青色申告をすると決めた。会計ソフトが要るらしいが、freee・弥生・マネーフォワードのどれがいいのか、料金は違うのか、そもそも自分に必要なのかが分からない。
3つの違いは、機能より操作の考え方と初年度の料金だ。3つとも65万控除に対応している。差は操作感と初年度の料金だ。タイプ別に答えを分ける。
先に一文で。freee・弥生・マネーフォワードはどれも青色申告65万控除・口座連携・スマホ入力・e-Taxに対応し、簿記を知らない人はfreee、簿記の経験がある人か初年度を安く始めたい人は弥生、家計簿や法人化と連携させたい人はマネーフォワードが向き、料金は年1万〜2.5万前後、無料期間で1ヶ月分を入力して決める。
この記事の要点
- 3つとも65万控除・口座連携・スマホ・e-Tax・消費税に対応
- freee=質問形式で簿記不要。弥生=伝票形式で初年度無料あり。MF=仕訳形式で連携が広い
- 料金は年1万〜2.5万。65万控除の効果(年10万以上)で回収できる
- 副業で年50万以下ならExcelで足りる
3つの比較表
料金は2025〜2026年の公表価格の目安(税抜)で、キャンペーンとプランで変わる。契約前に公式サイトで確認する。
| freee会計(個人) | やよいの青色申告オンライン | マネーフォワード クラウド確定申告 | |
|---|---|---|---|
| 入力の考え方 | 質問に答える形式。簿記の用語が出ない | 伝票形式。簿記の流れに近い | 仕訳形式。簿記の用語で入力 |
| 向いている人 | 初めての人、簿記を知らない人 | 簿記や会計ソフトの経験がある人、初年度を安く | 家計簿アプリ利用者、法人化を見据える人 |
| 料金の目安(年) | 約1.2万〜2.4万円 | 約1万〜1.7万円(初年度無料のプランあり) | 約1.1万〜1.5万円 |
| 青色申告65万控除 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 口座・カード連携 | 対応 | 対応 | 対応 |
| スマホアプリ | 対応(入力・レシート撮影) | 対応 | 対応 |
| e-Tax申告 | ソフトから送信 | ソフトから送信 | ソフトから送信 |
| 消費税(インボイス・簡易課税) | 対応 | 対応 | 対応 |
| 請求書作成 | 同一プランに含む | 別サービス(連携あり) | 同一プランに含む |
| サポート | チャット・メール(プランによる) | 電話・チャット(プランによる) | チャット・メール(プランによる) |
| 法人化した時 | freee会計(法人)へ移行 | 弥生会計へ移行 | クラウド会計(法人)へ移行 |
タイプ別の答え
1、簿記を知らず、初めて確定申告する|freee。「何に使った」を選ぶだけで仕訳が作られる。簿記の勉強をせずに65万控除の帳簿ができる。
2、簿記3級程度の知識があるか、前に会計ソフトを使った|弥生。伝票形式で早く、初年度無料のプランで始めて、2年目に続けるか決められる。
3、家計簿アプリのマネーフォワードを使っている、法人化を1〜2年で考えている|マネーフォワード。個人の口座管理と事業の帳簿を同じ画面で扱え、法人化した時の移行が滑らかだ。
4、副業で年数十万円|会計ソフトは不要。白色か青色10万円控除で、Excelと確定申告書等作成コーナーで足りる(副業の確定申告はいくらからかの記事)。
65万控除の効果で料金は回収できる
会計ソフトの年1万〜2.5万円に対し、青色申告65万円控除の効果は所得200万円で年約17万円、500万円で約27万円(青色申告とはの記事)。控除の条件(複式簿記・e-Tax)を満たすためにソフトを使うと考えれば、費用は1ヶ月で回収できる。ソフト代は経費になる。
無料期間の使い方
3つとも無料で試せる期間かプランがある。試す時は、直近1ヶ月分の取引を実際に入力する。口座を連携して自動で取り込まれた取引を、経費の種類に分ける作業を一度やれば、操作感が合うかは分かる。デモ画面を眺めるだけでは分からない。
途中で乗り換える時
年の途中の乗り換えは、仕訳データのCSV書き出しと取り込みで移せるが、勘定科目の対応づけに手間がかかる。乗り換えるなら年明けの1月に、前年分の申告を旧ソフトで終えてからにする。
消費税の申告
インボイスに登録した人は、所得税の確定申告と別に消費税の申告が要る。3つとも2割特例・簡易課税・原則課税の申告書に対応している。簡易課税に切り替える年は、ソフトの設定で課税方式を変える(簡易課税制度とはの記事)。
開業届と一緒に始める
開業届と青色申告承認申請書は、会計ソフトと同じ会社が無料の作成ツールを出している。書類を作ってから会計ソフトに進むと、事業内容や屋号がそのまま引き継がれる。
*クリックすると公式サイトが開く。開業届と青色申告承認申請書を無料で作成できるサービスで、e-Taxへの提出まで進められる。*
利用の流れ|① 屋号・住所・事業内容を入力する(10分) → ② 開業届と青色申告承認申請書が作成される → ③ e-Taxか印刷して税務署へ出す
出し方の全体は開業届の出し方の記事で書いた。
私は独立した年に、口座とカードを連携させる形で会計ソフトを使い始めた。入力は月に1度、自動で取り込まれた取引を経費の種類に分けるだけで、1時間で終わる。簿記は知らないまま65万控除の帳簿ができている。ソフトの差より、口座連携を最初に設定するかどうかの差のほうが大きかった。
よくある誤解
「会計ソフトは経理が分かる人向け」。逆で、簿記を知らない人のために質問形式のソフトがある。分かる人は伝票形式のほうが早いだけだ。
「無料のソフトで十分」。無料プランは申告書の作成やe-Tax送信に制限があることが多い。65万控除を使うなら、年1万円台の有料プランで時間を買う。
独立・副業・お金の全体像
副業の申告→独立の資金と手続き→初年度の税と保険→稼ぎ方と手取り→将来の積立の5段階で、今いる段階の記事だけ読めばいい。全体は独立・副業・お金の完全ガイドにまとめた。
請求書と屋号・口座の実務
請求書は宛名・発行者・番号・発行日・内容・金額(税抜/消費税/税込)・支払期日・振込先・登録番号の9項目で完成し、源泉徴収の仕事は税抜額×10.21%を引いた差引額を書く(フリーランスの請求書の書き方の記事)。屋号は任意で後から変えられ、口座とカードを事業専用に分けるだけで帳簿がほぼ自動になる(屋号の決め方と事業用口座の記事)。
よくある質問
税理士に頼む場合は会計ソフトは要りませんか?
税理士も会計ソフトのデータで作業するので、要る。税理士と同じソフトを使うとデータの受け渡しが楽になる。売上1,000万円を超えるまでは、ソフト+自分で申告する人が多い。
スマホだけで確定申告まで終わりますか?
3つともスマホアプリで入力・レシート撮影ができ、e-Tax送信もマイナンバーカードとスマホで完結する。パソコンがなくても終わる。
独立の資料をLINEで無料配布中
会計ソフトのタイプ別の選び方と、初年度の設定チェック表(口座連携・勘定科目・消費税の設定の3段階)を公式LINEで無料配布している。ソフトの差より、最初の設定で決まる。


