副業を始めた。いずれ独立したい。でも税金・保険・年金・契約の話は、調べるたびに別の記事に飛ばされて、全体が見えない。今の自分がどの段階で、何を決めればいいのかが分からない。
この記事は、独立とお金の判断を5段階に並べた入口だ。記事ごとの詳細は専用記事に置いてある。独立のお金は5段階。今いる段階の記事だけ読めばいい。
先に一文で。独立のお金は、①副業の申告、②独立の資金と手続き、③初年度の税と保険、④稼ぎ方と手取り、⑤将来の積立の5段階で決まり、それぞれに専用記事があるので、今いる段階の記事から読む。
この記事の要点
- ①副業|所得20万超で確定申告。住民税は自分で納付に
- ②準備|資金は生活費6ヶ月+後払いの税保険料+初期費用。開業届・青色・会計ソフト・保険
- ③初年度|国保と任意継続の比較、年金の免除、6月の住民税、2年目の予定納税
- ④稼ぐ|手取り早見表で逆算、業務委託は÷1.2、契約書10項目、インボイスと簡易課税
- ⑤将来|共済→付加年金→iDeCo。年金の差は月3〜5万で埋まる
全体の流れ
| 段階 | 状態 | 決めること |
|---|---|---|
| ① 副業 | 会社員のまま収入がある | 申告の基準、住民税の設定、事業所得にするか |
| ② 独立の準備 | 辞める前の半年〜1年 | 資金の額、開業届と青色、会計ソフト、保険 |
| ③ 初年度 | 辞めてから1年 | 国保・年金・住民税・予定納税の時系列 |
| ④ 稼ぐ | 売上が立っている | 手取りの計算、単価、契約、消費税 |
| ⑤ 将来 | 収入が安定した | 退職金の代わり、老後の積立 |
① 副業の段階
- 所得20万円超で所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告。やり方の5ステップと、住民税を自分で納付にする設定(副業の確定申告はいくらからかの記事)
- 20万円以下の住民税の申告の手順(副業20万円以下の住民税申告の記事)
- 会社に伝わる経路は住民税だけ(副業が住民税でバレる仕組みの記事)
- 副業をしている正社員は2.5%、したい人は7.7%。始めれば少数派の側に入る(副業とフリーランスの割合の記事)
- 副業の始め方の全体(副業の完全ガイドの記事)
② 独立の準備
- 資金は生活費6ヶ月+前年の税と保険料の後払い+初期費用。年収500万で退職なら後払いは約88万(独立の資金はいくら要るかの記事)
- 開業届の出し方と、失業保険との順番(開業届の出し方の記事、フリーランスが開業届を出さない場合の記事)
- 青色申告の65万控除の3条件と申請の期限(青色申告とはの記事)
- 会計ソフトはタイプ別に選ぶ(個人事業主の会計ソフトの比較の記事)
- 消える保障6つと、代わりの保険5種類(フリーランスに必要な保険5種類の記事)
- 在職中にしかできない10個(カード・賃貸・ローン・健康診断・有給・給付)を1年前から(独立前に会社員のうちにやること10個の記事)
- 賃貸の審査は在職中に通す。1年目は申告書がない(フリーランスは賃貸の審査に通らないのかの記事)
③ 初年度の税と保険
| 時期 | 来るもの | 記事 |
|---|---|---|
| 退職翌月 | 国保・国民年金の切り替え(14日以内)。任意継続は20日以内 | 国民健康保険が高い時の対策、国民年金の免除 |
| 6月 | 前年所得の住民税(年4回) | 退職後の住民税はいくらか |
| 翌年3月 | 初年度の確定申告 | 青色申告とは |
| 翌年6月 | 予定納税の通知(前年の所得税15万超) | 予定納税とは |
初年度は会社員時代の所得に対する税と保険料、2年目は初年度の所得に対する税と保険料を払う。収入と支払いが1年ずれる。
④ 稼ぎ方と手取り
手取りを知る
- 売上×経費率で手取りを一覧にし、月30万を残す売上を逆算する(個人事業主の手取り早見表の記事)
- 業務委託の提示額は÷1.2で会社員の月給と比べる(業務委託の手取り計算の記事)
- 経費の線は1つ。経費を増やすと手取りは減る(個人事業主の経費はどこまでかの記事)
条件を守る
- 契約書は10項目、直すのは損害賠償・中途解約・競業避止(業務委託契約書のチェック項目の記事)
- 発注者には書面明示と60日以内の支払いの義務がある(フリーランス新法を分かりやすくの記事)
- 未払いの回収(フリーランスの報酬未払いの記事)、単価の上げ方(フリーランスの単価の上げ方の記事)
消費税を決める
