派遣で働きながら、いつかは正社員にと思っている。でも、なれた人は何をしたのか。待っていれば声がかかるのか。
かかる人もいる。が、待つのは3本あるルートの1本目でしかなく、それも待ち方に技術がある。なれた人が通った3ルートを書く。
先に一文で。派遣から正社員のルートは、派遣先への切り替え・紹介予定派遣・外部応募の3本で、声かけを待つだけの運任せをやめてルートを選んで動いた人から正社員になっている。
この記事の要点
- ルートは3本。派遣先切り替え・紹介予定派遣・外部応募だ
- 実は外部応募が一番数が多い。派遣経験は書き方次第で職歴になる
- 派遣先への切り替えは、待つのでなく仕込む。仕込みは3つ
- 年齢が上がるほど、待ちより外部応募の比重を上げる
ルート1、派遣先への直接雇用切り替え
働きぶりを評価した派遣先が直接雇用に切り替えるパターン。理想形に見えるが、受け身で待つと確率は低い。派遣先には派遣元へ紹介料を払う負担があり、よほどの動機がないと動かないからだ。
なれた人は、待つ代わりに仕込んでいる。
- 意思を伝えておく|派遣先の上司と派遣元の営業の両方に「直接雇用の機会があれば希望したい」と早めに伝える。声は、意思を知っている人にしかかからない
- 正社員の仕事の取り方をする|指示された範囲の少し外(改善提案・マニュアル化・後輩フォロー)を拾う。切り替えの稟議は「この人は派遣の枠を超えている」という現場の声で通る
- 3年ルールの節目を使う|同じ組織単位で働ける期間には上限があり、節目は派遣先が直接雇用を検討する自然なタイミングになる。節目の半年前が、意思を再度伝える好機だ
ルート2、紹介予定派遣に乗り換える
正社員化が仕組みに組み込まれた派遣だ。最長6ヶ月働いた後、双方の合意で直接雇用に移る前提で始まる。
- 利点|入社前に職場の実物を確認できる。書類選考に弱い人も、働きぶりで評価を取れる
- 注意|直接雇用が保証ではないこと、直接雇用の中身が正社員でなく契約社員の場合があること。求人票の「直接雇用後の雇用形態」を必ず確認する
いま登録型で働いていて、いまの派遣先に切り替えの気配がないなら、次の更新を機にこちらへ乗り換えるのは合理的な一手になる。
ルート3、外部の正社員求人に応募する
一番地味で、一番数が多いルートだ。派遣で積んだ経験を職歴として、普通に転職市場で戦う。
鍵は職務経歴書の粒度になる。
- ✕「◯◯株式会社にて派遣スタッフとして勤務」
- ◯「◯◯株式会社(派遣)にて営業事務を担当。受発注処理を月◯件、専用システムと Excel で処理。手順書を整備し、後任への引き継ぎ期間を短縮」
雇用形態は1語で済ませ、業務の中身を正社員の経歴と同じ濃度で書く。複数の派遣先を経験しているなら、環境への適応速度と業務の標準化力は強みとして言語化できる。面接で「なぜ派遣で?」と聞かれた時の一言(家庭の事情・未経験からの入口として等、事実を簡潔に)だけ準備しておく。
年齢別の優先順位
- 20代|3ルートとも開いている。未経験可の正社員求人も多いので、外部応募の比重を高めに
- 30代|外部応募と紹介予定派遣の二本立て。派遣先切り替えは仕込みつつ、待ちには依存しない
- 40代|派遣先切り替えの価値が相対的に上がる(外部の書類選考が厳しくなるため、働きぶりを見せられる場が有利)。並行して、正社員型派遣という選択肢の損得も見ておく(40代の正社員型派遣の実態)
どの年齢でも共通するのは、1本に賭けないことだ。なれた人の多くは、仕込みながら応募していた。
よくある誤解
「派遣を続けていれば、いつかは声がかかる」。声かけは派遣先の事業計画と紹介料の都合で決まり、勤続年数では決まらない。5年待って何もなかった、は普通に起きる。待つなら、意思表示と仕込みをした上で、期限を切って待つ。
「派遣の職歴は、正社員採用では不利にしかならない」。ブランクなしで実務を続けてきた事実は、離職期間がある応募者より強い。不利になるのは経験でなく、経験を1行で済ませる書き方の方だ。
よくある質問
派遣元に外部応募のことを言うべきですか?
言う義務はない。在職中の転職活動と同じで、決まってから契約更新のタイミングに合わせて伝えるのが実務的だ。更新月の1ヶ月以上前に伝えれば、迷惑の範囲は最小で済む。
紹介予定派遣で6ヶ月働いた後、断られることはありますか?
ある。双方合意が前提なので、企業側から見送られる可能性はゼロではない。ただしその場合も6ヶ月の実務経験は職歴として残り、外部応募のルート3に持ち越せる。無駄にはならない。
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