履歴書の最後に残る空欄、本人希望欄。何か書くべきなのか。年収の希望?勤務地?それとも空欄?
この欄の正体から言う。ここは交渉の窓口ではなく、事務連絡の欄だ。だから書くのは希望でなく、事実の制約だけでいい。
先に一文で。本人希望欄は「貴社の規定に従います。」が基本で、書き足すのは応募職種・入社可能日・連絡時間帯という事実の制約だけ、年収や勤務地の希望は面接とオファー面談に回すのが正しい配分だ。
この記事の要点
- 基本は「貴社の規定に従います。」の一文。空欄と特になしは避ける
- 書き足していいのは事実の制約3つ。職種・入社可能日・連絡時間帯
- 年収・勤務地の希望をここに書くと、交渉でなく足切りの材料になる
- 育児・通院などの配慮事項は、書き方次第でここに載せていい
この欄の正体。読み手は何に使うか
採用側は本人希望欄を、選考の段取り情報として読む。どの職種の応募か、いつから来られるか、いつ電話がつながるか。つまり事務の欄だ。
ここに待遇の希望を書き込むと、事務の欄で交渉を始めた形になる。交渉には交渉の場所(面接での質問への回答・オファー面談)があり、書類の段階で条件を出すと、すり合わせの余地なく絞り込みの材料にされやすい。年収の希望は聞かれた時に答える戦術も含めて面接で希望額を聞かれた時の記事、提示後の交渉はオファー面談の記事が担当だ。
基本形と、書き足していい3つ
基本形
「貴社の規定に従います。」
これで完成だ。そのうえで、事実の制約があれば書き足す。
- 応募職種の特定|「営業職を希望いたします。」複数職種の同時募集で、どの枠への応募かを明確にする
- 入社可能日|「在職中のため、内定後1ヶ月半程度で入社可能です。」採用側の計画に直結する、一番喜ばれる情報だ
- 連絡のつく時間帯|「在職中のため、お電話は12時〜13時または18時以降ですと確実です。」選考連絡のすれ違いを防ぐ
3つに共通するのは、希望でなく事実であること。読み手の段取りを助ける情報だけが、この欄で価値を持つ。
配慮が必要な事情がある場合
育児・介護・通院など、働き方に関わる事実がある場合、書くかどうかは戦術の問題になる。
- 書く場合の型|事実+できることをセットにする。「子育て中のため、◯時までの勤務を希望いたします(リモート環境があれば柔軟に対応可能です)」。制約だけ書くと減点材料に見え、対応策を添えると条件の合う会社に絞る機能として働く
- 書かない場合|面接で口頭で伝え、すり合わせる。書類の通過率を優先する戦術だ
どちらが正しいかは状況次第だが、入社後に必ず表面化する制約は、遅くとも面接では伝える方が、入ってからの不幸なミスマッチを防ぐ。
よくある誤解
「志望動機や自己PRの続きを書いて、熱意を伝える欄に使える」。用途違いだ。熱意の欄は志望動機欄と職務経歴書にあり、本人希望欄に書かれた決意表明は、欄の使い方を知らない印象の方が先に立つ。
「貴社の規定に従いますと書いたら、提示された条件に一切交渉できなくなる」。ならない。この定型句は書類段階での意思表示であって、オファー面談での条件確認・交渉の権利を放棄するものではない。交渉は交渉の場所でやればいい。
よくある質問
転勤が難しい事情があります。書くべきですか?
転勤の可否は採用計画に直結するので、全国転勤ありの求人なら、書類か面接の早い段階で伝える方が双方の時間を守る。型は配慮事項と同じで、「家庭の事情により転勤は難しいですが、出張には対応可能です」と、できる側も添える。
複数の連絡先(現住所と帰省先など)がある場合は?
連絡のつく方を本人希望欄に書いていい。「選考のご連絡は携帯電話またはメールにお願いいたします」の一文も、すれ違い防止として機能する。
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本人希望欄の記入例集(基本形+制約別の文例5パターン)を公式LINEで無料配布している。この欄は事務連絡だ。整っていれば満点で、勝負は別の場所でやればいい。


