求人票の「住宅手当2万円」「家族手当あり」。多いのか少ないのか、そもそも普通はあるものなのかが分からない。

厚生労働省が、手当の種類ごとに「何%の会社が出しているか」と「平均いくらか」を調べている。最新の令和7年調査(2024年11月分)を並べた。通勤と家族手当は普通、住宅手当は半数弱。それが相場の形だ。

先に一文で。手当の支給企業割合は通勤90.2%・役付84.2%・家族62.3%・住宅45.7%で、平均額は役付4万3,500円・住宅1万8,700円・家族1万7,600円、手当は所定内賃金の15.9%を占め、小さい会社ほど手当の比率が高い。

この記事の要点

  • 通勤手当と家族手当はあるのが普通。住宅手当は半数弱
  • 平均額|役付4.4万・住宅1.9万・家族1.8万・通勤1.3万
  • 手当は給与の15.9%。30〜99人の会社では18.4%
  • 手当が厚い会社は、基本給を確認する

出典と数字の意味

出典は厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」(2025年12月公表)の「諸手当」。常用労働者30人以上の民営企業を対象に、2024年11月分の所定内賃金と手当を集計したものだ。

  • 支給企業割合|諸手当を支給した企業(全体の91.4%)のうち、その手当を支給している企業の割合
  • 平均支給額|その手当を支給された労働者1人あたりの月額

種類別の支給割合と平均額

手当支給企業割合平均額(月)
通勤手当90.2%1万2,700円
役付手当84.2%4万3,500円
家族手当・扶養手当・育児支援手当62.3%1万7,600円
技能手当・技術(資格)手当53.0%2万1,500円
住宅手当45.7%1万8,700円
調整手当32.6%2万7,100円
単身赴任手当・別居手当28.5%4万9,300円
特殊勤務手当19.5%2万7,400円
精皆勤手当・出勤手当17.4%9,700円
業績手当13.7%6万4,100円
特殊作業手当11.9%1万5,700円
地域手当・勤務地手当11.6%2万6,200円

読み取れることは3つある。

1、通勤・役付・家族はあるのが普通。6割から9割の会社が出している。「通勤手当なし」の求人は、平均より明確に下の条件になる。

2、住宅手当は半数弱。あること自体が平均より上で、平均額は月1万8,700円。「住宅手当2万円」は相場の中心、「3万円以上」は上位になる。

3、業績手当は少数だが額が大きい。13.7%の会社しか出していないが、平均6万4,100円。営業職などで年収の差を作っている部分だ。

規模で変わるもの

手当1,000人以上30〜99人
住宅手当の支給割合60.8%41.6%
住宅手当の平均額2万1,100円1万7,500円
家族手当の支給割合72.7%59.1%
地域手当の支給割合38.4%6.4%
精皆勤手当の支給割合6.4%19.1%

大きい会社ほど住宅・家族・地域手当を出し、小さい会社ほど精皆勤手当を出す。精皆勤手当が厚い求人は、小さい会社の特徴として読める。

手当が給与に占める割合

規模所定内賃金基本給諸手当手当の割合
34万1,800円28万7,300円5万4,500円15.9%
1,000人以上37万5,900円32万2,100円5万3,800円14.3%
300〜999人33万6,800円28万3,300円5万3,600円15.9%
100〜299人32万3,700円26万9,000円5万4,600円16.9%
30〜99人30万7,000円25万500円5万6,500円18.4%

手当の額はどの規模でも5万円台でほぼ同じだが、基本給が違う。小さい会社は基本給が低く、手当の比率が高い。賞与や退職金は基本給を基礎に計算する会社が多いので、同じ月給でも手当の比率が高い会社は年収全体で不利になりやすい。基本給の見抜き方は基本給とはの記事で書いた。

求人票の手当欄をこのデータで読む

  • 住宅手当あり|平均より上の条件。ただし条件(賃貸のみ・世帯主のみ・打ち切り時期)を確認する(住宅手当とはの記事
  • 家族手当あり|あるのが普通。額が平均1万7,600円を大きく下回るなら、名目だけの可能性がある
  • 通勤手当なし・上限あり|平均より下。上限額と自分の通勤費を比べる
  • 職務手当・調整手当が大きい|固定残業代が混ざっていないか確認する(職務手当とはの記事
  • 精皆勤手当が厚い|小さい会社の傾向。休むと減る手当なので、年収に入れない

給与欄全体の分解の手順は求人票の給与欄の読み方 完全ガイドにまとめた。

よくある誤解

「手当が多い会社は待遇が良い」。手当の額は規模を問わず5万円台で、差は基本給に出る。手当の多さでなく基本給で比べる。

「住宅手当は普通ある」。半数弱しかない。ない会社が平均に近い。

転職の判断に使う公的データの一覧

年代別・業界別・役職別・学歴別・雇用形態別の平均給料、転職で上がる人の割合、転職理由、有給取得率、年間休日、手当の相場を、厚労省の原典ごとに場面別で並べた入口は転職の判断に使う公的データ一覧にある。

退職金の平均と制度がある会社の割合(公的データ)

厚労省の就労条件総合調査(令和5年)では、退職給付制度がある企業は74.9%(30〜99人は70.1%、宿泊・飲食は42.2%)、勤続20年以上の大卒の平均退職給付額は定年1,896万円・自己都合1,441万円、退職一時金のみの会社は1,623万円で年金と併用の会社は2,261万円だった。勤続年数別・学歴別の表は退職金の平均の記事で書いた。

よくある質問

手当は賞与や退職金の計算に入りますか?

統計上の「諸手当」の定義自体が「賞与等の算定基礎とならない等の性格を持つ賃金」とされている。つまり入らないのが通常で、入れる会社は少数派だ。

手当は課税されますか?

通勤手当の非課税分(月15万円まで)を除き、給与として課税される。住宅手当も家族手当も、額面に乗るのは2割前後引かれた後の額になる。

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