転職した年もふるさと納税をしたい。でも年収が途中で変わっているし、退職金も入った。上限をどう計算すればいいのか、ワンストップは使えるのか、面倒で去年は見送った。

上限は1〜12月の合計年収で決まる。それだけ押さえれば、転職した年も普通の年と同じだ。転職した年の上限は、前職+現職の合計年収で決まる

先に一文で。転職した年のふるさと納税の上限は前職と現職の給与を足した1〜12月の年収で決まり、退職金と失業保険は入らず、ワンストップ特例は転職先で年末調整を受けて確定申告をしないなら使え、年内に再就職しない人や確定申告する人は確定申告で寄附金控除を申告する。

この記事の要点

  • 上限|前職+現職の合計年収で計算。退職金・失業保険は入らない
  • ワンストップ|転職先で年末調整を受けて確定申告しないなら可
  • 年内に再就職しない・確定申告する人は、確定申告で控除
  • 12月に合計年収を確認してから寄附する

上限の計算。合計年収で見る

ふるさと納税の上限(自己負担2,000円で済む額)は、その年の住民税所得割の約2割が目安で、年収と家族構成で決まる。転職した年は、前職と現職の給与を足す。

その年の合計年収上限の目安(独身・共働き、扶養なし)上限の目安(配偶者を扶養)
300万円約2.8万円約1.9万円
400万円約4.2万円約3.3万円
500万円約6.1万円約4.9万円
600万円約7.7万円約6.9万円
700万円約10.8万円約8.6万円
800万円約12.9万円約12.0万円
1,000万円約17.6万円約16.6万円

総務省の目安表をもとにした概算で、社会保険料や他の控除で前後する。転職した年は、前職の年収でなく合計で見る

転職の形ごとの上限の動き方

転職の形合計年収上限
空白なしで同じ年収帯へ前年とほぼ同じ前年と同じ目安
空白なしで年収が上がった前職分+現職分(上がった分は入社月以降だけ)前年より少し上
空白3ヶ月で年収が下がった前職分(数ヶ月)+現職分(数ヶ月)前年より下がる
年内に再就職しない前職の1〜退職月の給与だけ大きく下がる
退職金を受け取った上限の計算に入らない(分離課税)影響なし
失業保険を受け取った入らない(非課税)影響なし

空白期間があった年は、前年の感覚で寄附すると超える。超えた分は自己負担になるので、12月に両方の給与明細で合計を出してから寄附する。年収別の手取りとの関係は年収別の手取り早見表の記事で書いた。

ワンストップ特例が使えるか

状況ワンストップ手続き
転職先で年末調整を受け、確定申告しない使える寄附先5自治体以内。申請書を翌年1月10日必着で自治体へ
年内に再就職せず、年末調整を受けない使えない確定申告で寄附金控除
2ヶ所以上の給与で、年末調整されない分がある使えない確定申告
医療費控除・副業の所得で確定申告する使えない(申請していても無効)確定申告に寄附を含める
転職で住所が変わった使える申請書の住所変更届を自治体へ

転職先で年末調整を受けるには、前職の源泉徴収票を転職先に出す。出し忘れると年末調整されず、確定申告が要る(転職した年の年末調整の記事)。

確定申告で控除する場合

  1. 寄附先から届く寄附金受領証明書を保管する(ポータルサイトの「寄附金控除に関する証明書」で1枚にまとめられる)
  2. 翌年2月16日〜3月15日に、確定申告書の寄附金控除の欄に合計額を入れる
  3. 所得税は還付、住民税は翌年6月からの住民税で減額される

ワンストップと違い、所得税の分は還付金として振り込まれ、住民税の分は翌年の住民税から引かれる。合計の控除額は同じだ。

控除される時期

寄附した翌年の6月から、住民税が12回に分けて減る形で戻る。転職した年に寄附した分は、転職先の給与から引かれる住民税が減るので、翌年6月の住民税決定通知で確認する。年内に再就職せず普通徴収になった人は、納付書の額が減る。退職後の住民税の仕組みは退職後の住民税はいくらかの記事で書いた。

12月に転職が決まった時

12月の駆け込みで寄附する場合、上限は変わらないが、ワンストップの申請書が翌年1月10日必着なので、12月末の寄附は申請が間に合わないことがある。間に合わなければ確定申告に切り替えれば控除は受けられる。寄附自体は12月31日の決済完了分までがその年の分になる。

私は転職の年にふるさと納税の上限を前職の年収で計算して、空白期間の分だけ超えたことがある。超えた分は寄附として自己負担になるだけで損は数千円だったが、合計年収で計算する、という一点を知らなかっただけの話だ。転職した年は、12月に合計を出してから寄附する。それで終わる。

よくある誤解

「転職した年はふるさと納税できない」。できる。上限の計算を合計年収でするだけだ。

「退職金が入ったから上限が上がる」。退職金は分離課税で、上限の計算には入らない。上がらない。

独立・副業・お金の全体像

副業の申告→独立の資金と手続き→初年度の税と保険→稼ぎ方と手取り→将来の積立の5段階で、今いる段階の記事だけ読めばいい。全体は独立・副業・お金の完全ガイドにまとめた。

住民税の年収別早見表

住民税は前年所得の所得割10%+均等割5,000円で、年収300万なら年約11.7万・500万なら約24.2万・800万なら約45.4万、扶養1人で約3.3万減り、単身は年収110万以下で非課税。扶養別の早見表と決定通知書の確認方法は住民税はいくらかの記事で書いた。

会社員でも確定申告が必要な人

副業所得20万超・年収2,000万超・2ヶ所給与・年の途中の退職は確定申告が必要で、医療費10万超・ふるさと納税6自治体超・住宅ローン初年度・控除の申告忘れは申告すると戻る。還付だけの申告は5年間できる。判定表とe-Taxの手順は会社員でも確定申告が必要な人の記事で書いた。

よくある質問

前職と現職のどちらの住民税から引かれますか?

翌年6月時点で在籍している会社の給与から引かれる住民税が減る。前職は関係ない。

転職先が決まる前に寄附してもいいですか?

いい。上限は年末の合計年収で決まるので、年内に再就職しない可能性があるなら、上限を低めに見て寄附し、12月に追加する。

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