面接で落ちた。手応えも悪くなかったのに。結局、面接なんて相性で決まるんじゃないのか。

半分は当たっている。相性は実在する。ただし、相性と呼ばれているものの半分は、こちらで作れる。線引きを書く。

先に一文で。面接の相性は評価項目として実在するが、その半分は話す速度・情報量・結論の順序・質問との噛み合わせという調整可能な要素で、運任せにせず整えれば噛み合わない面接は減る。

この記事の要点

  • 相性は評価項目として実在する。運の要素はゼロにならない
  • ただし半分は技術。速度・情報量・結論の順序・質問への正対
  • 複数社で同じ噛み合わなさが出るなら、運でなく出し方の問題だ
  • 構造化面接という、相性運を減らす仕組みも広がっている

相性が実在する理由

中途採用の評価には、経歴やスキルと並んで「一緒に働けるか」が入っている。配属先の責任者が面接に出る二次以降では特に重い(一次と二次の違い)。

これは差別でも不合理でもない。チームで仕事をする以上、噛み合うかは業務の成否に直結するからだ。だから相性の要素をゼロにはできない。

ただ、ここからが本題になる。相性と呼ばれているものの中身を分解すると、運でない部分がかなりある。

相性の半分は、こちらで作れる

1、話す速度と量。面接官が短く聞いてくるのに長く答える、あるいは掘ってほしそうなのに一言で終える。このリズムのずれが、噛み合わない感覚の正体であることが多い。相手の質問の長さに、答えの長さを合わせるだけで印象は変わる。

2、結論の位置。経緯から話し始めて結論が最後に来ると、聞く側は途中で迷子になる。結論→理由→具体の順に固定すると、話が通じる人として扱われる。

3、質問への正対。聞かれたことに答えず、用意した話に持っていくと、会話でなく発表になる。相手の質問の意図(なぜそれを聞いたか)を1秒考えてから答えると、噛み合いが跳ね上がる。

4、表情と声量。緊張で無表情・小声になっていると、内容と関係なく「暗い人」の情報だけが残る。これは録画で確認できる。

この4つを整えた上でなお噛み合わないなら、それは本当の相性だ。整える前に運のせいにしない、が順番になる。

複数社で同じ感覚があるなら

1社なら相性、複数社で同じ噛み合わなさが続くなら、出し方の問題を疑う。

  • 模擬面接|エージェントの面接対策は、この検証に一番使える。第三者の目が入らないと、自分のリズムの癖は見えない
  • 録音・録画|自分の受け答えを聞き返すのは苦痛だが、話の長さと結論の位置は一発で分かる
  • 落ち続けて心が削れている場合は、原因分析の前に休む判断もある(面接に落ちまくって病みそうな時

相性運を減らす仕組みも広がっている

近年は構造化面接(全員に同じ質問を同じ順で行い、事前の基準で採点する形式)を導入する企業が増えている。この形式では面接官の主観の幅が意図的に狭められており、準備した内容がそのまま点になる。仕組みと対策は構造化面接とは何かの記事で書いた。

雑談型が得意でない人ほど、構造化面接を採る会社を選ぶという戦略も成立する。

よくある誤解

「相性が悪い会社に落ちたのは、むしろ幸運だ」。半分正しいが、思考停止にもなりやすい。入ってみないと分からない相性も多く、面接の1時間で分かるのは表層だけだ。落ちた理由を全部相性に回収すると、改善の余地まで手放すことになる。

「面接官に気に入られる話し方をすれば通る」。媚びは見抜かれるし、通っても入社後にずれる。目指すのは気に入られることでなく、正確に伝わることだ。伝わった上で合わないなら、それは双方にとって正しい不合格になる。

よくある質問

面接官が最初から興味なさそうでした

面接官の態度は、その日の忙しさや面接の巧拙に左右される。反応の薄さを合否のサインと読まない方がいい。淡々と、伝えるべきことを伝え切ることに集中する。

相性の良い会社を、事前に見分けられますか?

完全には無理だが、手がかりはある。カジュアル面談で現場社員と話す、口コミで社風の傾向を見る、面接での質問の仕方(詰問型か対話型か)を観察する。特に面接の進め方は、入社後のコミュニケーションの縮図になっていることが多い。

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