〜5時)|+0.25(時間外かつ深夜なら1.5倍)
- 法定休日の労働|1.35倍
- 月60時間超の時間外|1.5倍(大企業で適用。中小への適用も進んでいる領域なので、自社の扱いは要確認)
先ほどの時給1,875円なら、時間外1時間=約2,344円、深夜残業1時間=約2,813円になる。
手順3。概算する。月20時間ならいくらか
時給1,875円 × 1.25 × 20時間 = 約4.7万円/月。年間で約56万円だ。
この数字を見て、2つのことを確認してほしい。
1、給与明細の残業代と、概算が大きくずれていないか。多少の誤差は所定時間の違いで出るが、半分以下のような乖離は原因の確認が要る。
2、みなし残業(固定残業代)の中身。みなし45時間の給与体系なら、45時間分の残業代が月給に含まれている計算になっているか、45時間を超えた分が追加で払われているか。みなし=定額使い放題ではない。みなし残業の危険水域はみなし残業45時間はやばいのかで書いた。
未払いチェック3問。1つでも引っかかったら記録を
自分の職場を、この3問で点検してほしい。
問1、残業時間は1分単位で集計されているか。15分未満切り捨て・30分未満切り捨てのような運用は、原則として違法な賃金の不払いになる(1ヶ月の合計の30分未満を丸める処理だけは例外的に認められている)。
問2、みなし時間を超えた分は追加で払われているか。固定残業代の時間数と、実際の残業時間を毎月突き合わせているか。超過分の不払いは、みなし制度でも普通に違法だ。
問3、「管理職だから残業代なし」の実態は適正か。法律上残業代の対象外になる管理監督者は、経営に近い権限・裁量・待遇を持つ人に限られる。肩書きだけ店長・マネージャーで、実態が一般社員と変わらないなら、残業代の対象である可能性が高い。
1つでも引っかかったら、やることは2つ。勤怠の記録と給与明細を手元に保存する(未払い残業代の請求権には時効があるため、記録が武器になる)。そして、労働基準監督署か労働問題の弁護士の無料相談で確認する。残業代が出ない状態の違法性の判断は残業代が出ないのは違法かに詳しく書いた。
計算できない人は、取り返せない。逆に言えば、この1分の計算式を持っているだけで、あなたの労働の値段は守りやすくなる。残業そのものの異常さの物差しは残業が当たり前はおかしいが担当だ。数字は、感情より強い味方なんだわ。
よくある質問
残業代はどう計算すればいいですか?
時給単価(月給÷月平均所定労働時間)×割増率×残業時間だ。月給30万・160時間なら時給1,875円になる。
割増率にはどんな種類がありますか?
時間外1.25倍・深夜+0.25・法定休日1.35倍・月60時間超1.5倍が基本の枠だ。自社の定義は就業規則で確認する。
残業代が正しく払われているか確認する方法は?
1分単位の集計・みなし超過分の支払い・管理職の実態の3問で点検する。疑いがあれば記録を保存して無料相談へ。
残業代の計算シートをLINEで無料配布中
自分の時給単価と概算額を出せる計算シートを、公式LINEで無料配布している。計算できる人からしか、取り返せないんよ。




