会議中、ノートをびっしり埋めたのに指示を間違える。メモを見返しても、相手が何を求めていたのか分からない。それ、記録はできても理解できていないんよ。
前職に、会議で絶対にメモを取らないのにミスがほぼゼロの同期がいた。そいつがやっていたのは、聞く順番と書く順番を逆にすることだった。
※この記事は、実話をもとに、一部変えています。
メモを取らないのに仕事ができる同期
前職の同期に、会議で絶対にメモを取らないやつがいた。
ゴリラ上司が熱心に指示を出してる横で、ペンも持たずに腕組みして聞いてる。最初は「なめてるんか?」って思ってた。周りも同じことを思ってた。
なのにそいつ、指示された内容を一言一句間違えずに実行する。ミスがゼロに近い。
ある日、丸亀で昼飯を食いながら聞いてみた。
私「なんでメモ取らないの?」
そいつはうどんをすすりながら言った。
同期「メモ取ってる時、人の話半分しか聞いてないんよ。書くことに集中すると、聞くことが雑になる。俺は聞くことに全集中してる」
目から鱗だった。確かに私はメモを取ることに集中して、相手の話の本質を聞き逃してた。
そいつは「メモが不要」と言っていたわけではない。書くのは会議が終わった後。会議中は理解へ集中する。この順番だったんだわ。
メモを取らない人が全員仕事できるわけではない
ここは勘違いするな。聞いただけで全部覚えられると過信し、期限も数字も忘れる人はただの準備不足だ。
仕事では記録が必要な場面がある。
- 金額や件数などの数字
- 納期や提出時刻
- 固有名詞や連絡先
- 誰が何を担当するか
- 後から確認が必要な決定事項
こうした情報は会議中でも短く書いていい。議事録が必要な会議なら、当然記録する。
問題は、相手の言葉を最初から最後まで書き写そうとして、考えることを止めることだ。メモは聞くための補助だ。メモを完成させることが会議の目的ではないんよ。
聞き方1 話している相手の目を見る
同期は、話している人の目を見ている間に集中モードへ入ると言った。
ずっと目を合わせ続ける必要はない。相手の顔、資料、画面を行き来すればいい。大事なのは、下を向いてノートだけを見ないことだ。
相手の表情を見ると、どこを強く伝えたいかが分かる。言い直した。声が止まった。資料の同じ場所を指した。言葉以外の変化を拾える。
実践手順
会議が始まったら、パソコンの通知を切る。ペンは数字や期限を書く時だけ持つ。相手が話し始めたら、まず顔を見る。
一対一なら、相手が話し終えるまでメールを開かない。オンライン会議なら、話している人の画面を前へ出す。これだけでも聞き漏れは減る。
失敗しやすい点
目を見ることへ集中しすぎて、内容が入らなくなったら意味がない。視線は手段だ。相手を凝視する大会ではない。
聞き方2 相手の言葉を心の中で復唱する
同期は、聞いてから0.5秒遅れて相手の言葉を頭の中で繰り返していた。
上司が「金曜までにA社へ見積もりを送る」と言ったら、心の中で「金曜、A社、見積もり送付」と返す。全部の文章ではなく、動作と期限を残すんだ。
復唱すると、分かったふりをして次へ流しにくくなる。意味が取れない言葉に自分で気づける。
実践手順
一文聞くたび、頭の中で次の3つへ短くする。
- 誰がやるか
- 何をするか
- いつまでか
例えば「来週の部長会までに、先月の問い合わせ件数を田中さんと確認して」なら、「私と田中さん、問い合わせ件数、来週の部長会まで」と残す。
失敗しやすい点
相手の言葉を一言一句そのまま覚えようとすると、次の話を聞けなくなる。復唱は短くしろ。主語、動作、期限だけで十分だ。
聞き方3 単語ではなく話の流れを掴む
同期は「何が目的で、何が手段か」を掴みにいっていた。
例えば上司から「顧客一覧を作って」と言われた時、作業だけ聞けばExcelを埋めて終わる。だが目的が「休眠顧客へ再提案するため」なら、最終連絡日や過去の契約額も必要になる。
目的を知らないまま作ると、言われた通りに完成させてもやり直しになるんよ。
実践手順
話を聞きながら、頭の中で3段に分ける。
- 何を解決したいのか
- そのために何を作るのか
- 誰がどう使うのか
目的が見えなければ、「この資料は、部長が予算を決めるために使う認識で合っていますか」と確認する。
失敗しやすい点
目的を深読みしすぎて、頼まれていない仕事まで増やすな。確認せずに項目を追加し、完成が遅れたら本末転倒だ。目的を掴んだら、必要な範囲を相手と合わせろ。
聞き方4 分からないところで止める
分からない言葉が出ても、会議を止めるのが怖くてうなずく。これがミスの入口だ。
同期は流さなかった。
同期「すいません、そこだけもう一回お願いします」
相手の話を遮るのは勇気がいる。だが、分からないまま30分聞き、会議後に全部やり直す方が迷惑だわ。
実践手順
止める時は、分からない範囲を狭くする。
「全部分かりません」ではなく、「A案をやめた理由だけ、もう一度お願いします」と聞く。
言葉の意味なら、「○○は既存顧客だけを指しますか」と自分の理解を添える。相手はどこを直せばいいか分かる。
失敗しやすい点
話のたびに遮ると、全体の流れが切れる。緊急でなければ疑問を一語だけ書き、区切りでまとめて聞く。止めるか後で聞くかを分けろ。
