自己分析をやれと言われて本を開いたら、自分史を書け、モチベーショングラフを描けと出てきた。正直、終わる気がしない。もっと簡単な方法はないのか。

ある。自己分析の目的を「自分の完全理解」から「選考で話す材料集め」に置き直せば、3問と診断で骨が立つ。その手順だけを書く。

この記事の要点

  • 目的は自分探しではなく、ESと面接の材料集めだ
  • 3問の棚卸し(続いたこと・褒められたこと・嫌だったこと)で骨を作る
  • 無料の適性診断で、強みの言葉を借りて補強する
  • 完璧を目指すと沼になる。7割で選考に出て、面接で磨く

前提。自己分析の沼にはまる理由

自己分析で止まる人は、真面目な人だ。自分とは何か、本当にやりたいことは何か。この問いは答えの出ない設問で、ここに向かうと何週間でも溶ける。

企業があなたに聞くことは、もっと具体的だ。何をやってきたか。何が得意か。なぜうちなのか。この3つに答える材料が揃えば、選考は進む。つまり自己分析は哲学ではなく、在庫の棚卸しだ。棚卸しなら、手順で終わる。

手順1。3問に答える(30分)

紙でもスマホでもいい。次の3問に、思いつく限り書き出す。

問1、長く続いたことは何か。バイト、部活、趣味、ゲームでもいい。続いた事実は、あなたの適性の一番正直なデータだ。なぜ続いたか(楽しかった部分はどこか)も一言添える。

問2、人から褒められた・頼られたことは何か。自分では当たり前にやっていることほど、強みは自覚できない。他人の反応は、外から見えたあなたの強みの記録だ。「シフトの調整をよく頼まれた」「ノートを貸してと言われた」。小さいものほど書く。

問3、やっていて嫌だったこと・逃げたことは何か。向いていない方向のデータで、実は一番実用的だ。嫌だったことの共通点は、避けるべき仕事の条件にそのまま変換できる。

書き出したら、それぞれに固有名詞と数字(どこで・何人で・どのくらい)を足す。この時点で、ESのガクチカと自己PRの原材料は揃っている。材料が見つからないと感じる人はガクチカがないのは普通だで掘り起こしの場所から書いた。

手順2。適性診断で言葉を借りる(30分)

3問の答えは、あなたの中では事実の羅列だ。これを選考で使える言葉にするのに、無料の適性診断を使って語彙を借りるのが一番早い。

診断結果には「粘り強さ」「調整力」「分析志向」のような強みの言葉が並ぶ。3問の答えと診断の言葉を突き合わせて、両方に出てきたものがあなたの主力だ。自分の記憶と外部の診断が一致した強みは、面接で突っ込まれても事実で支えられる。

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登録後の流れ|① 基本情報を登録する(数分) → ② 適性診断を受ける(30分弱) → ③ 結果の言葉を3問の答えと突き合わせる

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診断を受けたら、そのままプロフィールも書いてしまうといい。書く先があると棚卸しは進むし、書いた内容への企業の反応(オファー)が、自己分析の答え合わせになる。書き方の型はプロフィールの書き方にまとめた。

手順3。1枚に集約する(30分)

最後に、A4かスマホのメモ1枚に集約する。書くのは4行だ。

  1. 主力の強み(3問と診断の一致点)と、それを示す代表エピソード1つ
  2. サブの強みと、エピソード1つ
  3. 避けたい条件(問3の共通点)
  4. 向いていそうな方向の仮説(強みが使えて、避けたい条件がない仕事の型)

この1枚が、ES・プロフィール・面接の全部の土台になる。合計90分。自己分析はこれで骨が立つ。

やりすぎの線引き。7割で出て、面接で磨く

大事なことを最後に言う。自己分析は、選考に出る前に完成させるものではない。

面接で聞かれ、答えに詰まり、帰り道に言葉を直す。この往復こそが一番密度の高い自己分析で、机の上の分析10時間より、面接1回の方が自己理解は進む。だから、1枚ができたら7割の完成度で選考に出ていい。

自分史やモチベーショングラフのような重い手法を否定はしない。時間に余裕のある時期の深掘りには価値がある。だが、選考が近い人・出遅れた人がやるべきは、90分の骨組みと実戦での修正の方だ(出遅れ組の全体の動き方は何もしていない大学3年の冬に書いた)。分析のための分析に時間を溶かさないこと。それがこの記事で一番言いたいことなんよ。

よくある質問

強みが本当に何もない気がします。

強みの基準を「人より優れていること」に置くから見つからない。基準を「自分の中で相対的にましなこと・苦にならないこと」に下げる。企業が新卒に求めているのは即戦力の能力ではなく、伸びる方向の仮説だ。

診断結果が自分の感覚と違います。どちらを信じるべきですか?

どちらも捨てない。感覚と診断がズレた項目は、面接で聞かれた時に一番答えに窮する場所だから、先に「自分ではこう思うが、診断ではこう出た。実際の行動はこうだった」と事実で確かめておく。ズレの検証自体が深い自己分析になる。

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