正社員の本業のほかに、週末だけ派遣で働きたい。給与は月数万円。住民税を普通徴収にすればバレないと聞いたが、派遣でもそれは通じるのか。

先に言う。派遣やバイトの副業は、バレやすい。理由は住民税の仕組みで、給与所得の副業は普通徴収にできない自治体が多いからだ。隠す方法を探す前に、何が起きるかを知ってほしい。

先に一文で。正社員が派遣で副業すると、派遣の給与は給与所得として本業の給与と合算され、多くの自治体では副業分だけを普通徴収にできないため、住民税の額の変化で本業の会社に伝わりやすく、確実に隠したいなら給与でなく業務委託の副業に切り替えるのが正解だ。

この記事の要点

  • 派遣・バイトの副業は給与所得。市区町村は本業と合算して住民税を計算する
  • 給与所得の副業分は、普通徴収を認めない自治体が多い。ここが業務委託の副業との違い
  • 20万円以下でも住民税の申告は必要で、派遣会社は給与支払報告書を出している
  • 社会保険の2か所加入、労働時間の通算でも、本業に情報が届く経路がある

バレる仕組み。住民税の合算

住民税は、市区町村が前年の所得をまとめて計算し、給与から天引きする分(特別徴収)を本業の会社に通知する。副業が給与なら、派遣会社は給与支払報告書を市区町村に出す。市区町村は本業と副業の給与を合算して住民税を出し、本業の会社に通知する。

本業の経理は、給与に対して住民税が多いことに気づく。これがバレる仕組みの本体だ。

副業の種類所得の種類副業分を普通徴収にできるか
業務委託・フリーランス事業所得・雑所得できる。確定申告で「自分で納付」を選ぶ
派遣・バイト(給与)給与所得できない自治体が多い。給与所得は特別徴収が原則

副業バレ対策として広まっている「確定申告で普通徴収を選ぶ」は、事業所得・雑所得の話だ。派遣の給与には効かないことが多い。基本の仕組みは副業が住民税でバレる仕組みに書いた。

自治体による違い。確認は1本の電話で終わる

普通徴収の扱いは自治体で違う。給与所得の副業分について、申出があれば普通徴収を認める市区町村もある。確実な答えは、住んでいる市区町村の住民税担当に聞くしかない。

「本業のほかに、別の会社から給与を受けています。副業分の給与所得について、住民税を普通徴収にすることはできますか」

これで答えが出る。できると言われたら、確定申告書の住民税の欄で「自分で納付」を選び、念のため申告後に市区町村に電話で確認する。できないと言われたら、派遣の副業は本業に伝わる前提で考える。

20万円以下でも、住民税は合算される

「副業が20万円以下なら申告不要」は、所得税の確定申告の話だ。住民税の申告は別に必要で、しかも派遣会社が給与支払報告書を出しているので、申告しなくても市区町村は副業の給与を知っている

つまり20万円以下でも、住民税は合算されて本業に通知される。金額が小さいだけで、仕組みは同じだ。20万円ルールの正しい読み方は副業20万円以下の住民税申告に分けて書いた。

住民税以外の経路。2つある

1、社会保険の2か所加入。派遣先で週20時間以上・月8.8万円以上などの条件を満たすと、副業先でも社会保険に加入することになる。この場合、2か所の給与を合算して保険料を決める手続きが必要で、本業の会社にも通知が届く。条件はダブルワークの社会保険へ。

2、労働時間の通算。本業と副業が両方とも雇用(給与)の場合、労働時間は通算され、法定労働時間を超えた分は割増賃金の対象になる。派遣会社は本業の労働時間を確認することがあり、そこから本業に伝わる場合もある。

業務委託の副業には、この2つの経路がない。給与の副業とは、リスクの種類が違う。

隠す前に。就業規則を読む

会社の副業規定は3つに分かれる。

規定派遣の副業
届出制で認めている届け出て堂々とやる。バレる心配がなくなる
許可制許可を取る。断られたら業務委託に切り替えるか、諦める
禁止隠してやると懲戒の対象になり得る。給与の副業は隠しにくいので、リスクが高い

禁止の会社で派遣の副業をするのは、割に合わない。バレる確率が高く、バレた時の損失が大きい。副業をするなら、給与でなく業務委託の形を選ぶのが、隠す方法を探すより現実的だ。何から始めるかはAI副業は何から始めるかに書いた。

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私の話

私は会社員時代に副業ブログを始め、育休の前後に匿名のSNSアカウントで副業収入が給与を超える月が出た。全部、給与ではなく事業所得・雑所得の形だった。住民税は普通徴収を選び、会社に伝わる経路は住民税の側にはなかった。給与の副業を選んでいたら、同じことはできなかった。

派遣の契約途中で辞めたいなら派遣を契約期間中に辞めたい時の条件と伝え方だ。

よくある質問

派遣の副業を届け出たら、本業の会社は何を見ますか?

労働時間の合計と、競業の有無だ。本業と合わせて過労になる時間数や、同業他社での就労は断られやすい。週末だけの短時間で、別業種なら認められることが多い。

すでに派遣の副業をしていて、来年の住民税が心配です

今から市区町村に普通徴収の可否を確認する。できないなら、経理に聞かれた時の答えを用意しておく。「家族の扶養や医療費控除の関係で住民税が変わった」と嘘をつくのは、後で崩れる。副業を届け出て正面から処理するほうが安全だ。

派遣会社に、本業の会社名を伝える必要はありますか?

派遣会社は雇用保険の加入状況を確認するために、本業の有無を聞く。本業で雇用保険に入っている場合、副業先では加入しない。会社名まで求められるかは派遣会社次第だが、隠すと後の手続きで矛盾が出る。

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