一人社長で、自宅で仕事をしている。家賃を経費にできないか。社宅にすれば全額経費と聞いた。按分とどう違うのか。持ち家ならどうなるのか。

先に言う。一人社長の自宅の経費は、按分か社宅かの2つの形があり、混ぜると否認される。2つの形の違い、按分の要件、社宅の要件と落とし穴、持ち家の場合、家賃以外に按分できるもの、税理士に聞くべき点を書く。可否は個別で変わるので、考え方を書く。

先に一文で。一人社長の自宅の経費は自宅兼事務所の按分(事業で使う割合を面積や時間で根拠づける)と法人契約の社宅(法人が契約し役員が一定の家賃相当額を負担する)の2つの形で、要件と根拠が違い混ぜると否認され、持ち家は按分の考え方で社宅の形は直接使えず、光熱費や通信費も按分できるので、どちらの形にするかを税理士と決めて記録を残すのが正解だ。

この記事の要点

  • 2つの形。按分と社宅。混ぜない
  • 按分は割合の根拠。社宅は法人契約と役員の負担額
  • 持ち家は按分の考え方
  • 光熱費と通信費も按分できる

2つの形の違い

自宅兼事務所の按分法人契約の社宅
契約者個人法人
経費になる額家賃×事業で使う割合法人が払う家賃から、役員の負担額を引いた分
要件割合の根拠(面積・使用時間)法人契約・役員の負担額の計算
落とし穴割合が大きすぎると否認負担額が低いと差額が給与扱い

経費の全体は一人社長の経費の一覧と線引きへ。

按分の要件と根拠の作り方

根拠中身
面積仕事に使う部屋の面積÷全体の面積
使用時間仕事に使う時間÷全体の時間
記録間取り図・使用時間のメモ

割合は説明できる範囲で。全体の半分を超える割合は、根拠が要る。

社宅の要件と落とし穴

  1. 法人が住居の契約者になる(個人契約のままでは使えない)
  2. 法人が大家に家賃を払う
  3. 役員は、決められた計算方法で出した家賃相当額を法人に払う
  4. 負担額が基準より低いと、差額が役員の給与として扱われる

個人契約の家賃をそのまま経費にする仕組みではない。契約の名義を法人にするところから始まる。賃貸の審査は法人でも通りにくいことがあり、その現実はフリーランスの賃貸審査へ。

持ち家の場合

項目扱いの考え方
固定資産税事業で使う割合で按分
減価償却費建物の分を按分
ローンの利息按分できる考え方。元本は経費にならない
社宅の形個人名義の持ち家には直接使えない

減価償却の考え方は減価償却と開業費(フリーランス)へ。

家賃以外に按分できるもの

  • 電気・ガス・水道
  • 通信費(ネット・電話)
  • 火災保険
  • 共益費・管理費

同じ割合で按分するか、項目ごとに根拠を分けるかは税理士と決める

税理士に聞くべき点

  • 按分の割合の根拠として何を残すか
  • 社宅にする場合の契約の名義と、役員の負担額の計算
  • 持ち家の按分の範囲
  • 引っ越しや契約の切り替えの時期

私は沖縄で一人の会社を回している。自宅の扱いは税理士に決めてもらい、私は記録だけ残す。税金の全体は一人社長の税金の基本へ。

よくある質問

按分と社宅、どちらが得?

家賃の額と、役員の負担額の計算と、契約を切り替えられるかで変わる。自分の数字で税理士に試算してもらう。

家族と住んでいる自宅も社宅にできる?

法人契約にできれば形は取れるが、役員の負担額の計算と、家族の使用の扱いがある。税理士に確認する。

按分の割合を後から変えられる?

変えられるが、根拠が要る。年度の途中で理由なく変えると否認されやすい。