履歴書の健康状態欄で、ペンが止まる。持病がある。通院している。休職したこともある。「良好」って書いていいのか?

判断の軸は1つしかない。いまの業務に支障があるかどうか。病歴の告白欄ではない。線引きを全部書く。

先に一文で。健康状態欄の軸は業務への支障の有無で、コントロールできている持病や回復済みの休職歴は「良好」と書いて虚偽にならず、配慮が要る場合だけ事実+支障なしのセットで書く。

この記事の要点

  • この欄が聞いているのは病歴でなく、業務を遂行できるかだ
  • 支障がなければ、持病・通院・休職歴があっても「良好」でいい
  • 配慮が要る場合は、事実+業務に支障なしのセットで書く
  • 虚偽になるのは、現に支障がある状態を隠した場合だけだ

この欄の正体。何を確認されているのか

採用側が健康状態欄で知りたいのは、応募した業務を通常どおり遂行できるかだ。既往歴の一覧でも、通院の有無の申告でもない。

だから記載の基準はこうなる。

  • 業務に支障なし→「良好」。これが事実の記載になる
  • 配慮があれば支障なし→事実+対応の型で書く(後述)
  • 現に支障がある→ここを隠して良好と書くと、虚偽の側に入る

コントロールできている持病(服薬で安定している・年数回の通院)や、完治した既往歴は、支障なしの範囲だ。病名を自分から開示する義務はない

休職歴がある場合

休職から回復して転職活動をしている人が、一番この欄で固まる。整理はシンプルだ。

  • 回復して支障がないなら「良好」。休職の事実をこの欄に書く義務はない。職務経歴書に休職を書かなくていいのと同じ線(書類での休職の扱い)で、健康状態欄も現在の状態を書く欄になる
  • 面接や入社時の健康申告で直接聞かれたら正直に。事実→現在の回復→再発防止の3点で答える。この線引きの全体は休職を転職先に伝えるべきかで書いた
  • 書類は現在、口頭は聞かれたら。この分担が崩れなければ、後から問題になる余地はほぼない

配慮が必要な場合の書き方

通院日の確保など、働き方に関わる事実がある場合の型は、事実+支障のなさのセットだ。

  • 「良好(月1回の通院がありますが、業務に支障はありません)」
  • 「良好(定期的な服薬でコントロールしており、勤務への影響はありません)」

事実だけ書くとリスク情報に見え、支障のなさだけ書くと具体性を欠く。セットで書くと、自分の状態を管理できている人の記載になる。配慮事項を本人希望欄に書く場合の考え方(本人希望欄の記事)と同じ型だ。

虚偽の線。ここだけ越えない

免責の整理もしておく。虚偽と扱われ得るのは、現に業務へ支障がある状態を認識しながら「良好」と書いた場合だ。

  • 就業制限を受けている、頻繁な欠勤が確実に見込まれる、応募職種の必須業務(運転・立ち仕事等)に医学的な制限がある
  • この状態を隠して入社し、直後に支障が表面化すると、経歴・健康状態の虚偽として入社後のトラブルの種になる

逆に言えば、この線の内側(支障なし・配慮すれば支障なし)での「良好」は、堂々と書いていい記載になる。

健康状態欄のない履歴書を選ぶ手もある

実は、厚生労働省の履歴書様式例には健康状態欄がない。市販・ダウンロードのテンプレートも、健康状態欄のないものが普通にある。

  • 指定書式がないなら、欄のないテンプレートを選ぶのは正当な選択だ
  • 欄がなければ、この記事の悩みは書類段階では発生しない
  • 聞かれたら正直に、の原則だけ持って面接に向かえばいい

よくある誤解

「メンタル既往は正直に書かないと、バレた時にクビになる」。解雇レベルの問題になるのは、業務への現の支障を隠した場合や、直接質問への虚偽回答だ。回復済みの既往を書類で開示しなかったこと自体は、その水準に達しない。恐れの解像度を上げると、書ける記載が見えてくる。

「良好以外を書いたら、その時点で落とされる」。配慮事項つきの記載で通る人は普通にいる。むしろ入社後に必ず表面化する配慮を隠して入ると、双方が不幸になる。書類で伝えるか面接で伝えるかは戦術だが、伝えずに入る選択だけは勧めない。

よくある質問

健康診断で再検査になっています。良好と書いていいですか?

再検査は診断の途中であって、業務への支障が確定した状態ではない。現時点で通常勤務できているなら良好の記載で問題ない。内定後の入社時健診で問われる場面があれば、その時点の事実を答えればいい。

障害者手帳を持っています。この欄に書きますか?

一般枠での応募なら、開示は義務ではなく本人の選択になる。障害者雇用枠での応募なら、配慮事項として整理して伝える方が、入社後の環境が整う。どちらの枠で戦うかの判断が、記載より先の論点になる。

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