このサイトの画面、つまりトップページも記事ページも診断ツールのUIも、コードを書いたのは私ではない。Codexだ。
私がやったのは、日本語で依頼メモを書くことだけになる。非エンジニアの個人開発が、実際にどう進むのか。華やかな部分ではなく、依頼メモの中身と手戻りの実例で書く。
この記事の要点
- 個人開発の人間の仕事は、実装から「仕様の言語化と検収」に移った
- 依頼メモの型は5点。対象・現状・変更・禁止範囲・完成条件
- うまくいく依頼と手戻りする依頼の差は、完成条件の具体さで決まる
- 作れる範囲には限界がある。個人開発の現実的な線も引く
何を作ったか。実物はこのサイトだ
事例として、Codexへの依頼で作られたものを並べる。全部、いまあなたが見ているサイトの一部だ。
- トップページの全体デザインと、記事カード・ランキングの部品
- 記事ページの見た目。目次・比較表・FAQ・誘導ブロックの装飾
- 診断ツールの画面。質問の進行・結果表示・スマホでの操作感
- 計算ツール(手取り計算等)の入力まわり
期間は、メディア全体の立ち上げ2週間の中に含まれる。記事とデータの中身はClaude Code、画面はCodexという分担で並行に進めた。この分担の考え方はCodexとClaude Codeの使い分けで書いた通りだ。
言っておくべき前提が1つ。私はWebデザイナー出身で、画面の良し悪しを言葉にする訓練は積んでいる。コードは書けないが、仕様は書ける。この記事の再現性は「コードが書けない人」には開かれているが、「作りたいものを言葉にする気がない人」には開かれていない。そこは正直に線を引いておく。
依頼メモの実物構成。5点で固定している
Codexへの依頼は、1件1葉のメモで出す。型は5点だ。
<!-- 撮影プレースホルダー[撮7]: Codexに出した依頼メモの実物スクショをここに挿入 -->
5点のうち、後から足したのが4と5だ。つまり、最初は3点で運用して事故った。4の禁止範囲は、範囲指定なしの依頼でトップページを上書きされた事故(顛末はトラブル実例集にある)から入った。5の完成条件は、次の話に繋がる。
ここまでのまとめ
・個人開発の人間の仕事は、実装から「仕様の言語化と検収」に移った
・依頼メモの型は5点。対象・現状・変更・禁止範囲・完成条件
・うまくいく依頼と手戻りする依頼の差は、完成条件の具体さで決まる
うまくいった依頼と、手戻りした依頼。差は完成条件だけ
実際の依頼を、成功と失敗で並べてみる。
手戻りした依頼の典型。「記事ページの目次を、もっと見やすくしてください」
返ってきたものは、悪くはないが私の頭の中と違う。直しを頼む。また少し違う。3往復して、やっと着地した。原因はCodexではなく、「見やすく」の中身を私が言語化していなかったことだ。
うまくいった依頼の典型。「記事ページの目次を変更。現状は項目が縦に並ぶだけで、長い記事だと現在地が分からない。変更内容は、読んでいる見出しの項目が太字になること。スマホでは目次を折りたたみ、タップで開閉。折りたたみ時の高さは1行。デザインは既存の枠線の太さと色に合わせる。記事本文のファイルは触らない」
一発で、ほぼ意図通りが返ってきた。
差は道具の性能ではない。完成条件の具体さだ。「どう見えたら合格か」を書いた依頼は速く、書かなかった依頼は往復する。これは人間の外注でも同じで、要するにAI開発とは発注の技術なんよ。前職のディレクター時代、デザイナーへの曖昧な依頼で手戻りを量産していた自分を思い出しながら書いている。あの頃の失敗が、いま一番役に立っている。
個人開発の現実的な範囲。作れるものと、やめておくもの
期待を膨らませすぎないための線引きも書いておく。私の実感での、非エンジニア個人開発の現実的な範囲だ。
現実的に作れるもの。
- 自分のメディア・ブログの画面と部品
- 診断・計算・チェックリストのような、入力→結果型のツール
- 自分の業務を楽にする小さな道具(集計・整形・検査)
個人ではやめておくべきもの。
- 会員情報や決済情報を自前で預かる仕組み。事故った時の責任が個人の範囲を超える
- 不特定多数が書き込む場。運営と安全対策の重さが桁違いになる
- 本業の機密データを扱う道具を、会社の許可なく作ること
上の線引きは技術の限界というより、責任の限界だ。AIは実装してくれるが、事故の責任は取ってくれない。作れることと、運用を背負えることは別問題になる。
それでも、入力→結果型のツールが日本語の依頼で作れるのは、副業の武器として素直に大きい。私のサイトの診断ツールは、記事より先に読者との接点を作ってくれている。道具側の入門は非エンジニアのClaude Code入門、全体の工程は2週間で200記事のメディアをAIと作った話を読んでほしい。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
作った診断ツールやサイトは収益になりますか
ツール単体では、ほぼ収益にならない。私のサイトの診断ツールも、それ自体は無料で提供している。収益への繋がり方は間接的で、ツールが読者との最初の接点になり、記事と商品への入口として働く形だ。検索で来た人が診断で3分遊び、結果から関連記事へ進み、その先に商品がある。ツールは店の看板と呼び込みであって、レジではない。ツールを作れば儲かるという発想で始めると外すが、読者との接点を増やす道具と考えると、個人メディアの武器としてかなり強い。
依頼メモの往復は何回くらいで完成しますか
完成条件を書いた依頼なら、私の体感で1〜3往復に収まる。1回目でほぼ意図通りが返り、細部の調整で1〜2往復、という形が多い。5往復を超え始めたら、道具ではなく依頼文を疑うサインだ。大抵は、完成条件が曖昧か、1回の依頼に複数の変更を詰め込みすぎている。私は1メモ1変更を原則にしている。3つ変えたければ3枚のメモに分ける。面倒に見えるが、混ざった依頼の手戻りを3回やるより、分けた依頼を3回出す方が確実に速い。
個人開発の学習に、プログラミングスクールは必要ですか
作りたいものがこの記事の範囲(自分のメディア・ツール)なら、要らないというのが私の答えだ。私はスクールに行かずにこのサイトを持てている。学ぶべきはコードの書き方ではなく、作りたいものを言葉にする力と、成果物を確認する習慣だからだ。ただし、エンジニアとして就職・転職したい人は話が別で、それは開発を仕事にする学習になる。副業の道具としての開発と、職業としての開発は、必要な学習が違う。自分がどちらを求めているかを先に決めると、金の使い先を間違えない。
3分で診断:副業・独立タイプ診断——あなたに合う副業の入口を8問で判定する。無料・登録不要。この診断も、日本語の依頼から生まれた実例の1つだ。
よくある質問
プログラムを書けない人でも個人開発はできますか?
できる。ただし人間の役割は実装から、仕様の言語化と検収に移る。言葉にできないものは、AIがあっても作れない。
依頼メモには何を書けばいいですか?
対象・現状・変更・禁止範囲・完成条件の5点だ。特に完成条件の具体さが、手戻りの回数を決める。
デザインの知識がなくても見られる画面になりますか?
具体の指定(色数・線・参考にする既存ページ)を渡せれば実用水準になる。好きなサイトを1つ基準に決めるのが現実的だ。
この副業クラスタの全体の順路は会社の外で稼ぐ人の順路に、入口の全体像はAI副業は何から始めるかにまとめてある。自分の段階に合う記事から読んでほしい。
依頼メモの型はLINEでも配っている
5点構成の依頼メモテンプレートを、LINEで無料配布している。開発の民主化の正体は、発注の技術なんだわ。




