初めての請求書を出す。何を書けばいいのか、消費税は乗せていいのか、源泉徴収という欄は要るのか、テンプレートを探しても書き方が微妙に違う。
必須の項目は9つで、迷うのは2行だけだ。請求書は9項目で完成する。迷うのは消費税と源泉の2行だけだ。テンプレートの形で書く。
先に一文で。請求書は宛名・発行者・番号・発行日・内容・金額(税抜/消費税/税込)・支払期日・振込先・インボイス番号の9項目で完成し、消費税は税率ごとに分けて書き、源泉徴収の対象の仕事は10.21%を引いた差引額を示し、交通費は報酬と分け、支払期日は納品から60日以内にする。
この記事の要点
- 9項目|宛名・発行者・番号・発行日・内容・金額・支払期日・振込先・登録番号
- 金額は税抜・消費税・税込の3行に分ける
- 源泉徴収の仕事は、税抜額×10.21%を引いた差引額を書く
- 押印不要。PDFで送る。支払期日は60日以内
テンプレート
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請求書
請求書番号|2026-09-001
発行日|2026年9月30日
株式会社◯◯ 御中
(△△部 □□様)
下記のとおりご請求申し上げます。
品名 数量 単価 金額
Webサイト制作(トップ+下層5P) 1式 300,000円 300,000円
交通費(実費) 3,200円
小計(税抜) 303,200円
消費税(10%) 30,320円
合計(税込) 333,520円
お支払期日|2026年10月31日
お振込先|◯◯銀行 △△支店 普通 1234567 ヤマダ タロウ
※振込手数料は貴社にてご負担をお願いいたします。
発行者|山田太郎(屋号:◯◯デザイン)
〒100-0000 東京都◯◯区◯◯1-2-3
電話|090-0000-0000 メール|xxx@example.com
登録番号|T1234567890123
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9項目の書き方
| 項目 | 書き方 | 迷いやすい点 |
|---|---|---|
| 1、宛名 | 取引先の正式名称+御中。担当者名があれば「様」 | 「御中」と「様」は併用しない。部署御中+担当者様は可 |
| 2、発行者 | 名前(屋号)・住所・電話かメール | 屋号だけでなく本名も書く(振込名義と一致させる) |
| 3、請求書番号 | 年月+連番など | 重複しなければ形式は自由。会計ソフトなら自動 |
| 4、発行日 | 取引先の締め日に合わせる | 納品日でなく、請求書を出す日 |
| 5、取引内容 | 品名・数量・単価。発注書の名称と揃える | 「一式」だけだと内容が分からない。括弧で範囲を書く |
| 6、金額 | 税抜小計・消費税・税込合計の3行 | 税込だけ書くと消費税分が不明になる |
| 7、支払期日 | 契約で決めた日。納品から60日以内 | 月末締め翌々月末は60日を超えることがある |
| 8、振込先 | 銀行・支店・種別・番号・名義(カナ) | 手数料の負担は契約に従い、一文添える |
| 9、登録番号 | T+13桁(登録者のみ) | 未登録なら書かない。書くと虚偽になる |
消費税の行
免税事業者でもインボイス登録者でも、消費税は税抜額の10%を分けて書く。税込だけの請求書は、取引先が経理で処理しにくい。軽減税率(8%)の取引が混ざる場合は税率ごとに分ける。
インボイス登録者は、税率ごとの消費税額と登録番号が必須になる。未登録の場合は登録番号を書かず、消費税の行はそのまま書いてよい(取引先の仕入税額控除は経過措置の分だけになる)。登録するかどうかの判断はインボイスをフリーランス向けに分かりやすくの記事で書いた。
源泉徴収の行
原稿料・デザイン料・講演料・翻訳料・士業の報酬など、所得税法で定められた報酬は、支払側が10.21%を源泉徴収する。請求書に次の2行を足す。
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小計(税抜) 100,000円
消費税(10%) 10,000円
合計(税込) 110,000円
源泉徴収税額(10.21%) −10,210円
差引請求額 99,790円
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- 源泉徴収税額は税抜額×10.21%(消費税を分けて書いていれば税抜が基準。税込で計算する取引先もある)
- 1回の支払いが100万円を超える部分は20.42%
- 引かれた分は所得税の前払いで、確定申告で精算される
対象になるかは取引先の判断で決まるので、初回は「源泉徴収の対象になりますか」と聞いてから書く。手取りへの影響は業務委託の手取り計算の記事で書いた。
交通費と立替金
交通費・宿泊費・材料費の実費を請求する場合、報酬と別の行に書く。消費税は、交通費も課税取引なので10%を乗せる(取引先によっては税込の実費をそのまま請求する運用もある。契約で揃える)。領収書のコピーを添えるかは取引先の指示に従う。源泉徴収は交通費にはかからない扱いが一般的だが、取引先の処理に合わせる。
支払期日
契約書か発注書で決めた期日を書く。決めていない場合は、フリーランス新法で納品から60日以内が上限になるので、「月末締め翌月末払い」が安全な形だ。翌々月末は60日を超える月がある。期日を過ぎた時の催促はフリーランス新法を分かりやすくの記事、契約書での決め方は業務委託契約書のチェック項目の記事で書いた。
送り方と保存
- 形式|PDF。ExcelやWordのまま送らない。押印は不要
- 送り方|メール添付が標準。件名に「請求書(◯月分・山田太郎)」
- 控え|発行した請求書は7年保存(青色申告)。電子で発行したものは電子のまま保存する義務がある
- 会計ソフト|請求書の作成と帳簿の売上計上が連動する。番号の管理も自動になる(個人事業主の会計ソフトの比較の記事)
私が最初に出した請求書は、税込の合計しか書いていなかった。取引先の経理から「税抜と消費税を分けてください」と差し戻され、その日のうちに直した。迷う行は2つだけで、あとは決まった形だ。一度テンプレートを作れば、2回目からは数字を変えるだけになる。
よくある誤解
「フリーランスは消費税を請求できない」。免税事業者でも請求できる。請求した消費税を納めないだけだ。
「源泉徴収されたら手取りが減る」。所得税の前払いで、確定申告で精算される。振込額で手取りを判断しない。
よくある質問
請求書に印鑑は要りますか?
法律上は不要で、PDFで送るのが標準になっている。取引先が押印を求める場合だけ、印影の画像を入れる。
月をまたぐ仕事はいつ請求しますか?
契約で「納品時」か「月末締め」かを決める。継続の仕事は月末締めで翌月初に発行し、単発の仕事は納品・検収の後に発行する。
独立の資料をLINEで無料配布中
請求書のテンプレート(通常・源泉徴収あり・インボイス未登録の3型)を公式LINEで無料配布している。9項目を1回作れば、2回目からは数字を変えるだけだ。

