老後に年金がいくら入るのか、平均が15万なのか20万なのか、自分はその上か下か、フリーランスになったらどうなるのかが分からない。ねんきん定期便は届くが、見方も分からない。

厚生年金の平均は15万、女性は11万、国民年金だけなら5.9万。厚生年金の平均は月15万。女性は11万、国民年金だけなら5.9万だ。分布と、年齢別と、自分の年金を年収から出す早見表を書く。

先に一文で。令和6年度の老齢年金の平均月額は厚生年金150,289円(男性169,967円・女性111,413円)、国民年金59,310円で、厚生年金の19%は10万未満・19%が20万以上、令和8年度の満額は70,608円・モデル年金は237,279円、自分の年金は平均年収×5.481/1000×加入月数÷12+基礎年金で出せ、年収500万×40年なら月約16.2万になる。

この記事の要点

  • 平均|厚生年金15.0万(男17.0万・女11.1万)、国民年金5.9万
  • 分布|厚生年金の19%が10万未満、19%が20万以上。最多は10〜11万
  • 令和8年度|満額70,608円、モデル年金(夫婦2人)237,279円
  • 自分の年金|年収500万×40年で約16.2万、400万で約14.4万、700万で約19.8万

平均受給額(令和6年度末)

種類全体男性女性
厚生年金(第1号、基礎年金を含む)150,289円169,967円111,413円
国民年金(老齢基礎年金。上乗せのある人を含む)59,310円61,595円57,582円
国民年金だけの人(基礎のみ)56,337円59,732円55,206円

出典|厚生労働省 令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(2025年12月公表、参考資料2〜4)。厚生年金は民間の会社員だった人(第1号)で、公務員(第2〜4号)は含まない。

男女差は5.9万円。女性は加入期間が短く、平均報酬が低かった世代が多い。今の30〜40代の女性は加入期間が延びているので、この差は縮まる。

月額別の分布(厚生年金)

月額全体男性女性
10万円未満19.0%9.3%38.2%
10〜15万円31.2%21.9%49.5%
15〜20万円31.0%41.3%10.6%
20〜25万円16.6%24.1%1.5%
25万円以上2.3%3.4%0.1%

最も多い階級は10〜11万円(全体の6.9%)。男性は18〜19万円、女性は10〜11万円が最も多い。平均の15万円は、男性の多い15〜20万円と女性の多い8〜12万円を足して割った数字で、「平均的な人」は少ない。

年齢別の平均月額

年齢厚生年金(基礎年金を含む)国民年金(基礎年金のみの人を含む)
60〜64歳(報酬比例部分のみ・繰上げ)82,267円47,138円
65〜69歳151,753円61,240円
70〜74歳147,730円60,339円
75〜79歳151,377円59,346円
80〜84歳157,689円58,454円
85〜89歳165,486円59,066円
90歳以上164,027円55,633円

60〜64歳は特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分のみ)と繰上げ受給の人なので低い。65歳以降はほぼ15万円前後で、80代以上が高いのは、加入期間が長く年金額の計算が有利だった世代のためだ。

令和8年度の年金額(2026年4月分〜)

項目令和8年度前年度比
国民年金の満額(1人)70,608円+1,300円(+1.9%)
厚生年金のモデル年金(夫婦2人)237,279円+4,495円(+2.0%)
在職老齢年金の基準額65万円51万円から引上げ

モデル年金は、夫が平均月収51万円(賞与込み)で40年加入し、妻が基礎年金のみの世帯。平均月収51万円は、令和7年の平均賃金34万円より高いので、多くの世帯はモデル年金より少ない。

自分の年金を年収から出す早見表

老齢基礎年金=70,608円×加入月数÷480。老齢厚生年金(月額)=平均標準報酬額(賞与込みの平均月収、上限65万円)×5.481÷1000×加入月数÷12。物価・賃金の改定率を含まない現在価値の概算。

