会社の電話が鳴る。取り次がれて出ると、「貴殿のご経歴を拝見しまして」。忙しい時間帯に、これが週に何度も来る。
まず知っておくといい。あなたの番号が漏れたわけではないことが多い。
先に一文で。ヘッドハンティングの電話は会社の代表番号に部署と役職を指定してかけてくるものが大半で、名乗らせて明確に断り、削除を依頼すれば止まる。
この記事の要点
- 経路の多くは会社の代表番号への取り次ぎ依頼
- 曖昧に断ると必ず再度かかってくる
- 名乗らない相手は、その時点で切っていい
- 折り返し先にかけ直さないのが業者を避けるコツ
なぜ番号を知られているのか
1、会社の代表番号にかける(最多)
部署名と役職を指定して取り次いでもらう。「営業部の課長の方をお願いします」。個人の番号を知らなくても接触できる。
2、公開情報から
会社サイトの担当者紹介、業界誌の記事、セミナーの登壇者一覧、特許や論文の著者欄。
3、ビジネスSNSや名刺交換アプリ
登録した所属と役職が、そのまま検索対象になっている。
4、過去に登録したサービスや名簿
古い転職サービスの登録が残っている、名簿業者を経由している、というケース。
1が圧倒的に多いので、情報が漏れたと考えるより、公開されている所属から機械的に当てられていると考えたほうが実態に近い。
その場で止める3つ
1、会社名と担当者名を聞く
「どちらの会社の、どなたでしょうか」。名乗らない相手は、その時点で切っていい。まともなサーチ会社は必ず名乗る。
2、はっきり断る
「現在は検討していません。今後のご連絡も不要です」
「今は忙しいので」「また今度」は、再度かけていい合図として扱われる。曖昧に濁さない。
3、削除を依頼する
「連絡先のリストから削除をお願いします」。有料職業紹介の許可を持つ事業者には個人情報の取り扱いルールがあるので、削除依頼には応じる義務がある。
会社の電話で受けている場合
社内での扱いも問題になる。取り次ぐ受付や同僚に、「転職の勧誘電話が増えている」と知られること自体が気まずい。
- 受付や上長に共有する|「個人宛の営業電話は取り次ぎ不要」と伝えておく
- 社内で転職の話にしない|勧誘電話が来ること自体は、あなたが動いている証明にはならない
- 折り返さない|相手の指定する番号にかけ直すと、有効な連絡先として記録される
在職中の活動が社内に伝わる経路については転職サイトの登録がバレるのかの記事で書いた。
本物と業者の見分け
全部が迷惑電話というわけではない。本物のサーチ会社からの接触は実在する。
分ける材料は4つだ。
- 会社名と許可番号を出せるか|有料職業紹介の許可番号は厚労省のサイトで照合できる
- 依頼元のポジションが具体的か|職務、レポートライン、想定年収の幅
- なぜあなたなのかを説明できるか
- 費用の話が一切出ないか|求職者から金を取るのは転職支援ではない
見分け方の詳細と、会う場合の注意はヘッドハンティングとはの記事で書いた。
転職サービスからの連絡が多い場合
こちらは自分で登録した先なので、対処が違う。配信設定を切る、担当に頻度を伝える、退会する。しつこい連絡への対応はエージェントの連絡がしつこい時の記事、スカウトの扱いはスカウトに返信しない選択の記事で書いた。
よくある誤解
「ヘッドハンティングの電話が来る=評価されている」。役職と所属で機械的に選ばれているだけのことが多い。喜ぶ材料にも、落ち込む材料にもしなくていい。
「一度話を聞かないと失礼」。ならない。相手は断られる前提で数をかけている。
よくある質問
名乗らずに「個人的な用件です」と言われて取り次がれました
その手口は実際にある。用件を確認し、勧誘であれば名乗らせたうえで断る。受付には「用件を確認してから取り次いでほしい」と共有しておくといい。
携帯にかかってくる場合は?
過去に登録したサービスか、名刺交換の経路が濃厚だ。着信拒否で止まることも多い。番号を変える前に、まず登録済みのサービスの配信設定を見直したほうが早い。
転職の資料をLINEで無料配布中
スカウト・ヘッドハンティングの見分けチェックリストを公式LINEで無料配布している。切っていい連絡と、聞く価値のある連絡は、4つの質問で分けられる。



