同年代の貯金の平均が1,000万円だと聞いて、自分の口座を見て黙った。平均は、持っている人が引き上げる。半分の人がどこにいるかは、中央値で見る。
平均859万、中央値100万。平均は859万、中央値は100万。あなたが比べるのは中央値だ。年代別・年収別の表と、ゼロの割合と、転職や独立で要る額との関係を書く。
先に一文で。家計の金融行動に関する世論調査2025の金融資産は、単身30代が中央値100万・平均501万、40代が100万・859万、二人以上は30代311万・1096万、40代500万・1486万で、ゼロの世帯が単身20.4%・二人以上10.9%、年収300〜500万の30代単身は中央値128万と、平均でなく中央値と年収で自分の位置を見る。
この記事の要点
- 単身|30代 中央値100万、40代100万、50代120万。平均はその3〜8倍
- 二人以上|30代311万、40代500万、50代700万
- ゼロの世帯|単身20.4%、二人以上10.9%
- 年代より年収で差が開く。自分の年収帯の中央値と比べる
年代別の金融資産(持たない世帯を含む)
金融資産は預貯金(日常の決済用を除く)・株式・投資信託・保険・個人年金などの合計。
| 年代 | 単身・中央値 | 単身・平均 | 単身・非保有の割合 | 二人以上・中央値 | 二人以上・平均 | 二人以上・非保有の割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 30歳代 | 100万円 | 501万円 | 32.3% | 311万円 | 1,096万円 | 17.6% |
| 40歳代 | 100万円 | 859万円 | 32.1% | 500万円 | 1,486万円 | 18.8% |
| 50歳代 | 120万円 | 999万円 | 35.2% | 700万円 | 1,908万円 | 18.2% |
| 60歳代 | 300万円 | 1,364万円 | 30.4% | 1,400万円 | 2,683万円 | 12.8% |
| 70歳代 | 500万円 | 1,489万円 | 20.4% | 1,178万円 | 2,416万円 | 10.9% |
| 全体 | 130万円 | 919万円 | 30.1% | 720万円 | 1,940万円 | 15.7% |
出典|金融経済教育推進機構(J-FLEC)家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査2,500世帯、二人以上世帯調査5,000世帯、2025年6〜7月)。20代は調査の年代別集計に含まれないため、次の年収別の表で示す。
金融資産を持っている世帯だけの中央値と平均
| 年代 | 単身・中央値 | 単身・平均 | 二人以上・中央値 | 二人以上・平均 |
|---|---|---|---|---|
| 30歳代 | 255万円 | 752万円 | 500万円 | 1,337万円 |
| 40歳代 | 400万円 | 1,281万円 | 828万円 | 1,840万円 |
| 50歳代 | 600万円 | 1,560万円 | 1,050万円 | 2,344万円 |
| 60歳代 | 913万円 | 1,978万円 | 1,775万円 | 3,087万円 |
| 70歳代 | 900万円 | 1,877万円 | 1,495万円 | 2,714万円 |
持たない世帯を除くと中央値は上がる。自分の位置を見るなら、持たない世帯を含む上の表を使う。
年代×年収別の中央値(20〜50代)
年収は世帯の年間収入(税込)。回答数が20未満の区分は省いた。
| 年代 | 年収 | 単身・中央値 | 単身・平均 | 単身・非保有 | 二人以上・中央値 | 二人以上・平均 | 二人以上・非保有 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20歳代 | 300万未満 | 11万円 | 142万円 | 36.6% | 19万円 | 73万円 | 30.8% |
| 20歳代 | 300〜500万 | 100万円 | 246万円 | 26.9% | 100万円 | 309万円 | 28.2% |
| 20歳代 | 500〜750万 | 200万円 | 432万円 | 12.9% | 218万円 | 495万円 | 17% |
| 20歳代 | 750〜1,000万 | ― | ― | ― | 500万円 | 1,249万円 | 9.1% |
| 30歳代 | 300万未満 | 9万円 | 186万円 | 45.2% | 55万円 | 238万円 | 25% |
| 30歳代 | 300〜500万 | 128万円 | 407万円 | 23.4% | 105万円 | 474万円 | 25.8% |
| 30歳代 | 500〜750万 | 525万円 | 1,135万円 | 9.3% | 320万円 | 753万円 | 15.3% |
| 30歳代 | 750〜1,000万 | ― | ― | ― | 530万円 | 965万円 | 17.1% |
| 40歳代 | 300万未満 | 25万円 | 479万円 | 38.5% | 10万円 | 310万円 | 39.8% |
| 40歳代 | 300〜500万 | 210万円 | 802万円 | 24% | 165万円 | 506万円 | 24.9% |
| 40歳代 | 500〜750万 | 350万円 | 902万円 | 24.5% | 511万円 | 1,244万円 | 15.6% |
| 40歳代 | 750〜1,000万 | ― | ― | ― | 1,000万円 | 2,012万円 | 9.3% |
| 50歳代 | 300万未満 | 6万円 | 480万円 | 45.1% | 10万円 | 463万円 | 45.2% |
