一人社長になった。役員報酬をいくらにすればいいのか。高くすべきか、低くすべきか。途中で変えられるのか。決めた後に売上が落ちたらどうなるのか。

先に言う。役員報酬は年度の始めに1回だけ決めて動かせない。決め方を間違えると1年引きずる。4つの基準、決める時期と変えられない理由、高くする人と低くする人の分岐、売上が落ちた時、失敗する決め方を書く。額は個別で違うので、税理士に試算してもらう前提で。

先に一文で。一人社長の役員報酬は生活費・社会保険料・法人と個人の税の分岐・売上の見通しの4つで決め、定期同額給与として年度の始めから3ヶ月以内に決めて途中で変えると原則損金にできず、扶養や個人で使う額が大きい人は高く法人に残したい人は低くし、売上が落ちた時は法人に残した額を原資にするので、前年でなく今年の見通しの低めで決めて税理士に試算してもらうのが正解だ。

この記事の要点

  • 基準は4つ。生活費・社会保険料・税の分岐・売上の見通し
  • 年度の始めに決めて、途中で変えない
  • 高くするか低くするかは、扶養と法人に残す意思で分かれる
  • 前年でなく、今年の見通しの低めで決める

いくらにするかの4つの基準

基準見ること
生活費個人で毎月要る額。これを下回る額にはできない
社会保険料役員報酬で決まる。実質全額自分で払う
税の分岐高いと個人の税が増え、低いと法人の税が増える
売上の見通し年度の売上で払える額。前年でなく今年

年収の全体の決まり方は一人社長の年収の現実、社会保険の中身は一人社長の健康保険と社会保険の手続きへ。

決める時期と変えられない理由

項目中身
仕組み定期同額給与。毎月同じ額
決める時期年度の始めから3ヶ月以内
途中で上げる上げた分は原則損金にできない
途中で下げる業績の著しい悪化などの事情がないと認められにくい

年度の始めの1回で決める前提で、売上の見通しを立てる。

高くする人と低くする人の分岐

高くする低くする
扶養家族がいて、個人の控除を使いたい法人に残して翌年の余裕にしたい
個人で使う額が大きい社会保険料を抑えたい
個人の信用(ローン・審査)を作りたい法人の信用を作りたい

社会保険料と役員報酬の関係はマイクロ法人の社会保険と節税へ。

決めた後に売上が落ちた時

  • 役員報酬は払い続ける。法人の利益が減り、赤字に向かう
  • 赤字でも法人住民税の均等割は払う
  • 前年に法人に残した額が原資になる
  • 翌年度の役員報酬で見直す

失敗する決め方

何が起きるか
前年の売上で高く決める今年の売上が落ちて法人が赤字
節税だけで低くする生活費が足りず、法人から借りる形になる
途中で上げる損金にできず、税が増える
税理士なしで決める分岐を見落とす

私は沖縄で一人の会社を回している。役員報酬は、今年の見通しの低めで決めて、法人に残す額を翌年の余裕にしている。税金の全体は一人社長の税金の基本へ。

よくある質問

役員報酬をゼロにできる?

できる。ただし社会保険に入らず、国保と国民年金に自分で入る。生活費は法人から借りる形になり、後で返す。

役員報酬に賞与は出せる?

事前に届出をした賞与(事前確定届出給与)なら損金にできる。届出なしの賞与は損金にできない。税理士と確認する。

役員報酬は月いくらが多い?

人で違い、平均は当てにならない。4つの基準を自分の数字で試算する。