転職が決まった。iDeCoをやっているが、会社が変わったらどうなるのか。続けられるのか、何か手続きが要るのか、転職先に企業型DCがあると聞いたがそれとの関係も分からない。

iDeCoは個人の口座なので、会社が変わっても消えない。iDeCoは転職で消えない。届を1枚出すだけだ。3つのパターンで、手続きと掛金の上限を書く。

先に一文で。iDeCoは転職しても資産と口座はそのままで、加入者被保険者種別変更届を運営管理機関に出せば続けられ、企業型DCがある会社へ転職したら掛金の上限が最大月2万円に下がり、独立したら月6.8万円に上がる、企業型DCの資産だけは6ヶ月放置すると自動移換されて運用が止まる。

この記事の要点

  • iDeCoは消えない。種別変更届を1枚出す(事業主証明書は2024年12月から不要)
  • 企業型DCがある会社へ→iDeCoは最大月2万円。企業型へ一本化も可
  • 独立→上限が月6.8万円に上がる
  • 企業型DCの資産は放置すると自動移換。iDeCoへ移す手続きを6ヶ月以内に

転職の3パターンと手続き

パターンiDeCoの扱い出す書類掛金の上限(月)
会社員→企業型DCのない会社そのまま続ける加入者被保険者種別変更届(勤務先変更)2.3万円
会社員→企業型DCのある会社続けるか、企業型に移して一本化種別変更届。一本化なら移換の申出最大2万円(企業型の掛金次第)
会社員→独立・無職(第1号)そのまま続ける種別変更届(第2号→第1号)6.8万円
会社員→公務員そのまま続ける種別変更届2万円
会社員→専業主婦・主夫(第3号)そのまま続ける種別変更届2.3万円

書類はiDeCoの運営管理機関(証券会社・銀行)のサイトから請求するか、ダウンロードして郵送する。2024年12月から転職先の事業主証明書は不要になり、自分だけで完結する。

手続きの期限と、遅れた時

期限は変更から6ヶ月以内が目安。遅れてもiDeCoの資産は消えない。起きるのは次の3つだ。

  • 転職先の給与天引きにしていた掛金が止まる(個人口座からの引き落としに変えれば続く)
  • 上限を超えていた掛金が返金される
  • 加入者資格の確認ができず、一時的に掛金の受付が止まる

企業型DCの資産は別で、退職から6ヶ月放置すると国民年金基金連合会に自動移換され、運用が止まって管理手数料だけ引かれる。企業型DCがあった会社を辞めた人は、iDeCoか転職先の企業型へ移す手続きを6ヶ月以内にする(企業型DCを転職で放置するとどうなるかの記事)。

企業型DCがある会社に転職した時の選び方

iDeCoを続ける企業型に一本化する
商品の選択自分で選んだ運営管理機関の商品会社が選んだ運営管理機関の商品
手数料自分で払う(月200円前後)会社が払うことが多い
掛金の上限最大月2万円(企業型の掛金と合わせて5.5万円まで)企業型の枠のみ。マッチング拠出があれば上乗せ可
次の転職の時そのまま続くまた移換の手続きが要る

商品と手数料で決める。会社の企業型の商品が良ければ一本化し、iDeCoの商品を残したいなら続ける。マッチング拠出(企業型に自分の掛金を上乗せ)を選ぶと、iDeCoとの併用はできないので、どちらか一方になる。

掛金の上限が変わる時の届

転職前に月2.3万円を掛けていて、転職先に企業型DCがある場合、上限が月2万円以下に下がる。掛金の減額の届(加入者掛金額変更届)を出す。出さないと、上限を超えた分が返金される形になる。逆に独立して上限が6.8万円に上がった場合は、増額の届を出さないと2.3万円のままになる。独立後の積立の順番はフリーランスの老後資金の記事で書いた。

転職の書類と一緒に済ませる

転職時に出す書類(年金手帳・雇用保険被保険者証・源泉徴収票など)と同じタイミングで、iDeCoの種別変更届を出しておくと忘れない。一覧は転職に必要な書類の全リストの記事で書いた。転職先の給与担当に「iDeCoを続ける」と伝えれば、給与天引き(事業主払込)に切り替えられる会社もある。

私は4回転職し、最後は独立したので、iDeCoの種別変更を何度も出した。面倒なのは書類を請求する1回だけで、内容は住所と勤務先と種別を書くだけだ。独立した時に上限が6.8万円に上がったので、その時だけ掛金の増額も一緒に出した。

よくある誤解

「転職したらiDeCoは解約になる」。ならない。個人の口座で、会社は関係ない。届を出せば続く。

「企業型DCがある会社ではiDeCoはできない」。2022年10月から併用できる。上限は月2万円までで、マッチング拠出を選ばないことが条件だ。

独立・副業・お金の全体像

副業の申告→独立の資金と手続き→初年度の税と保険→稼ぎ方と手取り→将来の積立の5段階で、今いる段階の記事だけ読めばいい。全体は独立・副業・お金の完全ガイドにまとめた。

住民税の年収別早見表

住民税は前年所得の所得割10%+均等割5,000円で、年収300万なら年約11.7万・500万なら約24.2万・800万なら約45.4万、扶養1人で約3.3万減り、単身は年収110万以下で非課税。扶養別の早見表と決定通知書の確認方法は住民税はいくらかの記事で書いた。

独立前に会社員のうちにやること

会社員の信用は辞めた瞬間に消える。クレジットカード・賃貸・ローンの契約、副業での受注実績、生活費6ヶ月+税と保険料の後払い分の貯金、健康診断、有給消化と6月以降の退職、企業型DCの移換先、在職中の給付、就業規則の競業避止の10個を1年前から順に進める(独立前に会社員のうちにやること10個の記事)。フリーランス1年目は賃貸の審査に落ちやすく、在職中の契約が最も確実だ(フリーランスは賃貸の審査に通らないのかの記事)。

会社員でも確定申告が必要な人

副業所得20万超・年収2,000万超・2ヶ所給与・年の途中の退職は確定申告が必要で、医療費10万超・ふるさと納税6自治体超・住宅ローン初年度・控除の申告忘れは申告すると戻る。還付だけの申告は5年間できる。判定表とe-Taxの手順は会社員でも確定申告が必要な人の記事で書いた。

退職後の年金の切り替え

厚生年金は退職日の翌日に終わり、次の会社まで空白が月末を含めばその月は国民年金(月17,920円)になる。退職から14日以内に市区町村で切り替え、払えないなら退職特例で免除を申請する。放置すると未納で障害年金の要件も外れる。手順と書類は退職後の年金の切り替え手続きの記事で書いた。

よくある質問

退職して無職の期間が長い場合、掛金は止められますか?

止められる。加入者から運用指図者に変更する届を出せば、掛金なしで運用だけ続く。再就職したら加入者に戻す。

転職先が決まっていない状態で、先に届を出せますか?

退職した時点で第1号(自営業・無職)への種別変更を出し、転職先が決まったら第2号へ戻す届を出す。2回になるが、放置するより掛金の引き落としが安定する。

転職の資料をLINEで無料配布中

転職パターン別のiDeCo・企業型DCの手続きチェック表(期限と掛金上限の一覧つき)を公式LINEで無料配布している。届は1枚。転職の書類と一緒に済ませよう。

LINEで無料の資料を受け取る