自分の給料が普通なのか低いのか、聞ける相手がいない。ネットの「平均年収」は会社ごとにバラバラで、どれを信じていいか分からない。
厚生労働省が毎年6月分の給与を約5万事業所から集めている。最新の令和7年(2025年)調査の年代別の平均を、男女・企業規模・雇用形態で並べた。30代前半で31万円。そこから先は会社の規模で分かれる。
先に一文で。フルタイムの平均賃金は月34万600円で、20〜24歳24.3万円、30〜34歳31.2万円、40〜44歳36.4万円、55〜59歳39.6万円がピーク、大企業と小企業で8万円、正社員と非正規で12万円の差がある。
この記事の要点
- 年代別|20代前半24.3万・30代前半31.2万・40代前半36.4万・50代後半39.6万
- 男性は55〜59歳44.6万がピーク、女性は30代以降30万前後で横ばい
- 規模差|大企業38.5万・中企業32.6万・小企業30.6万
- 正社員35.9万に対し、正社員以外24.2万
出典と数字の意味
出典は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026年公表)。10人以上の常用労働者を雇う民営事業所52,242か所の、2025年6月分の給与を集計したものだ。
- 賃金|所定内給与額。基本給と手当を足した月額で、残業代と賞与は含まない
- 一般労働者|短時間労働者を除く常用労働者。正社員も、フルタイムの契約社員も含む
つまりここでの「賃金」は、給与明細の「基本給+手当」に近い。年収の話ではない。年収に直すには、これに残業代と賞与を足す必要がある(年収とはの記事)。
年代別・男女別の平均賃金
| 年齢 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 20万8,300円 | 21万2,500円 | 20万1,400円 |
| 20〜24歳 | 24万2,800円 | 24万5,700円 | 23万9,600円 |
| 25〜29歳 | 27万9,400円 | 28万8,000円 | 26万8,800円 |
| 30〜34歳 | 31万2,300円 | 33万400円 | 28万3,200円 |
| 35〜39歳 | 34万600円 | 36万6,200円 | 29万2,400円 |
| 40〜44歳 | 36万4,300円 | 39万8,200円 | 30万3,600円 |
| 45〜49歳 | 37万7,900円 | 42万700円 | 30万5,700円 |
| 50〜54歳 | 38万8,800円 | 43万7,500円 | 30万5,400円 |
| 55〜59歳 | 39万6,200円 | 44万5,600円 | 30万5,700円 |
| 60〜64歳 | 32万9,300円 | 35万8,500円 | 27万800円 |
| 全年齢 | 34万600円 | 37万3,400円 | 28万5,900円 |
読み取れることは3つある。
1、20代は男女差がほぼない。20〜24歳で6,000円差。差が開くのは30代からだ。
2、男性は50代後半まで上がり続ける。20〜24歳を100とすると55〜59歳は181。女性は128で止まり、30代以降はほぼ横ばいになる。
3、60歳で7万円落ちる。定年後の再雇用で賃金が下がる形が、そのまま数字に出ている。
前年比では、20〜30代が4%台の伸びで、45歳以上は1〜2%台。若い層ほど上がり幅が大きい年だった。
企業規模別。30代後半から差が開く
| 年齢 | 大企業(1,000人以上) | 中企業(100〜999人) | 小企業(10〜99人) |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 25万8,400円 | 23万7,600円 | 22万6,300円 |
| 25〜29歳 | 30万1,700円 | 27万600円 | 25万8,200円 |
| 30〜34歳 | 34万4,600円 | 29万9,400円 | 28万6,500円 |
| 35〜39歳 | 38万6,300円 | 32万2,300円 | 30万5,300円 |
| 40〜44歳 | 42万2,000円 | 34万6,100円 | 31万8,900円 |
| 45〜49歳 | 43万9,300円 | 36万2,100円 | 33万円 |
| 50〜54歳 | 44万7,600円 | 37万6,000円 | 33万6,600円 |
| 55〜59歳 | 46万5,900円 | 37万6,700円 | 33万5,100円 |
| 全年齢 | 38万5,100円 | 32万6,200円 | 30万5,600円 |
20代前半の差は3万円。55〜59歳では13万円に開く。大企業は年齢とともに上がり続け、中小企業は40代後半で頭打ちになる形だ。
前年比も大企業が5.7%増に対し、中企業1.0%、小企業2.1%。差は縮まっていない、広がっている。
雇用形態別。正社員と非正規の差は年代で開く
| 年齢 | 正社員・正職員 | 正社員以外 | 格差(正社員=100) |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 24万7,500円 | 20万3,500円 | 82.2 |
| 25〜29歳 | 28万5,000円 | 22万7,900円 | 80.0 |
| 30〜34歳 | 32万1,100円 | 23万3,800円 | 72.8 |
| 35〜39歳 | 35万2,600円 | 23万300円 | 65.3 |
| 40〜44歳 | 37万9,000円 | 23万600円 | 60.8 |
| 50〜54歳 | 41万2,700円 | 22万9,700円 | 55.7 |
| 全年齢 | 35万8,800円 | 24万1,700円 | 67.4 |
正社員以外の賃金は、どの年代でも23万円前後で動かない。20代では8割の水準だが、40代で6割、50代で5割台になる。年代で開く差の中身は正社員と非正規の給料差の記事で書いた。
勤続年数で見る上がり方
