勤続10年で辞めたら、退職金はいくらか。相場の目安は、自己都合で100万円前後だ。

ただしこの数字は、そのまま自分に当てはめると危ない。ばらつきの幅と、自分の会社での正確な確かめ方までセットで書く。

この記事の要点

  • 統計上の目安は、自己都合・勤続10年で100万円前後だ
  • 企業規模・退職理由・学歴で大きくばらつく。会社都合は高くなる傾向
  • 正確な額は退職金規程でしか分からない。確認点は4つ
  • 退職金は法律の義務ではない。ない会社・薄い会社への対処も書く

相場の数字。統計の範囲で正確に

退職金の相場は、厚生労働省の就労条件総合調査などの公的統計が基準になる。そこから言える勤続10年前後の目安はこうだ。

  • 自己都合退職・勤続10年100万円前後が一般的な目安
  • 会社都合退職|自己都合より高くなる傾向がある
  • 企業規模の差|同じ勤続でも大企業と中小企業で明確な差がある。勤続5年の若手でも、大企業と中小で数十万円の水準差が出る統計が示されている
  • 長期勤続との差|大企業では勤続30年超で1,000万円を超える水準が珍しくない。退職金は勤続後半に加速して増えるカーブを持つ制度だ

注意してほしいのは、この相場は「制度がある会社の平均」だという点になる。退職金制度自体がない会社も一定数あり、その場合の相場はゼロだ。統計の平均は、あなたの会社の約束ではない。

自分の額は規程でしか分からない。確認点は4つ

相場より大事なのは、自分の会社の数字だ。退職金規程(就業規則の一部か別規程)を開いて、4点を確認する。

1、支給条件。「勤続3年以上に支給」のような下限の定めが一般的だ。この下限未満で辞めると、制度があってもゼロになる。

2、計算式。基本給×勤続年数×係数の型か、ポイント制か。自分の今の数字を式に入れて概算してみると、相場との距離が分かる。

3、自己都合と会社都合の係数差。同じ勤続でも、自己都合は係数が下がる定めが多い。辞め方で金額が変わることを、辞める前に知っておく。

4、支給時期。退職後1〜2ヶ月後の支給が多いが、規程で確認する。転職後の資金計画に関わる。

規程が見当たらなければ人事に確認していい。在籍社員が自社の退職金規程を読むのは、当然の権利だ。退職の意思表示と受け取られる心配をする人がいるが、規程の閲覧はライフプランの確認として普通の行為になる。

相場より少ない・制度がない場合の考え方

規程を読んだ結果、相場より薄い、あるいは制度自体がなかった。この場合の考え方を整理する。

まず、退職金は法律上の義務ではない。制度の有無も水準も会社の定め次第で、少ないこと自体は違法ではない。制度がないことのリスクと向き合い方は退職金なしはやばいのかで詳しく書いた。

その上で、打ち手は3つある。

  • 規程があるのに規程どおり払われない場合|これは問題だ。計算根拠の開示を求め、話が通じなければ労基署や弁護士の無料相談へ
  • 制度が薄い会社にいる場合|退職金を老後資金の前提から外し、iDeCoなど自分で積む器に切り替える。会社任せの後払いより、自分の口座の積立の方が確実だ
  • 転職の判断材料にする場合|月給と賞与だけでなく、退職金込みの生涯条件で会社を比較する視点を持つ。求人票の月給が同じでも、退職金の有無で生涯の受取は数百万円変わる

最後に1つ、勤続10年目前後の人へ。退職金のカーブは勤続後半に加速する作りが多いから、「あと数年で係数が上がる」という状況はありえる。辞める判断の際は、規程の係数表を見て、いま辞めた場合と数年後の差額を数字にしてから決めてほしい。差額が小さければ気にせず動けばいいし、大きければそれは判断材料の1つになる。相場という他人の平均ではなく、規程という自分の契約で決める。それが退職金との正しい付き合い方なんだわ。退職の段取り全体は内定から退職までの進め方、賞与側の在籍規定は賞与の支給日在籍規定が担当だ。

よくある質問

勤続10年で退職金はいくらもらえますか?

統計上の目安は自己都合で100万円前後だ。ただし企業規模と退職理由で大きくばらつく。正確な額は規程でしか分からない。

自分の会社の退職金額を正確に知る方法はありますか?

退職金規程を読む。支給条件・計算式・自己都合と会社都合の係数差・支給時期の4点を確認する。

相場より少ない・そもそもない場合はどうすればいいですか?

退職金は法律の義務ではないため少なさ自体は違法ではない。iDeCoなど自分の器での積立と、生涯条件での会社評価に切り替える。

退職金の確認シートをLINEで無料配布中

規程の4確認点と概算の計算欄をまとめたシートを、公式LINEで無料配布している。平均はニュースの数字、規程があなたの数字なんだわ。

LINEで無料の資料を受け取る