会社が家族手当を廃止すると言ってきた。配偶者の分で月1万円以上減る。なぜ今なのか。勝手に減らしていいのか。転職先にも家族手当がない。
先に言う。家族手当は、減らされているのでなく、配り直されている。理由は3つで、廃止は不利益変更にあたるので説明と経過措置が要る。理由、法的な線、代わりに増えるもの、転職で見る点を書く。
先に一文で。家族手当の廃止は、同一労働同一賃金・共働きの増加・配偶者手当が就業調整の原因になっているという国の見直し要請の3つで進んでおり、廃止は不利益変更なので合理性と説明と経過措置が要り、多くは子ども手当の拡充や基本給への組み入れで補われるので、自分の家族構成で総額がどう変わるかを計算し、転職先は家族手当の有無でなく基本給と総額で比べるのが正解だ。
この記事の要点
- 理由は3つ。同一労働同一賃金、共働きの増加、配偶者手当の就業調整
- 廃止は不利益変更。合理性・説明・経過措置が要る
- 代わりは、子ども手当の拡充・基本給への組み入れ・全員への配り直し
- 転職先は家族手当の有無でなく、基本給と総額で比べる
廃止が進む理由。3つ
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 同一労働同一賃金 | 同じ仕事なのに、扶養家族の有無で賃金に差がつく合理性が問われる。正社員だけに家族手当を出し、契約社員に出さない扱いも問題になる |
| 共働きの増加 | 扶養する従業員だけを優遇する制度が、世帯の実態に合わなくなった |
| 配偶者手当の就業調整 | 配偶者の収入に条件(103万円・130万円)があると、配偶者がパートの収入を抑える原因になる。厚生労働省が労使で見直すよう求めている |
社労士や人事の解説が揃って書くのは、配偶者手当を廃止して子ども手当に振り替える型が大手から広がっていることだ。扶養の収入の線は健康保険の扶養の手続きと130万円に書いた。
廃止は不利益変更か
| 論点 | 答え |
|---|---|
| 不利益変更にあたるか | あたる。手当の廃止は賃金の引き下げ |
| 会社が一方的にできるか | 就業規則の変更で可能だが、合理性が要る |
| 合理性の中身 | 経営上の必要性、制度の公平性、代替措置、経過措置、従業員への説明と協議 |
| 説明も経過措置もない | 合理性を欠く。労働組合・労働基準監督署・労働局に相談できる |
| 代替の手当があり総額が大きく減らない | 合理性が認められやすい |
突然の廃止で、代替も経過措置もないなら、まず説明を求める。ある程度の代替と段階的な減額があるなら、法的に争うより、自分の総額がどう変わるかを計算して次を決める。
代わりに何が増えるか
| 型 | 中身 | 増える人・減る人 |
|---|---|---|
| 配偶者手当の廃止+子ども手当の拡充 | 配偶者分を消し、子ども1人あたりの額を上げる | 子どもがいる人は増えることも。配偶者だけ扶養の人は減る |
| 基本給への組み入れ | 家族手当の平均額を基本給に足す | 全員が増える。賞与・残業代の基礎にも入るので有利 |
| 原資の配り直し | 手当の総額を基本給の一律アップに | 独身・共働きは増え、扶養が多い人は減る |
| 経過措置つきの段階的廃止 | 3〜5年で減額 | 減る人の影響を緩める |
基本給への組み入れは、賞与と残業代の基礎に入るので、同じ額なら手当より基本給のほうが有利だ。基本給と手当の損得は基本給が低くて手当が多い会社へ。
廃止された時に確認すること
- 自分の総額の変化。説明資料で、廃止される額と、代わりに増える額を自分の家族構成で計算する
- 経過措置の期間。いつから、何年で、いくらずつ減るか
- 基本給への組み入れの有無。組み入れなら賞与と残業代の基礎が増える
- 説明と協議の記録。説明会の資料、労働組合との協議、社員への通知を残す
- 減る額が大きく、代替がないなら。労働組合か労働局に相談。転職の判断材料にもする
給与が上がらない会社を辞める判断の線は給料が上がらない会社を辞める判断に書いた。
転職で見る点
家族手当がない会社は、今後も増える。転職先を比べる時は、家族手当の有無でなく、基本給と総額で比べる。
| 見る | 理由 |
|---|---|
| 基本給の額と割合 | 賞与・退職金・残業代の基礎。家族手当より重い |
| 子ども手当の有無と額 | 家族手当の代わりに残ることが多い |
| 住宅手当の有無 | 家族手当と同じく見直しが進んでいる。住宅手当とはへ |
| 総額(年収)と昇給の仕組み | 手当は消えても、基本給と昇給は残る |
家族手当が月2万円ある会社と、ない代わりに基本給が2万円高い会社なら、後者が有利だ。
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よくある質問
家族手当の廃止に同意しないと、どうなりますか?
就業規則の変更は、合理性があれば同意しない人にも適用される。同意しないこと自体は自由で、不利益な扱いは禁止されている。合理性を争うなら、労働組合か労働局に相談する。
契約社員には家族手当がありません。差別ではないですか?
同一労働同一賃金の考え方で、正社員と契約社員の家族手当の差は、扶養の実態が同じなら不合理と判断された例がある。会社に説明を求められる。
家族手当を廃止する会社は、ブラックですか?
違う。廃止は大手から進んでいる流れで、代替と経過措置があれば、むしろ制度を整えている会社だ。ブラックの判断は、説明の有無と総額の変化で見る。
出典(一次資料)
- 厚生労働省「配偶者手当の見直し」「同一労働同一賃金ガイドライン」
- 労働契約法第9条・第10条(就業規則の変更による労働条件の不利益変更)
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