- 登録すべきかは取引先で決まる。2割特例は2026年9月まで(インボイスをフリーランス向けに分かりやすくの記事)
- 2027年分から簡易課税にするなら2026年12月31日までに届出(簡易課税制度とはの記事)
ここまでのまとめ
・①副業|所得20万超で確定申告。住民税は自分で納付に
・②準備|資金は生活費6ヶ月+後払いの税保険料+初期費用。開業届・青色・会計ソフト・保険
・③初年度|国保と任意継続の比較、年金の免除、6月の住民税、2年目の予定納税
⑤ 将来の積立
- 自分で作る退職金。掛金は全額控除、20年未満の任意解約は元本割れ(小規模企業共済とはの記事)
- 年金の差は月8万。付加年金→共済→iDeCoの順で、月3〜5万で埋まる(フリーランスの老後資金の記事)
- 会社員の退職金の平均と、受け取る時の税金(退職金の平均の記事、退職金の税金の早見表の記事)
- 法人化の時期(法人化のタイミングの記事)
会社員のまま転職する人のお金
独立しない人にも、同じ計算が要る場面がある。
- 提示年収を手取りに直す(年収別の手取り早見表の記事)
- 転職した年のふるさと納税(ふるさと納税は転職した年にどうなるかの記事)
- iDeCoと企業型DCの手続き(iDeCoは転職したらどうなるかの記事)
- 休職中の収入(傷病手当金はいくらもらえるかの記事)
- 退職後の手続き全体(退職後の手続き完全ガイド)
数字の前提
手取りと税の記事は、2026年(令和8年)分の所得税(令和8年度税制改正後の基礎控除104万円・給与所得控除の最低74万円)、令和8年度の住民税、2025年度の協会けんぽ(東京都)と東京23区の国民健康保険、国民年金月17,920円、青色申告65万控除を前提に計算している。自治体と家族構成で前後するので、±数万円の目安として読む。公的データの記事は厚生労働省・総務省・国税庁の原典から転記している(転職の判断に使う公的データ一覧)。
私は会社員の副業から始めて、副業の収入が給与を超える月が出てから独立し、今はフリーランス4年目だ。この5段階を順番に通ったが、③の初年度の税と保険料だけは、知らずに通った。売上と関係なく来る額を、退職前に計算していなかった。この記事の順番は、その時に欲しかった順番だ。
よくある誤解
「独立したら税金は減る」。会社が半分払っていた社会保険料がなくなり、国保は所得比例で上がる。同じ額なら手取りは会社員より2割前後少ない。
「お金の話は稼いでから考えればいい」。③の初年度の支払いは、稼ぐ前に来る。順番が逆だ。
請求書と屋号・口座の実務
請求書は宛名・発行者・番号・発行日・内容・金額(税抜/消費税/税込)・支払期日・振込先・登録番号の9項目で完成し、源泉徴収の仕事は税抜額×10.21%を引いた差引額を書く(フリーランスの請求書の書き方の記事)。屋号は任意で後から変えられ、口座とカードを事業専用に分けるだけで帳簿がほぼ自動になる(屋号の決め方と事業用口座の記事)。
失業保険をもらいながら働く時の線
受給中の副業・アルバイトは週20時間未満で申告すれば認められ、1日4時間以上働いた日は手当が後ろに繰り越され、4時間未満の日は収入−1,354円+日額が賃金日額の80%を超えた分だけ減額される。業務委託やブログ収入も申告対象で、開業届を出すと止まり、隠すと3倍返しになる。判定と減額の式は失業保険をもらいながら副業・アルバイトはできるかの記事で書いた。
早く決まった人の再就職手当
受給中に早く就職すると、残日数×日額×70%(残3分の2以上)か60%を一括で受け取れる。給付日数90日で残60日・日額6,000円なら25.2万円。条件は待期後・残日数3分の1以上・1年超の雇用・雇用保険加入など7つで、自己都合の給付制限中の1ヶ月は紹介経由が条件になり、フリーランス開業も対象だ。計算例と申請の期限1ヶ月は再就職手当はいくらもらえるかの記事で書いた。
よくある質問
副業のまま、独立しない選択はありますか?
ある。副業フリーランスは48万人いて、本業フリーランスの4分の1弱。会社員の保障を持ったまま、副業で受注実績を積む形は、統計上も多数派の入口だ。
法人と個人事業主のどちらで独立すべきですか?
売上800〜1,000万円までは個人事業主で始め、超えたあたりで法人化を検討する。設立費用と維持費が年30〜50万円かかるので、その分を上回る節税効果が出る所得になってからでいい。
独立の資料をLINEで無料配布中
5段階ごとの決めることチェック表(副業・準備・初年度・稼ぐ・将来の各項目と、該当記事の一覧つき)を公式LINEで無料配布している。今いる段階から、1つずつ決めよう。

