育休を取りたい。でも手当がいくら出るのか、生活が回るのかが分からない。会社の人事に聞くと67%と言われ、それでは無理だと思って諦めかけている。67%は、額面の話だ。手取りで比べていない。

育休の手当は非課税で、社会保険料が免除される。育休の手当は非課税で社保免除。最初の28日は手取り10割だ。月給別の早見表と、手取りの比較と、私が1年取った時の家計を書く。

先に一文で。育休の手当は賃金日額×67%(181日目から50%)で、令和8年8月からの上限は月332,454円と248,100円、月給30万なら20.1万と15万、非課税と社保免除で手取りの約84%になり、両親とも14日以上取れば最大28日は13%上乗せで手取り10割、給付は2ヶ月ごと、雇用保険未加入と直近2年に12ヶ月の加入がない人は対象外だ。

この記事の要点

  • 額|月給30万→20.1万(67%)→15万(50%、181日目〜)。上限33.2万/24.8万
  • 手取り比|非課税+社保免除で、67%の給付は手取りの約84%
  • 出生後休業支援|両親とも14日以上で最大28日、13%上乗せ=手取り10割
  • 住民税だけは前年分が来る。給付は2ヶ月ごとに後払い

月給別の早見表(令和8年8月改定)

月給は賞与を除いた休業前6ヶ月の平均。手取りは40歳未満・東京・扶養なしの目安。

月給会社員の月の手取り給付67%(〜180日)手取りとの比給付50%(181日〜)手取りとの比出生後支援の28日間(80%)の月相当
20万円16.3万円13.4万円82%10.0万円61%16.0万円(98%)
25万円20.1万円16.8万円83%12.5万円62%20.0万円(99%)
30万円24.0万円20.1万円84%15.0万円63%24.0万円(100%)
35万円27.8万円23.4万円85%17.5万円63%28.0万円(101%)
40万円31.5万円26.8万円85%20.0万円63%32.0万円(102%)
45万円35.3万円30.1万円86%22.5万円64%36.0万円(102%)
50万円38.9万円33.2万円(上限)86%24.8万円(上限)64%39.7万円(102%)
55万円42.5万円33.2万円(上限)78%24.8万円(上限)58%39.7万円(93%)
60万円45.4万円33.2万円(上限)73%24.8万円(上限)55%39.7万円(88%)

読み取れることは3つある。

1、67%の期間は手取りの8割超。給付が非課税で、健康保険と厚生年金の保険料(手取りの15%前後)が免除されるので、額面67%が手取り84%になる。

2、181日目から手取りの6割に落ちる。半年を超える育休は、後半の家計を先に計算する。私が1年取った時も、後半の6ヶ月がきつかった。

3、月給50万円で上限に当たる。賃金月額の上限が496,200円で、それ以上の人は給付が33.2万円で頭打ちになり、手取りとの比は下がる。

計算の仕組み

  1. 休業開始時賃金日額=育休前6ヶ月の賃金(賞与除く、残業代込み)÷180
  2. 支給額=賃金日額×支給日数(月30日)×67%。181日目から50%
  3. 上限|賃金日額16,540円(月額496,200円)。67%で月332,454円、50%で月248,100円。下限は月96,090円
  4. 育休中に会社から賃金が出る場合、賃金+給付が休業前賃金の80%を超えると超えた分が減る

180日は、夫婦それぞれで数える。夫が6ヶ月、妻が6ヶ月なら、両方とも67%の期間だけで済む。

出生後休業支援給付(手取り10割)

2025年4月からの制度で、子の出生後8週間以内に両親とも14日以上の育休(産後パパ育休を含む)を取ると、それぞれに最大28日間、賃金日額×13%が上乗せされる(上限60,205円)。67%+13%=80%で、非課税と社保免除を足すと手取りの10割相当になる。ひとり親や配偶者が専業主婦(夫)などの場合は、配偶者の取得要件なしで対象になる。

夫が出生後8週間以内に14日取るだけで、夫婦両方に13%が付く。取るかどうか迷っている男性は、この28日分だけでも家計が変わる。

非課税・社会保険料免除・住民税

項目育休中の扱い
所得税給付は非課税。年末調整で還付が出ることが多い
健康保険・厚生年金月末が育休中の月は本人・会社とも免除。免除中も将来の年金額は払ったものとして計算
賞与の保険料1ヶ月を超える育休に賞与月の月末が含まれれば免除
雇用保険給与がないので0
住民税前年の所得に対する分が来る。会社の天引きができないので納付書か一括徴収(住民税の年収別早見表の記事
配偶者控除給付は非課税なので、育休中の配偶者は所得48万以下なら配偶者控除の対象になる

