会社を辞めた。夫(妻)の扶養に入れると聞いたが、条件が分からない。失業保険をもらうと外れるとも聞いた。国民健康保険との違いも分からないまま、保険証がない状態で日が過ぎる。

失業保険の日額3,612円が線になる。失業保険の日額3,612円を超えると、扶養から外れる。条件と手続き、失業保険との関係、国保との比較を書く。

先に一文で。健康保険の扶養は、生計を一にし、これから1年の収入見込みが130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)で、同居なら被保険者の収入の半分未満なら入れて保険料はゼロ、退職して収入がゼロになれば翌日から入れるが、失業保険の日額3,612円以上は外れるので、給付制限中だけ扶養→受給中は国保→終了後に再び扶養、という出入りになる。

この記事の要点

  • 条件|これから1年の見込みが130万円未満(月108,333円)。60歳以上・障害者は180万円未満
  • 退職して収入ゼロなら、それまでの年収に関係なく翌日から入れる
  • 失業保険は収入に入る。日額3,612円以上で外れる
  • 保険料はゼロ。国保との差は年20〜50万円

扶養に入る条件

条件内容
生計被保険者(配偶者・親など)と生計を一にしている
収入これから1年の見込みが130万円未満(月108,333円未満)。60歳以上・障害厚生年金の受給要件に該当する障害者は180万円未満
同居被保険者の年間収入の2分の1未満
別居被保険者からの仕送り額より少ない

過去の実績でなく、これから先の見込みで判断される。年の途中で退職して収入がゼロになれば、それまでの年収が500万円でも翌日から入れる。

手続き

  1. 配偶者(被保険者)の勤務先を通じて健康保険被扶養者(異動)届を出す。事実が生じてから5日以内が原則
  2. 必要な書類|退職証明書か離職票のコピー、続柄が分かる戸籍謄本か住民票、マイナンバー、別居なら仕送りの証明
  3. 健保組合によっては、直近の給与明細や課税証明書も求められる
  4. 同時に、国民年金の第3号被保険者の届出(配偶者が会社員なら保険料がかからない)

離職票が届くまで10日前後かかるので、退職証明書を会社に頼んでおくと早い退職後の健康保険の記事離職票がもらえない時の記事)。

失業保険を受ける時の動き方

時期健康保険
退職〜給付制限(自己都合なら1ヶ月)扶養に入れる(収入がないため)
受給中(日額3,612円以上)扶養から外れる→国民健康保険と国民年金に切り替え
受給終了後再び扶養に入る

基本手当の日額は、月給20万円で約4,700円、月給30万円で約6,000円なので、フルタイムで働いていた人はほぼ3,612円を超える失業保険の日額早見表の記事)。60歳以上と障害者の線は日額5,000円。

健保組合によっては短期間の出入りを認めない運用もあるので、事前に確認する。面倒なら、受給期間中は国保にして、終わってから扶養に入る形でもいい。

扶養と国保・任意継続の比較

扶養(被扶養者)国民健康保険任意継続
保険料0円前年の所得で決まる(年収500万で退職なら年40万前後)退職時の標準報酬(上限あり)で決まる。全額自己負担
期間条件を満たす限り最長2年
手続き5日以内(勤務先経由)14日以内(市区町村)20日以内(健保)
家族家族も扶養に入れる世帯全員分の保険料家族も入れる(保険料は変わらない)

入れるなら扶養が一択。入れない場合の国保と任意継続の比較は国民健康保険が高い時の対策の記事で書いた。会社都合の離職なら国保の軽減がある(会社都合と自己都合の違いの記事)。

パートで働きながら入る場合

2026年10月から、社会保険の適用要件のうち月8.8万円(年106万円)の賃金要件が撤廃され、勤務先が従業員51人以上で週20時間以上働くと、年収に関係なく自分で社会保険に入ることになる。扶養に留まりたいなら、週20時間未満か、50人以下の勤務先を選ぶ形になる(年収の壁の一覧2026の記事副業のアルバイトで社会保険はどうなるかの記事)。

独立した人は入れるか

フリーランスも、収入の見込みが130万円未満なら扶養に入れる。健保組合によっては、事業収入から必要経費を引いた額で判定するところと、売上で判定するところがあるので、加入する健保の基準を確認する。開業届を出しただけでは外れない(フリーランスは保育園に入れるかの記事)。

私は独立してから国民健康保険に入っている。会社員時代は妻を扶養に入れていて、保険料が変わらないことに慣れていた。独立して国保になり、扶養という仕組みが会社員の健康保険にしかないことを実感した。辞める前に、家族の保険をどうするかを決めておく(独立前に会社員のうちにやることの記事)。

よくある誤解

「今年すでに130万円を超えているから入れない」。判定はこれから1年の見込み。退職して収入がゼロになれば入れる。

「失業保険は収入ではない」。健康保険の扶養では収入として扱われる。日額3,612円以上で外れる。

介護保険料はいくら引かれるか

介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から始まり、会社員は健康保険料に上乗せで本人負担が月給30万で約2,400円(賞与からも)、フリーランスは国保に介護分(東京23区は所得割2.36%+均等割16,600円)が上乗せ、65歳からは自治体の定額を年金天引き。40〜64歳が使えるのは16の特定疾病に限られる。額は介護保険料はいくら引かれるかの記事で書いた。

パートの社会保険は2026年10月から変わる

2026年10月から社会保険の加入要件のうち月8.8万円の賃金要件が撤廃され、週20時間以上・従業員51人以上なら年収に関係なく加入になる。月収10万円なら本人負担は月約1.4万円だが、厚生年金・傷病手当金・出産手当金が付く。扶養に留まるなら週20時間未満で、130万円の壁は残る。判断はパートの社会保険は2026年10月からどう変わるかの記事で書いた。

転職したら保険証はどうなるか

健康保険証は新規発行が終わり、今はマイナ保険証か資格確認書を使う。転職では会社が資格取得届を出せばカードはそのまま使えるが、反映まで数日から数週間かかることがあり、その間は資格情報のお知らせかマイナポータルの画面を見せるか、10割払って後から療養費で戻す。退職から入社まで空くなら任意継続・国保・扶養の3択だ。流れは転職したら保険証はどうなるかの記事で書いた。

よくある質問

親の扶養に入ることもできますか?

できる。生計を一にしていて、収入が130万円未満(同居なら親の収入の半分未満)なら、親の健康保険の被扶養者になれる。別居でも仕送りをしていれば対象になる。

扶養に入っている間、国民年金はどうなりますか?

配偶者が会社員(第2号被保険者)なら、第3号被保険者として保険料がかからない。親の扶養の場合は第3号にはならず、自分で国民年金を払う(免除の申請は可能)。

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