平均年収厚生年金40年厚生年金30年厚生年金20年(残り国民年金)
300万円約12.5万円約11.2万円約9.8万円
400万円約14.4万円約12.5万円約10.7万円
500万円約16.2万円約13.9万円約11.6万円
600万円約18.0万円約15.3万円約12.5万円
700万円約19.8万円約16.7万円約13.5万円
800万円約21.3万円約17.7万円約14.2万円

年収500万で40年会社員なら月約16.2万、平均の15万をやや上回る。加入年数が30年になると13.9万、20年で11.6万に減る。正確な額は、ねんきん定期便の「これまでの加入実績に応じた年金額」と、ねんきんネットの見込額で確認する(年金手帳と基礎年金番号の記事)。

会社員とフリーランスの差

会社員(厚生年金)フリーランス(国民年金のみ)
積み上がる年金基礎年金+報酬比例基礎年金のみ(満額で月70,608円)
保険料給与の18.3%を会社と折半月17,920円(2026年度)
年収500万×40年の目安月約16.2万月約7.1万
上乗せの手段iDeCo(月2万まで)、企業型DCiDeCo(月6.8万まで)、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済

独立すると、独立後の期間は月7.1万しか積み上がらない。私は4回の転職を経て会社員を辞め、フリーランス4年目に入った。会社員時代の厚生年金は残るが、独立後の年金は基礎年金だけなので、iDeCoと小規模企業共済で自分で積んでいる。差の埋め方はフリーランスの老後資金の記事小規模企業共済の記事iDeCoは転職したらどうなるかの記事で書いた。退職後の切り替えは退職後の年金の切り替え手続きの記事、払えない時の免除は国民年金の免除の記事で書いた。

年金だけで足りるか

厚生年金の平均15万に対し、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月14〜15万円、夫婦の無職世帯は月25万円前後(家計調査)。男性の平均17万なら単身の生活費は賄え、女性の平均11万では足りない。夫婦で厚生年金2人分(30〜35万)なら足り、片方が国民年金だけ(17万+7万=24万)ならぎりぎりになる。足りない分は、貯金(貯金の中央値のデータ記事)と、退職金(退職金の相場の記事)と、65歳以降も働く収入で埋める。

よくある誤解

「年金は平均20万円もらえる」。20万以上は厚生年金受給者の19%。平均は15万で、女性は11万だ。

「国民年金は40年払えば月7万もらえるから十分」。満額で70,608円。単身の生活費14〜15万の半分で、フリーランスは自分で上乗せが要る。

年金の繰上げ・繰下げの損益分岐

繰上げは1ヶ月0.4%減(60歳で24%減)、繰下げは1ヶ月0.7%増(70歳42%増・75歳84%増)。損益分岐は60歳繰上げが80歳10ヶ月、70歳繰下げが81歳11ヶ月、75歳が86歳11ヶ月で、税と保険料を入れると1〜2年後ろにずれる。繰上げは取り消せず、繰下げ中は加給年金が出ず、働く人は在職老齢年金65万の線を見る。月額表と選び方は年金の繰上げと繰下げはどっちが得かの記事で書いた。

iDeCoの上限が月6.2万円に上がる

2026年12月分の掛金から、会社員のiDeCo上限は2.3万→6.2万(企業年金ありは合算6.2万、公務員5.4万、自営業7.5万)になり、加入は70歳未満まで延びる。節税は掛金×(所得税率+10%)で、年収500万なら年4.2万→11.2万、800万なら8.4万→22.6万。60歳まで引き出せないので、貯金6ヶ月分と数年内の大きな支出を先に見る。年収別の表はiDeCoの上限引上げと節税額の早見表の記事で書いた。

よくある質問

年金は何歳からもらうと得ですか?

65歳が基準で、60歳に繰り上げると1ヶ月0.4%減(最大24%減)、75歳まで繰り下げると1ヶ月0.7%増(最大84%増)。損益の分岐は繰上げで80歳前後、繰下げで82歳前後で、健康と働く収入で決める。

ねんきん定期便の見込額と、この早見表の額が違います

定期便は現在の加入実績と、50歳以上は60歳まで同じ条件で加入した場合の見込額を載せている。早見表は平均年収で単純化した概算なので、定期便の額を正とする。

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