冬のボーナスの額は、12月に決まるのではない。多くの会社で、秋には実質的に決まっている。

この仕組みを知らないと、11月に慌てて頑張って冬に反映されず、がっかりして年を越すことになる。査定がいつ締まり、いつの頑張りがどこに効くのか。仕組みから書く。

この記事の要点

  • 冬の賞与は、春〜秋の半年間の実績で査定されるのが典型だ
  • 支給の1〜2ヶ月前には査定が締まる。12月の頑張りは冬には効かない
  • 今から間に合うのは、実績の伝え方と期間内の締めだ
  • 額に不満があるなら、社内の物差しと市場の物差しの両方で測る

冬の賞与が決まるまでの流れ。典型的な時間割

会社ごとに差はあるが、冬の賞与の決まり方は概ねこの流れになる。

  1. 査定対象期間|春から秋の半年間(4〜9月区切りが典型)の実績が対象になる
  2. 評価面談・査定|期間終了後の10〜11月に、自己評価と上司の評価が確定していく
  3. 原資の決定|会社の業績から賞与の原資が決まる。ここは個人の頑張りの外側の変数だ
  4. 支給|12月に振り込まれる

見ての通り、支給日と査定の締めには1〜2ヶ月のずれがある。12月に張り切っても、その頑張りは冬の袋には入らない。入るのは次の夏だ。

そして大前提として、正確な区切りは会社の賞与規程に書いてある。就業規則と一緒に確認できるはずだ。読んだことがない人は、この記事を閉じたら一度見てほしい。自分の給与の決まり方を規程で確認したことがあるかどうかは、年収の話の入口で意外なほど差がつく。

今から間に合うこと、間に合わないこと

査定の仕組みが分かると、いまの時期にやるべきことが絞れる。

間に合わないこと。いまから新しい大きな成果を作って冬に乗せること。対象期間の残りが少ない時期に始めた仕事は、評価が確定する頃にまだ途中だ。

間に合うこと。2つある。

1、期間内の仕事を確実に締める。進行中の案件を対象期間内に完了の形にする。9割まで進んだ仕事を10割にして着地させるのは、新しいことを始めるより査定に効く。

2、実績の伝え方を整える。評価面談は、上司の記憶力テストではない。半年分の実績を、数字と事実で思い出させる場だ。やったことを箇条書きにして、可能なものに数字を付ける。この準備をするかどうかで、同じ実績でも査定の乗り方が変わる。伝え方の技術は年収を上げる完全ガイドの評価の章で書いた通りだ。

自己評価を盛る話ではない。やった事実を、評価者が拾える形に並べる話だ。黙っていても見てくれている、は残念ながら多くの職場で願望どまりになる。評価者も人間で、半年前のあなたの仕事を細部まで覚えてはいない。

査定と退職の時期。辞める予定がある人の注意点

冬の賞与と退職の関係も、時期の仕組みで整理しておく。

  • 支給日在籍要件。多くの会社で、賞与は支給日に在籍している人に払われる。支給前に退職すると、査定が終わっていても受け取れない場合がある。規程の確認が先だ
  • 退職の切り出しと査定。査定が締まる前に退職意思を伝えると、心証や裁量部分に影響する可能性は現実にある。もらってから動く順番の組み方は冬のボーナスをもらって12月に辞める逆算に書いた
  • ボーナス直後の退職は責められる筋合いがない。賞与は過去の実績への対価であって、未来への前払いではない。もらって辞めるのは制度の正しい使い方だ。後ろめたさの整理はボーナスをもらってから辞めるのはありかを読んでほしい

額に不満がある時。社内と市場、2つの物差しで測る

査定の結果に納得がいかない時、感情のまま動く前にやることがある。不満の正体を2つの物差しで測ることだ。

社内の物差し。評価の理由は説明されたか。改善すれば上がる道筋は示されたか。説明と道筋があるなら、社内で挽回する価値はまだある。説明のない査定が続くなら、それは評価制度ではなくブラックボックスで、頑張りの投資先として危うい。

市場の物差し。同じ経歴・職種・年齢で、市場はいくらの値段を付けるか。社内の査定が渋くても市場価値が高いなら、あなたの労働の買い手を変えるだけで年収は動く。逆に市場水準と大差ないなら、転職では解決しない不満だと分かる。

市場の物差しは、無料で当てられる。

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利用の流れ|① 経歴・職種を入力(数分) → ② 想定年収の目安が出る → ③ 社内の査定額と並べて、差を数字で見る

タレントスクエアの年収診断で市場価値を測る

診断はあくまで目安で、確定の値札ではない。それでも、社内の査定という1つの物差ししか持っていない状態から抜けるには十分だ。差が大きければ、その時に初めて転職を選択肢に入れればいい。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

賞与の原資が業績で減るのは、個人ではどうにもならないのですか

個人の査定と会社の原資は別の変数で、原資側は個人の努力では動かせない。だから、個人でコントロールできるのは配分の順位までと割り切るのが精神衛生上も正しい。ただし、原資が数年続けて細っているなら、それは会社の事業の体温の話だ。個人の査定の話を超えて、この船に乗り続けるかの判断材料として見るべき数字になる。

評価面談で何をアピールすればいいか分かりません

面談の直前に考えるから出てこない。対象期間の初めから、実績メモを月1で書き溜めておくのが唯一の解になる。完了した仕事・数字・感謝された場面を、月末に3行書くだけでいい。半年後、そのメモがそのまま面談の台本になる。いまからできることとしては、カレンダーやメールの送信履歴を遡って、半年分の実績を復元することだ。記憶より記録が強い。

中小企業で査定基準が曖昧です。どう動くべきですか

基準が明文化されていない会社は珍しくない。その場合、評価者に直接「何をすれば上がるか」を聞いてしまうのが一番早い。答えが返ってくるなら、それが事実上の基準だ。答えが曖昧なまま数年続くなら、あなたの年収はその会社では制度ではなく気分で決まっている。その環境で年収を計画的に上げるのは難しいから、市場の物差しを当てて外の選択肢を持っておく価値が高くなるんよ。

よくある質問

冬のボーナスの査定対象期間はいつからいつまでですか?

4〜9月の半年間が典型だ。10〜11月に査定が締まり12月に支給される。正確な区切りは会社の賞与規程で確認する。

今から頑張れば冬のボーナスに間に合いますか?

新しい成果の上積みは難しい。間に合うのは期間内の仕事の締めと、評価面談での実績の伝え方の準備だ。

ボーナスの査定に不満があります。転職を考えるべきですか?

1回の額では決めない。説明の有無と、市場価値との差を数字で見てから判断する。測るのは無料でできる。

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