育休を取りたいが、男で取った人が社内にいない。取れる会社なのか、今の会社が普通なのか、転職先はどう見ればいいのかが分からない。
厚生労働省が毎年、事業所に育休の取得状況を聞いている。最新の令和6年度調査を並べた。男性の育休は10人に4人。取れない会社が普通ではなくなった。
先に一文で。男性の育休取得率は40.5%で1年で10.4ポイント上がり、女性は86.6%、有期契約でも男性33.2%、男性の取得者のうち産後パパ育休を使った人は60.6%、男性の取得者がいた事業所は41.0%で、6割の事業所ではまだ誰も取っていない。
この記事の要点
- 男性40.5%(前回30.1%)、女性86.6%(前回84.1%)
- 有期契約|男性33.2%、女性73.2%
- 男性の取得者のうち産後パパ育休を使った人60.6%
- 男性の取得者がいた事業所41.0%。育児目的の休暇制度がある事業所71.2%
出典と数字の意味
出典は厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」の事業所調査(2025年公表)。5人以上の常用労働者を雇う事業所を対象に、2024年10月1日時点の状況を聞いたものだ。
- 取得率|2022年10月1日〜2023年9月30日に出産した人(男性は配偶者が出産した人)のうち、2024年10月1日までに育休を開始した人(申出済みを含む)の割合
- 産後パパ育休|子の出生後8週間以内に4週間まで取れる出生時育児休業。2022年10月に始まった制度
取得率の全体
| 区分 | 令和6年度 | 前回(令和5年度) |
|---|---|---|
| 男性 | 40.5% | 30.1% |
| 女性 | 86.6% | 84.1% |
| 男性(有期契約) | 33.2% | 26.9% |
| 女性(有期契約) | 73.2% | 75.7% |
男性は1年で10.4ポイント上がった。令和4年度は17.13%だったので、2年で2倍以上になっている。女性は8割台後半で安定している。
有期契約の男性でも3人に1人が取っている。契約社員だから取れない、という前提はもう成り立たない。
産後パパ育休
男性の育休取得者のうち、産後パパ育休を取った人は60.6%。有期契約の男性では82.6%になる。男性の取得の6割は、出生後8週間以内の短い休みで構成されている。1年単位の長い育休を取る男性は、まだ少数派だ。
事業所の側から見た数字
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 配偶者が出産した男性がいた事業所のうち、男性の育休取得者がいた事業所 | 41.0%(前回37.9%) |
| 出産した女性がいた事業所のうち、女性の育休取得者がいた事業所 | 89.0%(前回87.6%) |
| 育児に関する目的で使える休暇制度の規定がある事業所 | 71.2%(前回調査59.3%) |
男性の取得者がいた事業所は41.0%。裏返すと、対象者がいた事業所の6割では誰も取っていない。個人の取得率40.5%と事業所の41.0%がほぼ同じなのは、取れる会社では複数人が取り、取れない会社では誰も取らない、という形になっているからだ。
育児目的の休暇制度の規定がある事業所は、規模別で500人以上90.2%、100〜499人84.6%、30〜99人82.3%、5〜29人68.6%。産業別では金融・保険89.3%、電気・ガス・熱供給・水道88.8%が高い。
取れる会社かを見抜く3つの数字
1、男性の取得実績|面接で「直近3年で、男性で育休を取った人の人数と、平均の日数」を聞く。人数と日数を答えられる会社は取れる会社だ。答えられない会社は、把握していないか、実績がない。
2、制度の規定|就業規則に育児目的の休暇制度があるか。7割の事業所にはある。なければ法定の育休だけになるが、法定だけでも1年は取れる。
3、有期契約でも取れるか|契約社員として入る場合も、取得率33.2%の側に入れるかを聞く。
聞き方の型は育休の実績を面接で確認する記事で書いた。
私は4社目で、年収を下げてリモートと育休制度を重視して会社を選び、3年かけて信頼を作ってから1年の育休を取った。当時の男性の取得率は今よりずっと低く、社内でも前例が少なかった。今は10人に4人が取る時代で、前例の有無より、会社が把握しているかどうかが差になる。数字を聞いて答えられる会社を選べば、前例を自分で作る必要はない。
よくある誤解
「男性の育休はまだ珍しい」。40.5%で10人に4人。2年で2倍になった。珍しいのは、取れない会社のほうだ。
「契約社員は育休を取れない」。有期契約の男性でも33.2%が取っている。条件(子が1歳6ヶ月になるまでに契約が終わることが明らかでない)を満たせば取れる。
よくある質問
男性の育休は平均何日くらい取っていますか?
この調査では取得率と産後パパ育休の割合を示しており、日数の分布は別の集計になる。取得者の6割が産後パパ育休(最長4週間)を使っていることから、短期の取得が中心だと読める。
育休中に転職活動をしてもいいですか?
法律上の制限はないが、復帰前提の制度なので会社との関係と給付金の扱いを確認してからになる。詳しくは育休中の転職活動の記事で書いた。
転職の資料をLINEで無料配布中
育休が取れる会社かを面接で確認する質問リスト(男性の実績・制度の規定・有期契約の扱いの3項目つき)を公式LINEで無料配布している。前例を探すより、数字を聞こう。