| 勤続年数 | 男女計 | 大企業 | 小企業 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 27万4,500円 | 29万2,600円 | 25万5,200円 |
| 1〜2年 | 28万5,300円 | 31万600円 | 26万7,200円 |
| 5〜9年 | 31万2,500円 | 33万7,300円 | 29万7,400円 |
| 10〜14年 | 33万3,600円 | 36万7,600円 | 31万1,800円 |
| 20〜24年 | 40万400円 | 46万7,800円 | 34万4,700円 |
| 30年以上 | 44万4,200円 | 49万6,800円 | 36万6,700円 |
勤続0年(転職直後)の27万4,500円は、全体平均より6.6万円低い。転職直後は平均より下から始まり、5〜9年で全体平均に追いつくのが統計上の形だ。ただし転職で賃金が増えた人は40.8%いる(転職で年収が上がる人の割合の記事)。勤続で上がるか、転職で上がるかは、会社の規模でも変わる。
ここまでのまとめ
・年代別|20代前半24.3万・30代前半31.2万・40代前半36.4万・50代後半39.6万
・男性は55〜59歳44.6万がピーク、女性は30代以降30万前後で横ばい
・規模差|大企業38.5万・中企業32.6万・小企業30.6万
自分の位置を測る手順
- 給与明細の基本給+手当(残業代を除く)を出す
- 上の表で、自分の年代の平均と比べる
- 会社の規模の平均と比べる
- 正社員なら、正社員の平均と比べる
3つとも下回っているなら、同じ条件の人より低い賃金で働いている。逆に、年代平均は下でも小企業の平均は上、という場合は会社の規模の問題で、転職先の規模を変えると上がる余地がある。
求人票の月給と比べる時は、固定残業代を引いてから比べる(求人票の給与欄の読み方 完全ガイド)。手当の相場は手当の相場と支給割合の記事にある。
私は4社目で年収を下げて移ったが、その時も自分の年代と規模の平均を見て、下げた後の額がどの位置かを分かったうえで決めた。平均を知らずに下げるのと、知って下げるのは別の話だ。
よくある誤解
「平均給料=平均年収÷12」。違う。この賃金は残業代と賞与を含まない。年収に直すと、賞与4ヶ月分の会社なら月額×16に残業代を足した額になる。
「30代なら35万は普通」。男女計の35〜39歳平均は34万600円だが、小企業では30万5,300円、女性では29万2,400円だ。自分の条件の平均と比べないと、高いか低いかは分からない。
学歴別の平均給料(公的データ)
厚労省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、高卒29万7,200円・専門卒31万3,700円・大卒39万6,300円・大学院卒51万7,400円で、高卒と大卒の差は20代前半の3万8,700円から50代後半の19万7,000円に開く。ただし企業規模と役職の差はそれより大きい。表は学歴別の平均給料の記事で書いた。
業界別の平均給料(公的データ)
厚労省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、業界別の平均賃金は電気・ガス44万4,000円・金融保険43万7,000円・情報通信40万6,000円が上位、宿泊飲食27万7,200円・生活関連サービス29万5,200円が下位で、差は20代前半の6万円から50代後半の28万円に開く。16業界の表と年代別の開き方は業界別の平均給料の記事で書いた。
平均給料の25年推移(公的データ)
厚労省の賃金構造基本統計調査では、平均賃金は2001年30万5,800円から2021年30万7,400円までほぼ横ばいで、2022年以降は4年連続で伸びて2025年は34万600円、2021年比で10.8%上がった。自分の給料がこの4年で10.8%上がっていないなら、平均より遅れている。推移の表は平均給料の25年推移の記事にある。
転職の判断に使う公的データの一覧
年代別・業界別・役職別・学歴別・雇用形態別の平均給料、転職で上がる人の割合、転職理由、有給取得率、年間休日、手当の相場を、厚労省の原典ごとに場面別で並べた入口は転職の判断に使う公的データ一覧にある。
平均年収と分布(公的データ)
国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)では、平均年収は478万円(男性587万・女性333万)、年代別では20代前半277万・30代前半449万・40代前半516万・50代後半572万で、年収500万円超は全体の36.7%、700万円超は17.3%、1,000万円超は6.2%だった。真ん中の人は400万円台前半にいる。自分の年収が上位何%かは平均年収と分布の記事で測れる。
2025年の賃上げ率(公的データ)
厚労省の賃金引上げ等の実態に関する調査(令和7年)では、賃金を引き上げた企業は91.5%、改定額は月1万3,601円・改定率4.4%で、5,000人以上は5.1%・100〜299人は3.6%、建設5.9%が最高で医療・福祉2.3%が最低、労働組合がある企業はない企業より0.8ポイント高かった。自分の昇給を規模と業界の平均と比べる手順は2025年の賃上げ率の記事で書いた。
よくある質問
年収700万に届く年代はいつですか?
役職や賞与で変わるため、月額の平均だけでは決まらない。役職別では課長級52万9,200円・部長級63万5,800円で、賞与を足すと年収700万円台に届く。詳しくは年収700万は何歳で届くかの記事で書いた。
この賃金に残業代を足すとどのくらいになりますか?
同じ調査の「賃金」は所定内給与で、残業代(超過労働給与)は別集計になる。目安として、月20時間の残業なら月額の1割強が上乗せされる。
転職の資料をLINEで無料配布中
自分の給料を年代・規模・雇用形態の平均と比べる記入表(3つの差を出して転職で上がる余地を判定する式つき)を公式LINEで無料配布している。平均を知ってから、動くかどうかを決めよう。


