転職サイトを開いては閉じる。求人を見て、応募ボタンの手前で止まる。30代になって、失敗した時に失うものが見えるようになった。怖い。

先に言う。怖いのは正しい。損失が見えているから怖い。問題は怖さそのものではなく、怖さを理由に情報も集めずに止まっていることだ。怖さの正体を4つに分けて、辞めずにできる最初の一手を書く。

先に一文で。30代で転職が怖くて動けないなら、勇気を出す必要はなく、怖さを失敗・年収・年齢・家族の4つに分けて、それぞれを辞めずに潰せる情報(市場価値の実測・求人の観察・面談1回)に置き換えるのが正解だ。

この記事の要点

  • 怖さは4種類。混ざったままだと大きく見え、分ければ潰せる
  • 応募しない情報収集は、怖さを縮める。辞める必要も、決める必要もない
  • 30代は遅くない。遅いのは、怖さを放置した5年後だ
  • 動く順番は、実測→観察→面談1回→応募。応募は最後でいい

怖さの正体を4つに分ける

「転職が怖い」は、複数の怖さが混ざった状態だ。混ざっているから大きく見える。分けると、それぞれに潰し方がある。

怖さ中身潰す情報
失敗の怖さ転職先が今より悪かったらどうする求人票の読み方と口コミ。失敗の型は決まっていて、避け方がある
年収の怖さ下がったら生活が回らない自分の市場価値の実測。下がるか上がるかは、測れば分かる
年齢の怖さ30代はもう遅いのではないか30代の転職者数と採用側の見方。30代は転職市場の中心層だ
家族の怖さ反対される。迷惑をかける数字で説明できる材料。感情ではなく手取りと制度で話す

自分がどれで止まっているかを、紙に書いて分ける。全部が同じ大きさということはない。たいてい1つが大きく、残りはそれに引きずられている。

年齢の怖さは、数字で消える

30代は遅くない。転職者のうち30代は最も多い層の一つで、企業側も即戦力として最初に想定する年代だ。30歳の転職は遅いのかに数字を置いた。

遅いのは、怖さを放置した5年後だ。35歳と40歳では求人の幅が変わる。今の怖さは、5年後にはより大きな損失と一緒に戻ってくる。

辞めずにできる最初の一手。応募しない情報収集

怖い人がやりがちなのは、「決めてから動く」ことだ。順番が逆だ。動いてから決める。しかも最初の動きに、辞める要素も応募する要素も要らない。

1、市場価値を実測する。年収の怖さは、自分が市場でいくらかを知らないから起きる。診断やスカウトの内容で、今の年収が市場より上か下かは測れる。上なら転職で下がる可能性を知った上で残れるし、下なら怖さの向きが逆になる。

2、求人を観察する。応募せず、週に10分だけ自分の職種の求人を見る。年収帯・必須条件・勤務条件の相場が分かると、失敗の怖さが「どの求人なら失敗しないか」に変わる。

3、面談を1回だけ受ける。エージェントの面談は、応募でも退職でもない。第三者に経歴を話して、市場での見え方を聞くだけだ。1回で、怖さの中身の半分は具体的になる。

この3つをやっても、辞めていないし、何も決めていない。だが怖さの大きさは変わっている。

3分で診断辞めどき診断——今の怖さが「動くべきサイン」か「残るべき理由」かを先に切り分ける。

私の話

私は転職を4回している。怖くなかった回は一度もない。4回目は、年収を下げてリモートと育休制度を取りに行く転職で、家族もいる状態だった。怖さを消したのは勇気ではなく、手取りがいくら変わり、制度で何が取れるかを数字で並べたことだ。数字が揃うと、怖さは判断に変わる

家族の怖さは、数字で話す

反対されるのが怖い人は、感情で話そうとしている。「今の会社が辛い」は反対される。「手取りは月◯万変わり、通勤が◯分減り、この制度が使える」は検討される。

手取りの比較は年収別の手取り早見表で出せる。決まる前に材料を揃えておけば、家族の怖さは相談の形に変わる。

動く順番。応募は最後でいい

順番やること辞める必要決める必要
1市場価値の実測なしなし
2求人の観察(週10分)なしなし
3面談1回なしなし
4書類を作るなしなし
5応募なしなし
6内定後に決めるここで初めてここで初めて

決めるのは6番目だ。1〜5は、決めないまま進める。怖い人ほど、1番目で止まっているのに6番目の怖さを抱えている。

年収の怖さを、最初に測るなら

4つの怖さの中で、いちばん早く数字にできるのが年収だ。市場価値を実測すると、転職で下がるのか上がるのかの向きが決まり、残りの怖さの大きさも変わる。

  • 向いている人:今の年収が市場より高いか低いか分からない人。応募前に向きだけ知りたい人
  • 向かない人:職種を大きく変えたい人。診断は現在の経歴の延長で出る

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受けた後の流れ|① 10分ほどの入力で診断が出る → ② 市場価値の目安と、届くオファーの年収帯を見る → ③ 今の年収と比べ、怖さの向きを決める

結果を正解として受け取らない。目安として、今の年収との差の向きだけを見ればいい。それだけで年収の怖さは判断に変わる。

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よくある質問

転職が怖くて、面接で緊張して落ちそうです

面接は怖い状態で受けるものではなく、面談を1〜2回経てから受けるものだ。エージェントの面談で経歴を話す練習をしてから、応募に進む。怖さは順番で減る。

今の会社に不満はないが、将来が怖いです

不満がないなら急ぐ必要はない。ただし市場価値の実測だけはやっておく。今の会社にいながら市場価値を知っている人と、知らない人では、5年後の選択肢の数が違う。

一度転職に失敗して、また失敗するのが怖いです

前回の失敗の型を書き出す。条件相違・人間関係・仕事内容のどれかに寄っているはずで、型が分かれば避け方がある。同じ型で2回失敗する人は少ない。

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