転職先の入社書類リストに「年金手帳」とある。だが年金手帳は廃止されたと聞いた気もする。持っていない場合はどうするのか。

先に整理する。年金手帳は2022年4月に廃止済みだ。いま必要なのは手帳という物でなく、基礎年金番号(またはマイナンバー)という情報になる。持っている人・いない人それぞれの正解を書く。

年金手帳とは、基礎年金番号を確認するための冊子だったが、2022年4月に制度そのものが廃止された書類である。

この記事の要点

  • 年金手帳は2022年4月に廃止。新規発行はもうない
  • 転職先が要るのは基礎年金番号かマイナンバーだ
  • 手帳を持っている人は、番号確認書類として今も使える
  • 失くした人は基礎年金番号通知書の再交付。手続きは止まらない

何が起きたのか。2022年の変更を30秒で

2022年4月に年金手帳の制度は廃止され、新しく年金制度に加入する人には基礎年金番号通知書という書面が発行される形に変わった。理由はシンプルで、手続きのマイナンバー連携が進み、手帳という冊子を持ち歩く必要がなくなったからだ。

ここで大事な整理が1つある。廃止されたのは手帳という物であって、基礎年金番号は今もあなたの年金記録の背番号として生きている。転職の手続きで会社が必要とするのは、昔も今もこの番号(かマイナンバー)だ。年金手帳はその確認手段の1つだった、という関係になる。

あなたはどのパターンか。3分岐で答える

パターン1、年金手帳を持っている。そのまま使える。手帳は廃止後も基礎年金番号の確認書類として有効だ。入社書類に「年金手帳の写し」とあれば、番号のページのコピーを出せばいい。

パターン2、手帳はないが、基礎年金番号通知書がある。2022年4月以降に初めて年金制度に入った人(新卒など)はこちらだ。通知書がそのまま手帳の代わりになる。

パターン3、どちらも見つからない。慌てなくていい。後述の再交付と代替経路で解決する。入社手続きが止まる話ではない。

なお、入社書類のリストに今も「年金手帳」と書いてある会社は珍しくない。書式の更新が追いついていないだけだから、「手帳は廃止後の世代で、基礎年金番号通知書を提出します」「マイナンバーでの手続きは可能ですか」と普通に聞けば通る。

失くした場合。番号を確認する4つの経路

手帳の再発行はもうできないが、番号の確認経路は複数ある。

  1. 基礎年金番号通知書の再交付|年金事務所へ申請する。正式な書面が欲しい場合はこれだ
  2. ねんきん定期便|毎年誕生月に届くハガキ。照会番号などから確認の起点にできる
  3. ねんきんネット|オンラインで自分の年金記録を確認できる
  4. マイナンバーで代替|基礎年金番号とマイナンバーが紐づいている人は、会社はマイナンバーで加入手続きを進められる。実務ではこれで完結することが多い

急ぎ度で選べばいい。入社日が近いなら、まず会社に「マイナンバーでの手続きが可能か」を確認するのが最速になる。

よくある誤解。「手帳を失くすと年金記録が消える」

雇用保険の被保険者証と同じ誤解が、年金でも起きる。手帳や通知書を失くしても、年金記録は1円も消えない。記録は日本年金機構側にあり、紙はその確認手段にすぎないからだ。

似た書類の混同も整理しておく。年金=基礎年金番号、雇用保険=被保険者番号、税金=源泉徴収票と、制度ごとに別の書類が対応している。雇用保険側の紙が見つからない場合は雇用保険被保険者証がない時で書いた通り、こちらも即日再発行で解決する。入社時に揃える書類の全体は入社書類は何が必要か一覧、マイナンバー提出の位置づけはマイナンバーの提出は拒否できるかがそれぞれ担当だ。

転職手続きでの実際の流れ

まとめとして、転職時の年金まわりの動きを並べておく。

  1. 退職|厚生年金の資格を前職で喪失する(手続きは前職の会社がやる)
  2. 入社|転職先にマイナンバー(または基礎年金番号の分かる書類)を提出する
  3. 転職先が加入手続き|あなたの作業はここで終わりだ
  4. 空白期間が1ヶ月以上ある場合|その間は国民年金への切り替えが必要になる。市区町村の窓口で手続きする

あなたが動くのは提出と、空白期間がある場合の切り替えだけだ。制度の変わり目の情報は古い記事も混ざりやすい領域だから、手続きの細部は日本年金機構の公式情報で最新を確認することも添えておく。書類の名前に振り回されず、番号さえ押さえれば、年金の転職手続きは静かに終わっていくんよ。

空白期間がある人へ。切り替えの実務だけ補足

退職から入社まで1日も空かない転職なら、年金の切り替えはない。1ヶ月など期間が空く場合は、その間の国民年金への切り替え(市区町村窓口、退職日の分かる書類を持参)を忘れずにやる。ここを放置すると未納期間が生まれ、後から追納の手間が増える。保険料の負担が重い期間は、免除・納付猶予の申請という制度もある。

よくある質問

年金手帳が2冊出てきました。どうすればいいですか?

過去の転職などで番号が重複している可能性がある。放置すると記録が分断されたままになるため、年金事務所に両方を持ち込んで統合の確認をしてもらうべきだ。記録の統合は将来の受給額に直結する。

配偶者の扶養に入っていた期間があります。何か必要ですか?

扶養(第3号被保険者)の期間も基礎年金番号に記録されている。転職先での手続きは通常どおり番号かマイナンバーで進み、特別な書類は基本的に要らない。

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