「ボーナスをもらってから辞めるなんて、会社に悪い気がする」。そう思って退職を先延ばしにしていないか。

はっきり言う。ボーナスをもらって辞めるのは卑怯でも何でもない。あなたが半年間働いた対価を、規定通りに受け取るだけの話だ。

むしろ、もらえるものをもらわずに辞める方が問題だ。転職には金がかかる。数十万円を感情で捨てるな。この記事で、損せず辞めるための順番を全部書く。

ボーナスは「過去の労働への後払い」だ

まず罪悪感を捨てるところから始める。

ボーナスの多くは、直前の評価期間の業績と働きに対する後払いだ。夏のボーナスなら前年の下期、冬のボーナスなら当年の上期。つまり、あなたがもう働き終えた分の報酬なんよ。

未来への期待料だと思うから罪悪感が湧く。過去の労働の対価だと理解すれば、受け取って辞めることに何の後ろめたさもない。会社側も、辞める社員にボーナスを払うことは織り込み済みで制度を作っている。

逆の立場で考えてみてほしい。会社の業績が悪ければボーナスは平気でカットされる。会社は規定通りに払い、あなたは規定通りに受け取る。それだけのドライな話だ。

最重要。支給日と退職意思表示の順番

ここが本題だ。順番を間違えると、もらえるはずの金が減る。

原則:支給日を過ぎてから退職を切り出す

ベストな順番はこうだ。

  1. 就業規則の賞与規定を確認する
  2. ボーナス支給日を待つ
  3. 振り込みを確認する
  4. その後に退職の意思を伝える

多くの会社の賞与規定には「支給日に在籍している者に支給する」という在籍要件がある。これを満たしていれば、退職予定でも支給対象だ。

支給前に退職意思を伝えるとどうなるか

法的には、退職の意思を伝えただけでボーナスをゼロにするのは問題がある。だが現実には、査定でボーナスを減額される可能性がある。賞与は会社の裁量が大きく認められている部分があるからだ。

だから、わざわざ支給前に言う必要はない。「隠しているみたいで気が引ける」と思うかもしれないが、退職の意思をいつ伝えるかはあなたの自由だ。ルール違反ではない。

就業規則で確認すべき3点

  • 在籍要件:支給日に在籍していればいいのか、支給日以降の在籍期間も条件か
  • 支給日:例年の支給日。6月末〜7月上旬、12月上旬〜中旬が多い
  • 退職の申し出期限:退職予定日の何日前までに申し出る規定か

この3つが分かれば、逆算でスケジュールが組める。例えば支給日が7月10日で退職申し出が1ヶ月前規定なら、7月11日に伝えて8月中旬退職、という流れが作れる。

あわせて読みたい在職中の転職活動は全員スパイ。バレない立ち回りの全て

転職活動はボーナス前から始めていい

「ボーナスをもらってから転職活動を始めよう」と考える人がいるが、これは順番が違う。

転職活動には平均2〜3ヶ月かかる。ボーナスをもらってから動き出すと、退職までの期間が間延びするか、焦って妥協するかのどちらかになる。

正解は、支給日の2〜3ヶ月前から転職活動を始めて、支給日直後に退職を切り出せる状態を作っておくことだ。在職中の転職活動は今や当たり前で、会社にバレる心配も立ち回り次第で消せる。詳しくは在職中の転職活動でバレない立ち回りに書いた。

在職中に活動する余裕がないなら、スカウト型に登録して待つだけでもいい。

無料登録してスカウトを待つ(マイナビスカウティング)

職務経歴を登録しておけば、企業やヘッドハンターからの声かけを待つだけだ。ボーナスを待っている期間を、次の準備期間に変えられる。

内定のタイミング調整も難しくない。面接で「◯月支給の賞与を受け取ってから入社したいと考えています」と正直に言って構わない。企業側もボーナスを捨てて来いとは言わない。それで嫌な顔をする会社は、入社後も社員の利益を軽視する会社だ。

引き止めの返し方。テンプレを渡す

ボーナス直後の退職は、会社も辞められたくないタイミングだ。引き止めは想定しておけ。よくあるパターンと返し方を書く。

「ボーナスもらった直後に辞めるのか」と言われたら

「賞与は これまでの働きへの評価と受け取っています。ありがとうございます。その上で、退職の意思は変わりません」

感情で返すな。事実だけ返せ。もらって辞めるのは制度上の正当な権利であり、謝る話ではない。

「次のボーナスまで待てば査定を上げる」と言われたら

「条件の問題ではなく、キャリアの方向性で決めたことです」

金で引き止める会社は、辞意を撤回した社員を信用しない。残った後のあなたの評価は下がるのが定番だ。

「後任が育つまで待ってくれ」と言われたら

「退職日までは引き継ぎに全力を尽くします。退職日は◯月◯日でお願いします」

後任の育成は会社の仕事であって、あなたの退職を延期する理由にならない。期限を区切って、あとは譲るな。ずるずる延ばされて、次のボーナス時期まで引っ張られた人を私は知っている。

