専門実践教育訓練を使おうとして調べると、聞き慣れない言葉が2つ出てくる。ジョブ・カードと、キャリアコンサルティング。
面倒そうだ、と思ったはずだ。確かに手続きとしては面倒だ。だが、この2つは無料でやる自己分析としてはかなり質が高い。中身と、面談で何を聞かれるかを先に書く。
この記事の要点
- ジョブ・カードは、職務経歴と方向性を書き出す国の様式だ
- 専門実践などでは、受講前の面談が手続きの要件になっている
- 聞かれるのは4点。経験・課題・受講の理由・修了後の行動
- 予約が要る。受講開始1ヶ月前の期限から逆算して早めに動け
ジョブ・カードの正体。職務経歴書の棚卸し版だ
ジョブ・カードは、国が用意した様式で、こういうことを書き出す。
- 職務経歴——どの会社で、何をやってきたか
- 学習歴・資格——学んできたこと、持っている資格
- 強みと課題——自分で認識している得意・不得意
- 今後の方向——これから何をしたいか、そのために何が必要か
要するに、職務経歴書の棚卸し版だ。応募用の書類のように盛る必要はなく、自分の現在地を整理するための紙になる。
だから、書類作成が苦手な人ほど、実はここで得をする。書き出す枠が最初から決まっているから、白紙から職務経歴書を書くよりずっと楽だ。職務経歴書に書くことがないと感じている人は、この様式を埋める作業がそのまま経歴の言語化の練習になる。
面談で聞かれる4点。準備すればすぐ終わる
キャリアコンサルティングは試験ではない。話しながら整理する場だ。ただし聞かれることは、ほぼこの4点に集約される。
- これまで何をやってきたか。職務経験の概要。ジョブ・カードに書いた内容の口頭説明になる
- 今、何に困っているか。年収なのか、キャリアの頭打ちなのか、業界の先行きなのか
- なぜその講座を受けたいのか。ここが一番掘られる。学ぶ内容と、あなたの課題が繋がっているか
- 修了後にどうしたいのか。転職するのか、今の会社で使うのか、独立なのか
3と4が曖昧だと、面談は長引く。そして正直に言うと、ここが答えられない状態なら、面談の問題ではなく講座選びを見直した方がいい合図だ。
逆に言えば、この4点を先に自分で言語化してから行けば、面談は驚くほどスムーズに終わる。そして、言語化されたこの4点は、そのまま転職の面接でも使える。無料で職務経歴の壁打ちをしてもらえる、と考えれば元は取れる。
手続き上の要点。予約と期限の逆算
実務で一番事故が起きるのはここだ。
- 面談は予約が必要になる。思い立った日に受けられるものではない
- 混み合う時期は数週間待つ場合がある。年度替わりや講座の開講前は特に混む
- 給付金の受給資格確認は、原則として受講開始日の1ヶ月前まで。面談はその手続きの前に済ませる必要がある
つまり、受講開始の2ヶ月前には面談の予約を取りにいくのが安全圏になる。「来月から始まる講座に申し込んでから手続きを調べる」は、ほぼ手遅れだ。この順番の事故はもらえないケースの全パターンでも筆頭に挙げた。
受給までの全手順とチェックリストは教育訓練給付金の完全解説にまとめてある。面談はその中の1工程にすぎないが、期限に一番絡む工程だと覚えておいてほしい。
面倒な手続きを、使える時間に変える
最後に、この記事で一番言いたいことを書く。
多くの人が、この面談を「給付金をもらうために我慢する手続き」として消化する。もったいない。
考えてみてほしい。キャリアの専門家と1時間、あなたの経歴と方向について話す機会が、無料で用意されている。転職エージェントの面談と違って、求人を売られる立場ではない。利害関係のない相手に、自分の経歴を整理してもらえる時間だ。
だから、持っていくものを1つ足してほしい。「この講座を受けた後、こういう仕事に就きたい」という仮説と、その根拠になる求人票を数枚。これがあるだけで、面談は手続きから相談に変わる。
- 求人票の要件と、受ける講座の内容が繋がっているかを見てもらえる
- 繋がっていなければ、その場で指摘してもらえる(これが一番価値がある)
- 修了後の動き方まで、道順として整理できる
面倒な関門だと思って受けるか、無料の壁打ちだと思って受けるか。同じ1時間で、持ち帰るものが変わるんよ。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
ジョブ・カードは手書きでないといけないのか
現在は電子的な様式で作成・保存できる仕組みが用意されている。手書きが必須というわけではない。ただし面談の場での提出方法や、ハローワークでの手続きの運用は窓口で異なる場合があるため、予約の際に「どの形式で持参すればいいか」を確認しておくと二度手間にならない。
一般教育訓練でも面談は必要か
必要な範囲は種類によって違う。専門実践教育訓練と特定一般教育訓練では受講前のキャリアコンサルティングが要件とされている一方、一般教育訓練ではこの工程がない場合がある。自分が受ける講座の区分によって手続きが変わるため、講座の区分を確定させてから手続きの内容を確認する順番が正しい。
職務経歴に空白期間がある場合、何と書けばいいか
事実を書けばいい。療養・育児・介護・求職活動。ジョブ・カードは選考書類ではなく整理の紙だから、空白を美化する必要はない。むしろ面談では、その期間に何を考え、何を得たかを話す方が有益になる。転職の面接で空白をどう説明するかの練習台としても、この面談は使える。利害関係のない相手に、まず1回話しておく。それだけで、本番の説明が驚くほど整理される。
面談で講座を反対されたらどうなるか
コンサルタントは受講の可否を決める審査官ではないから、反対されたから対象外になる、ということは基本的にない。ただし「その講座はあなたの目的と噛み合っていないのでは」という指摘が出ることはある。その指摘は、数十万円と数ヶ月を守ってくれる指摘だ。否定されたと感じるより、有料コンサルでもらうべき助言を無料でもらったと考える方が、あなたの得になる。
よくある質問
ジョブ・カードとは何ですか?
職務経歴・学習歴・強み・今後の方向を書き出す国の様式だ。専門実践などの給付金で、受講前の作成と面談が手続きの要件になっている。
キャリアコンサルティングでは何を聞かれますか?
経験・今の課題・受講の理由・修了後の行動の4点だ。試験ではなく整理の場だが、理由と行動が曖昧だと講座選びの見直し合図になる。
面談は有料ですか?時間はどのくらいかかりますか?
手続きとして受ける訓練対応の面談は無料で、1時間前後が目安だ。予約が要るため、受講開始の2ヶ月前から動くのが安全になる。
学び直しの段取り資料をLINEで無料配布中
面談前に埋めておく4点の整理シートを、公式LINEで無料配布している。手続きを、無料の壁打ちに変えてほしい。