| 50歳代 | 300〜500万 | 300万円 | 927万円 | 24.2% | 200万円 | 767万円 | 26.1% |
| 50歳代 | 500〜750万 | 500万円 | 1,283万円 | 15.8% | 700万円 | 1,549万円 | 14.4% |
| 50歳代 | 750〜1,000万 | ― | ― | ― | 1,270万円 | 2,084万円 | 9.5% |
年代より年収で差が開く。30代単身で年収300〜500万の中央値128万に対し、500〜750万は525万。40代単身の300〜500万は210万で、24%がゼロだ。
ここまでのまとめ
・単身|30代 中央値100万、40代100万、50代120万。平均はその3〜8倍
・二人以上|30代311万、40代500万、50代700万
・ゼロの世帯|単身20.4%、二人以上10.9%
読み取れること
1、平均は中央値の3〜8倍。単身40代の平均859万に対し中央値100万。数千万円を持つ少数の世帯が平均を引き上げる。平均と比べて落ち込む必要はない。
2、ゼロの世帯が単身で20.4%。単身の3割、二人以上の1.5割は金融資産を持たない。年収300万未満では4割前後がゼロで、年収と非保有率は連動する。
3、年収500万の線で中央値が倍になる。30代でも40代でも、年収300〜500万と500〜750万で中央値が2〜3倍違う。貯金を増やす最も太い道は、年収を上げることだ(転職で年収が上がる割合のデータ記事、年収別の手取り早見表の記事)。
4、二人以上世帯は単身の2倍以上。二人の収入と、住宅ローンの繰上げに使わなかった資産が積まれる。単身と二人以上を混ぜて比べると、自分の位置を見誤る。
転職・独立で要る額との関係
| 場面 | 要る額の目安 | 中央値との比較 |
|---|---|---|
| 転職(空白なし) | 貯金は不要。手取りが増えれば転職後に増える | ― |
| 転職(空白3ヶ月) | 生活費3ヶ月+前年分の住民税・国保・年金(年収500万で約88万) | 30代単身の中央値100万では足りない世帯が半分 |
| 独立 | 生活費6ヶ月+税と保険料の後払い+初期費用。月25万の生活で260万前後(独立の資金はいくら要るかの記事) | 二人以上30代の中央値311万でも足りない |
| 独立後に賃貸を借りる | 家賃の2年分の残高が目安(フリーランスの賃貸審査の記事) | ― |
中央値より多いか少ないかは、転職の可否に関係ない。関係するのは、空白と独立で要る額を持っているかどうかだ。私は独立の前に、副業の収入が給与を超える月を作ってから辞めた。貯金を先に貯めるより、収入の見込みを先に作ったほうが、辞められる日が早かった。年収700万の人の貯金の目安は年収700万で貯金はいくらが普通かの記事、貯金がなくて辞めたい人は貯金がないけど仕事を辞めたい時の記事で書いた。
よくある誤解
「同年代の平均貯金1,000万に届いていないから遅れている」。平均は少数の世帯が引き上げる。単身40代の半分は100万以下だ。
「貯金が中央値以下なら転職できない」。空白を作らない転職に貯金は要らない。要るのは空白と独立の時だけだ。
年金の平均受給額(公的データ)
令和6年度の老齢年金の平均月額は厚生年金150,289円(男性169,967円・女性111,413円)、国民年金59,310円で、厚生年金の19%は10万未満・19%が20万以上。令和8年度の満額は70,608円、モデル年金は237,279円。年収500万×40年なら月約16.2万で、独立後の期間は基礎年金の7.1万しか積み上がらない。年収別の早見表は年金は平均いくらもらえるかのデータ記事で書いた。
年金の繰上げ・繰下げの損益分岐
繰上げは1ヶ月0.4%減(60歳で24%減)、繰下げは1ヶ月0.7%増(70歳42%増・75歳84%増)。損益分岐は60歳繰上げが80歳10ヶ月、70歳繰下げが81歳11ヶ月、75歳が86歳11ヶ月で、税と保険料を入れると1〜2年後ろにずれる。繰上げは取り消せず、繰下げ中は加給年金が出ず、働く人は在職老齢年金65万の線を見る。月額表と選び方は年金の繰上げと繰下げはどっちが得かの記事で書いた。
iDeCoの上限が月6.2万円に上がる
2026年12月分の掛金から、会社員のiDeCo上限は2.3万→6.2万(企業年金ありは合算6.2万、公務員5.4万、自営業7.5万)になり、加入は70歳未満まで延びる。節税は掛金×(所得税率+10%)で、年収500万なら年4.2万→11.2万、800万なら8.4万→22.6万。60歳まで引き出せないので、貯金6ヶ月分と数年内の大きな支出を先に見る。年収別の表はiDeCoの上限引上げと節税額の早見表の記事で書いた。
休職中の給与と手当
休職中は原則無給で、傷病手当金が月給の3分の2で通算1年6ヶ月出るが、社会保険料は免除されず本人負担分を会社に払い、住民税も続く。月給30万なら手元は約14万。有給は先に使い、休職期間の満了までに復職できなければ退職になり、退職後も条件を満たせば傷病手当金は続く。家計の計算は休職中の給与と手当はどうなるかの記事で書いた。
よくある質問
金融資産に住宅や車は入りますか?
入らない。預貯金・株式・投資信託・債券・保険・個人年金などの金融商品の合計で、日常の決済用の預金も除く。不動産は別だ。
20代の中央値は?
調査の年代別集計は30代からで、20代は年収別の表で示した。20代単身の年収300〜500万は中央値100万、二人以上の500〜750万は218万。
転職の資料をLINEで無料配布中
自分の年代・年収・世帯の中央値と、転職の空白や独立で要る額を並べて、足りない分と貯まるまでの月数を出す記入表を公式LINEで無料配布している。平均でなく、中央値と要る額で決めよう。