もらい逃げと思われたくない人へ

それでも「周りにどう思われるか」が気になる人へ。

私は4回転職したが、辞めるタイミングをボーナスに合わせることを悪く言う人は、辞めていく人間に対しては何をしても悪く言う。円満退職の本体は、タイミングではなく引き継ぎの質だ。

  • 引き継ぎ資料を作り込む
  • 後任やチームへの共有を丁寧にやる
  • 最終日まで手を抜かない

これをやれば、ボーナス直後に辞めても悪評は残らない。逆にこれをやらなければ、いつ辞めても悪く言われる。気にする場所を間違えるな。

そもそも辞めて正解かを先に確かめろ

ここまで読んで「よし、ボーナスまで待って辞めるぞ」となった人に、ひとつだけ確認してほしい。その転職、感情の勢いだけで決めていないか。

ボーナスを待つ数ヶ月は、冷静に考える時間としても使える。自分の経歴で転職できるのか、どのくらいの求人があるのか。先に確かめておけば、辞めた後に「こんなはずでは」とならない。

無料・数分で転職可能性を診断する(タレントスクエア)

診断は無料で、数分で終わる。結果はその場で見られて、そのまま閉じてもいい。登録後に案内が届くことはあるが、不要なら配信を止めて、診断結果だけ持ち帰れば済む。

数分で、今の経歴でどのくらい転職の目があるかが分かる。診断してから動くか、動きながら診断するか。どちらでもいいが、丸腰で辞めるのだけはやめておけ。

何から手をつけるべきか迷っているなら、転職を考え始めた人が最初にやることの順番を先に読んでほしい。

有給消化もセットで計画しろ

ボーナスと並んで取りこぼしが多いのが有給休暇だ。退職時に残った有給は、退職日までにまとめて消化できる。会社に買い取り義務はないから、消化しないと単純に捨てることになる。

おすすめは、最終出社日と退職日を分ける組み方だ。例えば8月15日を最終出社にして、残り20日の有給を消化し、9月中旬を退職日にする。この期間も給与は満額出るし、社会保険も継続する。ボーナス、有給、退職日。この3点をセットで逆算するのが、損しない辞め方の完成形なんよ。

有給消化を渋られたら、「労働者の権利として消化させていただきます」で通せ。時季変更権を盾に拒む会社もあるが、退職日が決まっている社員には実質使えない。

まとめ。順番だけ間違えるな

  • ボーナスは過去の労働の対価。もらって辞めるのは正当な権利だ
  • 就業規則で在籍要件・支給日・申し出期限の3つを確認しろ
  • 退職の意思表示は支給日の後。前に言う義務はない
  • 転職活動は支給日の2〜3ヶ月前から始めろ
  • 引き止めには事実で返せ。金と情に流されるな

数十万円は、転職直後の生活を支える現実的な武器だ。取れるものを取って、堂々と次へ行けだわ。

転職活動の全体像を通しで確認したい人は、初めての転職 完全ガイドを読んでほしい。準備から入社後まで、この記事の位置づけが分かる。

よくある質問

ボーナスをもらってすぐ辞めるのは問題ないですか?

問題ない。賞与は過去の労働への後払いで、受け取って辞めるのは制度上の正当な権利だ。会社も織り込み済みで制度を作っている。罪悪感で数十万円を捨てる方が、あなたの人生にとって問題だ。

退職の意思はボーナス支給前と後、どちらで伝えるべきですか?

支給後だ。支給前に伝えると、査定でボーナスを減額されるリスクがある。就業規則の在籍要件と支給日を確認し、振り込みを確認してから切り出す。退職の意思をいつ伝えるかは、あなたの自由だ。

ボーナス直後の退職で引き止められたらどうすればいいですか?

事実だけで返せ。賞与はこれまでの働きへの評価と受け取っている、その上で退職の意思は変わらない、と伝える。もらい逃げと言われても、円満退職の本体はタイミングではなく引き継ぎの質だ。

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記事を読んで終わりにせず、自分に合うサービスの当たりを付けるところまで進んでほしい。ここまでが今日の一歩だ。

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