転職する気はない。ただ、いまの自分にいくらの値がつくのか知りたいだけ。こんな理由で診断に登録していいのか。
いい。堂々と測っていい。測るだけの利用は、診断サービスの正当な使い方だ。そして測った数字は、転職しなくても使い道がある。
この記事の要点
- 転職しない人の診断利用は織り込み済み。後ろめたさは不要だ
- 測る価値は2つ。現職での交渉材料と、キャリアの定点観測
- 通知を絞れば、営業に追われず静かに測れる
- 年1回の定点観測にすると、数字が動きで見えてくる
測るだけの利用が正当な理由
診断サービスのビジネスは、いますぐ転職する人だけでは回らない。登録者の経歴データが厚いほど診断の精度が上がり、将来動く時に使ってもらえれば事業として成立する。つまり、今は測るだけのあなたも、サービスにとって歓迎される登録者だ。
遠慮して測らないことの損の方が大きい。自分の値段を知らずに働くのは、値札を見ずに買い物をするのと同じで、現職の待遇が適正かどうかの判断すらできない。
測る価値1。現職の待遇の答え合わせ
市場価値を測ると、現職の年収が市場と比べてどうかが見える。
- 市場より高い→現職はあなたを高く買っている。安易に動くと下がる。この事実は、隣の芝生が青く見えた時の冷静剤になる
- 市場と同等→適正圏。焦る理由も、浮かれる理由もない
- 市場より明確に低い→昇給交渉の材料になる。転職の意思がなくても、評価面談で「市場ではこの帯です」という情報を持っているのといないのとでは、交渉の足場が違う
どのケースでも、知った上で現職に残る判断は、知らずに残るのと質が違う。
測る価値2。キャリアの定点観測
もう1つの使い方が、年1回の定点観測だ。健康診断と同じ理屈で、1回の数字より、数字の推移に情報がある。
- 毎年上がっている→いまの仕事で市場価値が育っている。現職継続の根拠になる
- 横ばいが2〜3年続く→仕事は回っているのに値段が育っていない。業務内容の見直しや、社外で通用するスキルの仕込みを考えるサイン
- 下がり始めた→職種や業界の市場が縮んでいる可能性。早めに気づけたこと自体が収穫だ
市場価値とは何で決まるのかの分解は市場価値とは何か・測り方で書いた。
静かに測る作法。通知を絞る
測るだけ利用の唯一の面倒は、登録後の通知だ。対処は単純で、診断を受けたら通知設定を最小にする。これだけで静かな計測ツールになる。
ミイダスのような診断型は、経歴を入れると想定年収が出て、以後はオファーが届く形になる。オファー通知も頻度を絞れるし、届くオファーの層は市場からの見られ方のデータとして、むしろ定点観測の材料になる。電話を避けたい人向けの設定の詳細は診断だけ受けて電話なしで使う方法で書いた。
*クリックすると公式サイトが開く。ミイダスは無料で、経歴の質問に答えると想定年収が表示される。面談なしで数字が見られる診断型だ。*
利用の流れ|① 経歴の質問に答える(約5分) → ② 想定年収を確認する → ③ 通知を絞って年1回の定点観測にする
ミイダス自体の評価はミイダスのレビューで書いた。
よくある誤解
「診断に登録したら、転職活動を始めたことになる」。ならない。登録は計測であって、応募でも意思表示でもない。現職にバレる仕組みもない(企業ブロック設定をすればなお安全だ)。測ることと動くことの間には、明確な段差がある。
「転職しないなら、市場価値なんて知っても意味がない」。意味は上に書いた2つがある。付け加えるなら、市場価値を知っている人は、理不尽な評価や待遇に対して「外の相場を知っている」という静かな自信を持てる。この自信は、社内での発言や交渉の姿勢を変える。
よくある質問
測った結果が低くて、へこみそうで怖いです
低かった場合に得るものは、何を積めば上がるかの課題リストだ。しかも転職の予定がないあなたには、仕込みの時間がたっぷりある。急いで動く人より、よほど有利な立場で数字を育てられる。
会社の給与に不満はないのですが、それでも測る意味はありますか?
ある。不満のない今こそ、冷静に測れる最良のタイミングだ。不満が出てから測ると、数字の読みに感情が乗る。満足している時の定点観測が、数年後のあなたの判断を守る。
年収の資料をLINEで無料配布中
市場価値の定点観測シート(年1回の記録テンプレ)を公式LINEで無料配布している。転職しない人こそ、値札は知っておく。それだけで働き方の足場が変わる。


