高卒で働いていて、大卒の同僚と給料が違う気がする。気のせいなのか、本当に差があるのか、あるなら何歳まで開くのかが分からない。
厚生労働省が学歴別に賃金を集計している。最新の令和7年(2025年)調査を年代別に並べた。20代で4万円差、50代で20万円差。差は年齢とともに開く。
先に一文で。学歴別の平均賃金は高卒29万7,200円・専門卒31万3,700円・高専短大卒32万1,200円・大卒39万6,300円・大学院卒51万7,400円で、高卒と大卒の差は20代前半の3万8,700円から50代後半の19万7,000円に開くが、企業規模と役職の差はそれより大きい。
この記事の要点
- 高卒29.7万・専門31.4万・短大32.1万・大卒39.6万・院卒51.7万
- 高卒と大卒の差|20代前半3.9万→40代前半11.6万→50代後半19.7万
- 女性の高卒は30代以降ほぼ横ばい(24〜26万)
- 学歴より、企業規模と役職の差が大きい
出典と数字の意味
出典は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」の「学歴別にみた賃金」。10人以上の民営事業所の一般労働者(フルタイム)を、2025年6月分の給与で集計したものだ。賃金は所定内給与額で、残業代と賞与を含まない月額になる。
学歴別・年代別の平均賃金(男女計)
| 年齢 | 高校 | 専門学校 | 高専・短大 | 大学 | 大学院 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 22万5,200円 | 23万8,400円 | 24万3,300円 | 26万3,900円 | 29万8,800円 |
| 25〜29歳 | 25万1,700円 | 26万6,800円 | 27万7,200円 | 29万6,400円 | 33万5,000円 |
| 30〜34歳 | 27万6,200円 | 28万2,200円 | 30万1,700円 | 34万300円 | 40万6,100円 |
| 35〜39歳 | 29万6,600円 | 30万2,700円 | 31万3,400円 | 38万2,200円 | 46万6,600円 |
| 40〜44歳 | 30万9,000円 | 32万1,600円 | 33万6,900円 | 42万5,300円 | 55万3,700円 |
| 45〜49歳 | 32万2,200円 | 33万4,000円 | 34万800円 | 45万8,400円 | 61万7,800円 |
| 50〜54歳 | 33万5,100円 | 35万7,000円 | 34万9,000円 | 49万4,900円 | 64万8,300円 |
| 55〜59歳 | 33万2,100円 | 36万3,700円 | 36万4,000円 | 52万9,100円 | 67万6,200円 |
| 全年齢 | 29万7,200円 | 31万3,700円 | 32万1,200円 | 39万6,300円 | 51万7,400円 |
読み取れることは3つある。
1、20代の差は小さい。20〜24歳で高卒と大卒の差は3万8,700円。専門卒と大卒なら2万5,500円だ。
2、差が開くのは30代後半から。35〜39歳で8万5,600円、45〜49歳で13万6,200円、55〜59歳で19万7,000円。大卒は50代後半まで上がり続け、高卒は50代前半で頭打ちになる。
3、専門卒は40代以降、短大卒と並ぶ。50〜54歳では専門卒35万7,000円が短大卒34万9,000円を上回る。
男女別。女性の高卒は30代で止まる
| 年齢 | 男性・高卒 | 男性・大卒 | 女性・高卒 | 女性・大卒 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 23万1,100円 | 26万7,400円 | 21万4,600円 | 26万400円 |
| 30〜34歳 | 29万3,000円 | 35万8,900円 | 23万6,000円 | 31万1,500円 |
| 40〜44歳 | 33万6,300円 | 45万2,800円 | 24万6,800円 | 36万3,700円 |
| 50〜54歳 | 37万1,700円 | 52万8,800円 | 26万3,600円 | 38万6,300円 |
| 全年齢 | 32万1,700円 | 42万9,600円 | 24万5,000円 | 32万7,400円 |
女性の高卒は30〜34歳23万6,000円、50〜54歳26万3,600円で、20年で2万7,600円しか上がらない。女性・高卒・中小企業の組み合わせが、統計上は最も上がりにくい位置になる。
学歴より差が大きい2つの要素
| 比べる軸 | 全年齢の差 | 55〜59歳の差 |
|---|---|---|
| 高卒 と 大卒 | 9万9,100円 | 19万7,000円 |
| 小企業 と 大企業 | 7万9,500円 | 13万800円 |
| 非役職 と 課長級 | 21万8,700円 | ― |
| 正社員以外 と 正社員 | 11万7,100円 | 19万1,700円 |
役職と雇用形態の差は、学歴の差より大きい。高卒で大企業の係長級(平均39万9,200円)なら、小企業で非役職の大卒より上になる。学歴は変えられないが、会社の規模・役職・雇用形態は転職と昇進で変わる(年代別の平均給料の記事、正社員と非正規の給料差の記事)。
高卒・専門卒が給料を上げる時の使い方
- 自分の学歴・年代の平均と、今の給料(基本給+手当)を比べる
- 平均より下なら、会社の規模と雇用形態を先に疑う
- 平均並みなら、次に動く軸は規模か役職になる
- 求人票で「大卒以上」の条件がない会社の中で、規模の大きい会社を探す
学歴で足切りされる求人は、応募しても通らない。足切りのない会社の中で、規模で選ぶのが統計上は最も動く額が大きい。転職で賃金が増えた人は全体で40.8%いる(転職で年収が上がる人の割合の記事)。
私はWebスクールに50万円払って未経験からWeb業界に入り、その後の転職で大手系の会社に移って上がった。学歴の話ではなく、会社の規模と職種を変えた話だった。動かせる軸は、学歴以外にある。
よくある誤解
「大卒でないと給料は上がらない」。高卒でも大企業・役職ありなら、大卒の平均を超える。上がらないのは学歴でなく、規模と役職が固定されている時だ。
「専門卒は高卒と同じ扱い」。平均で1万6,500円高く、40代以降は短大卒と並ぶ。
転職の判断に使う公的データの一覧
年代別・業界別・役職別・学歴別・雇用形態別の平均給料、転職で上がる人の割合、転職理由、有給取得率、年間休日、手当の相場を、厚労省の原典ごとに場面別で並べた入口は転職の判断に使う公的データ一覧にある。
平均年収と分布(公的データ)
国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)では、平均年収は478万円(男性587万・女性333万)、年代別では20代前半277万・30代前半449万・40代前半516万・50代後半572万で、年収500万円超は全体の36.7%、700万円超は17.3%、1,000万円超は6.2%だった。真ん中の人は400万円台前半にいる。自分の年収が上位何%かは平均年収と分布の記事で測れる。
よくある質問
大学院卒はなぜこんなに高いのですか?
大学院卒は大企業の技術職・研究職に多く、企業規模と職種の効果が学歴に重なっている。55〜59歳で67万6,200円は、部長級の平均63万5,800円を上回る。
高卒で大企業に入ることはできますか?
製造業・インフラ・運輸などは高卒の現場職を大量に採用しており、大企業の高卒は珍しくない。求人票の応募条件に「高卒以上」とある大企業の求人を、業界を絞って探す。
転職の資料をLINEで無料配布中
学歴・年代・規模・雇用形態の4軸で自分の給料を平均と比べる記入表(動かせる軸を判定する式つき)を公式LINEで無料配布している。変えられない軸で悩むより、変えられる軸で動こう。