住民税だけは、育休1年目に前年の年収分(年収500万なら約24万)が来る。育休の家計で計算漏れが最も多いのが住民税だ。

支給の時期と申請

  • 申請は会社経由(本人が直接申請することもできる)。初回の振込は育休開始から2〜3ヶ月後、以後2ヶ月ごと
  • 最初の2〜3ヶ月は収入が0になるので、その分の生活費を先に取り分ける
  • 令和8年8月から申請手続きの見直しがあり、必要書類が変わるので、会社の人事に最新の様式を確認する

期間と延長

種類期間給付
産後パパ育休(出生時育児休業)出生後8週間以内に4週間まで。2回に分割可67%(出生時育児休業給付金、上限310,290円)
育児休業子が1歳まで。2回に分割可67%→181日目から50%
パパ・ママ育休プラス両親とも取れば1歳2ヶ月まで同上
延長保育所に入れない等の理由で1歳6ヶ月、さらに2歳まで50%

延長するか退職するかの判断は育休の延長と退職どっちがいいかの記事、育休明けの席がない時は育休明けに席がない時の記事で書いた。

対象外になる人

  • 雇用保険に入っていない(フリーランス、役員、週20時間未満)
  • 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月ない(前職分は通算可)
  • 有期契約で、子が1歳6ヶ月までに契約終了が明らか
  • 育休中に月10日(80時間)を超えて働いた月

フリーランスには育休給付がなく、出産育児一時金(50万円)だけになる。在職中にしか受けられない給付で、独立する前に取り切るものの筆頭だ(独立前に会社員のうちにやることの記事)。

男性で1年取った時の家計

私は4社目の大阪の会社で、男性で1年間の育休を取った。年収をあえて下げてリモートと育休制度を重視して選んだ会社で、3年かけて信頼を作ってから申請した。最初の6ヶ月は67%の給付と社保免除で手取りの8割強が入り、生活はほぼ変わらなかった。後半の6ヶ月は50%に落ち、そこに前年分の住民税の納付書が来た。育休前後に匿名のSNSアカウントを育てていたので、副業収入が給与を超える月も出て、後半の落ち込みはそれで埋まった。給付だけで1年回すなら、後半6ヶ月の差額を先に貯めておく。取得率は男性で4割まで来ている(男性の育休取得率のデータ記事)。

よくある誤解

「育休は67%しか出ないから生活できない」。非課税と社保免除で手取りの約84%。出生後8週間の28日は10割。

「育休中は税金も保険料も全部かからない」。住民税は前年分が来る。所得税と社会保険料だけが0になる。

産休の出産手当金はいくらか

産休98日の出産手当金は標準報酬日額の3分の2で、月給30万なら約65万、40万なら約87万。非課税で社会保険料は免除され、出産育児一時金50万は別に出る。退職後も1年以上の加入・産休中の退職・退職日に出勤しないの3条件で受け取れ、国保の人には出産手当金がない。月給別の早見表と育休給付との1年の合計は産休の手当はいくらもらえるかの記事で書いた。

よくある質問

育休中に副業をしたら給付は止まりますか?

会社での就労は月10日(80時間)以下が条件で、その賃金と給付の合計が休業前の80%を超えると減額される。会社以外の副業(業務委託・ブログ等)は給付の減額対象ではないが、就業規則と、育休の趣旨(子の養育)に反しない範囲で行う。ハローワークに確認したほうがいい。

賞与は出ますか?

会社の規定による。育休期間を欠勤扱いで減額する会社が多い。賞与月の月末が1ヶ月超の育休中なら、賞与の社会保険料は免除される。

育休と転職の資料をLINEで無料配布中

月給と育休の期間から、67%・50%・出生後支援の28日を分けて手取りを出す記入表(住民税と初回振込までの空白の計算欄つき)を公式LINEで無料配布している。67%で諦める前に、手取りで1回計算しよう。

LINEで無料の資料を受け取る