聞き方5 話が終わった直後に要約して返す
同期は指示が終わると、「つまり○○ですね」と返していた。
上司「来週の会議で使うから、売上が落ちた店舗を調べて、原因も一言入れて」
同期「つまり、売上減少店舗の一覧と、各店舗の原因を来週の会議前までに出す、で合っていますね」
ここで認識のズレが見つかる。上司が「いや、前年同月比で10%以上落ちた店舗だけ」と条件を足せる。作り終えてから違うと言われるより、何倍も早い。
実践手順
要約には4つを入れる。
- 成果物
- 対象範囲
- 期限
- 完成の条件
30秒で返せる長さにする。相手の話をもう一度全部繰り返す必要はない。
失敗しやすい点
「分かりました」だけでは要約にならない。逆に長すぎる要約も、相手へ同じ説明を聞かせるだけだ。ズレたら困る部分だけ返せ。
聞き方6 会議終了後5分以内に自分の言葉で書く
同期は会議中に書かない代わりに、終わった直後に必ず書いていた。
参加者の発言をそのまま並べるのではない。目的、決定事項、自分の作業、期限へ分けて、自分の言葉で再構築する。
これで「聞いたつもり」が見つかる。書けない部分は、理解できていない部分だ。会議から5分以内なら、相手へすぐ確認できる。
実践手順
会議後のカレンダーへ、最初から5分を確保しておけ。書く項目は4つだけだ。
- 会議の目的
- 決まったこと
- 自分がやること
- 期限と確認相手
書いたら、必要なタスクをカレンダーへ入れる。議事録が必要なら、このメモを元に整える。
失敗しやすい点
次の会議を隙間なく入れると、書き出す時間が消える。終了直後に別の仕事へ移ったら、夕方には細部を忘れる。会議時間だけでなく、会議後の5分まで予定に含めろ。
聞き方7 寝る前にその日の会話を思い出す
同期は寝る前に、その日の重要な会話を頭の中で再生していた。
全部ではない。上司から受けた指示、顧客が困っていたこと、自分がうまく答えられなかった質問。この3つくらいだ。
大事なのは、記憶力を鍛えることより、明日確認することを見つけることだ。思い出せない部分があれば、翌朝メモを見る。理解が曖昧なら相手へ聞く。
実践手順
寝る前に1分だけ、次の順番で振り返る。
- 今日一番重要だった会話
- 相手が求めていたこと
- 自分が明日やること
答えが出たら終了する。夜中に長い反省会を始めるな。
失敗しやすい点
一日の会話を全部思い出そうとすると疲れる。嫌な言葉まで何度も再生する必要もない。明日の仕事へ関係する会話だけでいいんよ。
私もメモを取らない聞き方を試した
私もこれをマネし始めた。最初の1週間はキツかった。聞き漏れが怖くて、ずっと緊張してた。
だから最初から完全にメモをやめず、数字、期限、固有名詞だけ書いた。それ以外は相手を見る。終わった直後に要約する。会議後5分で書き出す。
1か月経つ頃には、会議中の集中力が全然違うことに気づいた。相手が何を言ったかだけでなく、なぜその話をしているかまで考えられるようになった。
同期が最後に言ってた一言がある。
同期「メモは記録。記憶は理解。記録してるやつより、理解してる人の方が仕事できるのは当たり前やろ?」
乱暴だが、本質だった。記録と理解は両方いる。ただし順番は、聞く、理解する、確認する、書く。この順番だわ。
メモを取った方がいい場面
聞くことへ集中する方法は、何でも記憶だけで処理する方法ではない。
契約条件、顧客の個人情報、金額、期限、法令や社内規則に関わる内容は、その場で正確に記録しろ。複数人で決定事項を共有する会議も議事録が必要だ。
話が長い会議、専門用語が多い説明、初めて担当する仕事でもメモを使え。
違いは、全文を書き写さないことだ。重要語だけ残し、相手が話している間は理解へ戻る。書いたメモは、会議後に自分の言葉へ直す。
話の聞き方を変えると仕事の詰まりが見える
会議で理解へ集中すると、自分の仕事が止まっている理由も見えやすくなる。
やることがなくて時間を潰しているなら、聞き方以前に担当業務が足りないかもしれない。詳しくは会社員で一番ヤバいのは「暇なのに帰れない」だで、社内ニートから抜け出す手順を書いた。
上司から具体的な指摘も仕事も来なくなったなら、期待値が下がっている可能性も確認した方がいい。上司が急に優しくなったら要注意。それは損切りのサインだで、見切られたサインと挽回策をまとめている。
会議だけ上手く聞けても、仕事そのものが渡されなければ成果は出せない。自分が詰まっている場所を分けて見ろ。
まとめ
メモを取らないのに仕事ができる人は、記憶力だけで勝負しているわけではない。
- 相手を見て集中する
- 言葉を頭の中で短く復唱する
- 目的と手段を分ける
- 分からない場所で止める
- 終了直後に要約して返す
- 5分以内に自分の言葉で書く
- 寝る前に重要な会話だけ振り返る
メモは記録だ。仕事で必要なのは、記録を使って正しく動くこと。会議中にノートを埋めるだけで終わるな。
相手の目を見て聞く。理解した内容をその場で返す。書くのは会議が終わった後。この順番へ変えるだけで、仕事の質は変わるんよ。
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