管理職になって、毎日が会議と調整と部下の面談で終わる。自分の成果が見えない。部下と上の間で削られる。辞めたい。だが降りると言えば評価が落ちるし、転職しても管理職を求められる気がする。
先に言う。管理職を降りる道は、3本ある。降格してプレイヤーに戻る、専門職に転じる、転職して管理職を外す。それぞれの伝え方、年収、選び方を書く。
先に一文で。管理職を辞めたいなら、降格してプレイヤーに戻る・専門職に転じる・転職で管理職を外すの3本から選び、降格は上司か人事に「管理より実務で成果を出したい」と伝えて役職手当と残業代の差額を先に計算し、転職なら専門職の求人に絞って管理経験を補助の実績として使うのが正解だ。
この記事の要点
- 道は3本。降格、専門職への転換、転職で管理職を外す
- 降格の年収減は役職手当分だが、残業代が戻るので差は小さいことが多い
- 降格は会社の期待を裏切る形になり、昇進の道は閉じやすい。覚悟して出す
- 転職なら、管理職前提の求人を避け、専門職の帯で管理経験を補助に使う
3本の道。比較
| 道 | 年収 | 会社との関係 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 降格してプレイヤーに戻る | 役職手当分が減るが、残業代が戻る | 期待を裏切った形になる。昇進の道は閉じやすい | 今の会社と業務は好きで、管理だけが合わない人 |
| 専門職に転じる | 専門職コースがある会社なら維持に近い | 会社の制度次第。コースがあれば自然 | 技術や専門性で評価されたい人 |
| 転職して管理職を外す | 管理職時より下がる前提。専門性で戻す | 関係はリセット | 今の会社の文化ごと変えたい人 |
降格の伝え方
直属の上司か人事に、理由と希望を短く伝える。
「管理業務が自分に合わず、成果が出せていないと感じています。専門職(プレイヤー)として実務で成果を出す形に戻したいと考えています。チームへの影響が最小になる時期と引き継ぎの形を相談させてください。」
人事の解説も揃っているが、管理職を辞めたほうが活躍できるなら、会社は認める可能性が高い。ただし降格願いは会社の期待を裏切る行為と見なされることがあり、その後の昇進の道はほぼ閉じる。戻った後に「やはり管理職に」は通らない。覚悟して出す。
年収の計算。役職手当と残業代
降格を怖がる理由の大半は年収だ。計算すると、思ったより小さいことが多い。
| 項目 | 管理職 | 降格後 |
|---|---|---|
| 役職手当 | 月3〜10万円 | 0 |
| 残業代 | 管理監督者として対象外のことが多い | 支給対象に戻る |
| 月20時間の残業がある場合 | 0 | 月4〜6万円程度(基本給30万円前後の場合) |
| 差額 | — | 役職手当の額より小さい。逆転する例もある |
残業がほぼない職場なら役職手当分が丸ごと減る。残業が月20時間以上なら、差は数万円か逆転だ。手取りの変化は年収別の手取り早見表で先に出す。管理職にならない選択の年収は管理職になりたくない人の年収に書いた。
転職で管理職を外す選び方
管理職を辞めたくて転職する人が陥るのは、管理経験を評価されて、また管理職の求人を紹介されることだ。避け方は3つ。
- 求人の職種を専門職・プレイヤー枠に絞る。「マネージャー候補」「将来の管理職として」の記載がある求人は避ける
- 面接で一貫して言う。「管理より実務で成果を出したい。管理の経験は、チームで動く時の調整に活かす」
- 年収は下がる前提で、戻す道筋を持つ。専門性が市場で評価される職種(IT・経理・法務・技術系)なら、数年で管理職時の水準に近づく
管理職の経験は消えない。補助の実績として使い、主役にしない。45歳で課長から動く場合の選び方は45歳の課長の転職へ。昇進を断る段階の人は昇進を断る方法、出世自体に興味がない人は出世したくない人の働き方に書いた。
女性・看護師など、降りやすい職種の事情
看護師の師長・主任、保育士のリーダー、販売の店長は、管理職を降りてプレイヤーに戻る例が比較的多い職種だ。理由は、現場の専門職としての価値が管理職と独立して評価されるからで、降格が経歴の傷になりにくい。逆に、総合職の課長が降格すると、次の昇進の道は閉じる。職種で事情が違うことを知った上で選ぶ。
3分で診断:辞めどき診断——管理職を辞めたいのが役職の問題か、会社の問題かを先に切り分ける。
管理経験を持ったまま、管理職でない求人を探すなら
管理職を外した求人は、公開求人では見分けにくい。管理経験者のレジュメを見て、専門職の帯で声をかけてくる企業やヘッドハンターから、条件の合う求人を受け取る型がある。
- 向いている人:管理職の経験があり、専門職かプレイヤー枠で年収500万円以上を狙う人。在職中で応募の手間を増やしたくない人
- 向かない人:年収400万円未満の帯の人、管理経験が1年未満の人。総合型のエージェントのほうが求人が合う
*クリックすると公式サイトが開く。レジュメを登録すると、ヘッドハンターや企業からスカウトが届く。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 経歴を登録し、希望職種を専門職・プレイヤー枠にする → ③ 届いたスカウトのうち、管理職前提でないものだけに返信する
レジュメの希望欄に「マネジメント職は希望しない」と書いておく。それだけで、届くスカウトの種類が変わる。
よくある質問
管理職を辞めたいと言ったら、退職を勧められませんか?
会社が降格を認めず退職を勧める場合はある。ただし降格願いを理由にした解雇はできない。認められなければ、転職の準備を並行する。勧められても、その場で決めない。
管理職を降りた後、部下だった人の下で働くのは気まずくないですか?
気まずい時期はある。ただし大半は3ヶ月で慣れる。気まずさより、管理業務から解放された側の変化のほうが大きいと感じる人が多い。耐えられない見込みなら、転職のほうが合う。
管理職を辞めたい理由が、部下との関係です
部下との関係だけが理由なら、異動で解決することがある。管理職のまま別の部署に移る道を、降格の前に確認する。
管理職を降りる判断シートをLINEで無料配布中
3本の道の比較表、役職手当と残業代の差額の計算シート、降格願いの伝え方の文面を公式LINEで無料配布している。降りる道は3本ある。年収を計算してから選んでほしい。



