独立してから引っ越そうとしたら、賃貸の審査に落ちた。会社員の時は何も言われなかった。フリーランスは家も借りられないのか、何を出せば通るのかが分からない。
落ちる理由は肩書きでなく、収入の証明の仕方にある。審査で見られるのは肩書きでなく、申告した所得の額だ。落ちる理由と、通す書類と、独立前にやることを書く。
先に一文で。フリーランスの賃貸審査は保証会社が所得の安定性を見るもので、確定申告書2〜3年分か課税証明・預貯金・契約書で示し、所得が家賃の36倍以上・家賃が手取りの25%以内・独立系保証会社の物件なら通りやすく、1年目で申告書がないなら前職の源泉徴収票と家賃2年分の貯金で代え、最も確実なのは在職中に契約しておくことだ。
この記事の要点
- 落ちる理由|申告書がない・所得を経費で小さくした・家賃が所得に対して高い
- 出す書類|確定申告書2〜3年分(または課税証明)・通帳の残高・契約書
- 目安|所得が家賃の36倍、家賃は手取りの25%以内、貯金は家賃2年分
- 最も確実|退職前の在職中に契約する
審査で見られるもの
| 審査する側 | 見るもの | 会社員 | フリーランス |
|---|---|---|---|
| 家賃保証会社 | 収入の安定性、信用情報(信販系のみ) | 源泉徴収票・在籍確認 | 確定申告書・課税証明・通帳・契約書 |
| 管理会社・大家 | 人柄、家賃の妥当性、連帯保証人 | 同上 | 同上+面談で事業内容 |
保証会社が通れば、大家はほぼ通す。保証会社の種類で難易度が変わる。
| 保証会社の種類 | 見るもの | 通りやすさ |
|---|---|---|
| 信販系(クレジットカード会社系) | 信用情報+収入 | 厳しい。カードの延滞歴があると落ちる |
| 独立系(LICC加盟など) | 収入と過去の家賃滞納歴 | 通りやすい |
| 協会系(全保連など) | 収入と業界内の滞納情報 | 中間 |
物件を探す時に「保証会社はどこですか」と聞き、独立系の物件を選ぶだけで、通る確率は上がる。
落ちる3つの理由
1、申告書がない|独立1年目は前年の申告がないので、所得の証明がない。
2、申告した所得が小さい|経費を多く入れて所得を圧縮すると、審査では収入が低い人になる。売上500万でも所得200万なら、家賃は5.5万円までが目安になる。節税と審査は逆向きに働く(個人事業主の経費はどこまでかの記事)。
3、家賃が所得に対して高い|多くの保証会社は、年間所得が家賃の36倍(月の所得の3分の1以内)を基準にしている。所得400万なら家賃11万円まで。
通すための書類
| 書類 | 何を示すか | 用意の仕方 |
|---|---|---|
| 確定申告書の控え(2〜3年分) | 所得の額と継続性 | e-Taxの受信通知つきの控え。紙なら税務署の収受印つき |
| 課税証明書・納税証明書 | 申告した所得の公的な証明 | 市区町村(課税証明)と税務署(納税証明)で数百円 |
| 通帳のコピー(直近3〜6ヶ月) | 入金の継続と残高 | 事業用口座を分けていれば、入金の見せ方が楽になる |
| 業務委託契約書・発注書 | 今後の収入の見込み | 継続契約があるほど強い |
| 開業届の控え | 事業をしている事実 | 出していれば添える |
所得が家賃の36倍以上、貯金が家賃の2年分あれば、独立2年目以降はほぼ通る。事業用口座の分け方は屋号の決め方と事業用口座の記事で書いた。
独立1年目で申告書がない時
- 前職の源泉徴収票|直近まで会社員だった実績を示す
- 預貯金の残高|家賃の2年分以上。家賃10万円なら240万円
- 契約書と入金の通帳|継続する収入があることを示す
- 家賃を手取りの25%以内に下げる|月の手取り25万円なら6万円台
- 独立系保証会社の物件を選ぶ
- 親族の連帯保証人|保証会社と併用で通ることがある
それでも通らないなら、法人契約(自分の会社で借りる)は法人の実績が要るので1年目には向かない。独立前に契約しておくのが最も確実だ。
独立前に契約しておく
在職中なら、会社員の源泉徴収票と在籍確認で審査が通る。入居後にフリーランスになっても契約は続き、更新時に再審査されることは原則ない。引っ越しの予定が1〜2年以内にあるなら、退職の前に済ませる。クレジットカードと住宅ローンも同じで、会社員のうちに作っておく(独立前に会社員のうちにやることの記事)。
私は会社員のうちに沖縄に移住して賃貸を契約し、その後にフリーランスになった。在籍していた会社の源泉徴収票で審査が通り、独立後も契約はそのまま続いている。独立してから初めて借りた物件では、確定申告書2年分と通帳を出して通った。順番が逆なら、1年目は苦労していたはずだ。
よくある誤解
「フリーランスは賃貸を借りられない」。借りられる。所得の証明と家賃の設定の問題で、独立系保証会社の物件なら2年目以降はほぼ通る。
「節税で所得を減らせば得」。賃貸・ローン・カードの審査では、申告した所得がそのまま収入として見られる。引っ越しやローンの予定がある年は、経費の入れ方を考える。
貯金の中央値(公的データ)
家計の金融行動に関する世論調査2025の金融資産は、単身30代が中央値100万・平均501万、40代が100万・859万、二人以上は30代311万、40代500万で、ゼロの世帯が単身519%。平均は少数の世帯が引き上げるので、自分の位置は中央値と年収帯で見る。年代×年収の表は貯金の中央値と平均のデータ記事で書いた。
よくある質問
住宅ローンはフリーランスでも組めますか?
組めるが、確定申告書3年分と所得の安定が要り、審査は賃貸より厳しい。独立前の会社員のうちに組むほうが通りやすく、独立後は3年分の申告が揃ってからになる。
保証会社の審査に落ちた理由は教えてもらえますか?
原則教えてもらえない。信販系で落ちた場合は信用情報(カードの延滞など)の可能性が高いので、独立系の保証会社の物件で再挑戦する。
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