退職を決めた。失業保険が出ると聞いたが、月いくらになるのか。給与の何割なのか、上限があるのか、合計でいくらか。生活できる額かどうかで、辞める時期が変わる。

額は月給と年齢で決まり、2026年8月に改定された。失業保険は月給の5〜8割。月給30万なら1日6,307円、月19万。早見表と、合計の目安を書く。

先に一文で。失業保険の日額は退職前6ヶ月の月給÷30に50〜80%をかけた額で、月給20万で5,036円・30万で6,307円・40万で6,744円、上限は29歳以下7,450円・30〜44歳8,270円・45〜59歳9,110円、給付日数は自己都合で90〜150日・会社都合で90〜330日、月給30万・自己都合・勤続8年なら合計約57万になる。

この記事の要点

  • 日額=退職前6ヶ月の給与÷180×50〜80%。月給が低いほど率は高い
  • 月給20万→月15万、30万→19万、40万→20万。45万以上は上限
  • 上限|29歳以下7,450円・30〜44歳8,270円・45〜59歳9,110円・60〜64歳7,830円
  • 自己都合は90〜150日、会社都合は90〜330日。非課税

計算の仕組み

  1. 賃金日額|退職前6ヶ月の給与(残業代・手当を含む、賞与を除く)の合計÷180
  2. 給付率|賃金日額5,480円未満は80%、5,480〜13,490円は80%→50%へ段階的に下がる、13,490円超は50%(60〜64歳は45%)
  3. 上限・下限|年齢別の上限額で頭打ち。下限は全年齢2,562円

数字は厚生労働省の「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」によるもので、毎年8月に平均給与の増減で改定される。

月給別・年齢別の早見表(2026年8月改定)

月給は退職前6ヶ月の平均(賞与を除く)。

月給賃金日額29歳以下30〜44歳45〜59歳60〜64歳月の受取(30日分・30〜44歳)
18万円6,000円4,683円4,683円4,683円4,635円約14万円
20万円6,666円5,036円5,036円5,036円4,916円約15万円
25万円8,333円5,775円5,775円5,775円5,264円約17万円
30万円10,000円6,307円6,307円6,307円5,348円約19万円
35万円11,666円6,629円6,629円6,629円5,431円約20万円
40万円13,333円6,744円6,744円6,744円5,999円約20万円
45万円15,000円7,450円(上限)7,500円7,500円6,750円約22万円
50万円16,666円7,450円(上限)8,270円(上限)8,333円7,499円約25万円
60万円以上20,000円7,450円(上限)8,270円(上限)9,110円(上限)7,830円(上限)約25万円

読み取れることは3つある。

1、月給が低いほど給与に対する割合が高い。月給18万なら78%、30万なら63%、40万なら51%。手取りで比べると、月給20万台の人は給与の8割前後が出る。

2、月給35〜45万は、ほぼ同じ額になる。給付率が50%に近づくため、日額は6,600〜7,500円の幅に収まる。

3、45歳以上は上限が高い。45〜59歳の上限9,110円は、29歳以下の7,450円より月5万円多い。

給付日数と合計の目安

退職の理由被保険者期間給付日数
自己都合10年未満90日
自己都合10年以上20年未満120日
自己都合20年以上150日
会社都合(30〜44歳)5年以上10年未満180日
会社都合(30〜44歳)10年以上20年未満210日
会社都合(45〜59歳)10年以上20年未満270日
会社都合(45〜59歳)20年以上330日
日額日数合計
月給30万・35歳・自己都合・勤続8年6,307円90日約57万円
月給30万・35歳・会社都合・勤続8年6,307円180日約114万円
月給50万・40歳・会社都合・勤続12年8,270円210日約174万円
月給40万・50歳・会社都合・勤続22年6,744円330日約223万円

自己都合と会社都合で、同じ月給でも合計が2倍以上変わる。特定理由離職者(正当な理由のある自己都合)に当たれば会社都合と同じ扱いになる(特定理由離職者の記事)。

いつから、いつ振り込まれるか

  • 待期|申請から7日間は支給なし
  • 給付制限|自己都合は待期の後に1ヶ月(2025年4月以降。5年以内に3回以上の自己都合退職があれば3ヶ月)。会社都合はなし
  • 初回振込|自己都合なら申請から2ヶ月前後、会社都合なら1ヶ月前後
  • 教育訓練|給付制限中に雇用保険の教育訓練を受けると、制限が解除される

申請の手順と時期の全体は失業保険はいくらいつもらえるかの記事、計算式の使い方は失業保険の計算の記事で書いた。

税金と社会保険

失業保険は非課税で、所得税も住民税もかからない。ただし受給中も国民健康保険と国民年金の保険料は払う。会社都合や特定理由の離職なら、国保は前年の給与所得を30%として計算する軽減がある(国民健康保険が高い時の対策の記事)。前年の所得に対する住民税は、受給中も別に来る(退職後の住民税はいくらかの記事)。

独立する人の順番

退職後すぐ開業届を出すと受給資格がなくなる。受給を終えてから開業するか、受給せずに開業するかを決める。再就職手当は開業でも対象になる場合がある(フリーランスが開業届を出さない場合の記事)。

私は1社目を1年以内に辞めた時、被保険者期間が12ヶ月に満たず、失業保険を受け取れなかった。自己都合退職は、退職前2年間に12ヶ月以上の加入が条件で、1年未満の退職は対象外になる。辞める時期が数ヶ月違えば受け取れた額を、当時は知らなかった。早見表は、辞める前に見るためのものだ。

よくある誤解

「失業保険は給与の6割」。給付率は月給で変わり、月給18万なら78%、40万なら51%。6割は月給30万前後の人の数字だ。

「自己都合は3ヶ月もらえない」。2025年4月から給付制限は1ヶ月に短縮された。5年以内に3回以上の自己都合退職がある人だけ3ヶ月になる。

失業保険をもらいながら働く時の線

受給中の副業・アルバイトは週20時間未満で申告すれば認められ、1日4時間以上働いた日は手当が後ろに繰り越され、4時間未満の日は収入−1,354円+日額が賃金日額の80%を超えた分だけ減額される。業務委託やブログ収入も申告対象で、開業届を出すと止まり、隠すと3倍返しになる。判定と減額の式は失業保険をもらいながら副業・アルバイトはできるかの記事で書いた。

早く決まった人の再就職手当

受給中に早く就職すると、残日数×日額×70%(残3分の2以上)か60%を一括で受け取れる。給付日数90日で残60日・日額6,000円なら25.2万円。条件は待期後・残日数3分の1以上・1年超の雇用・雇用保険加入など7つで、自己都合の給付制限中の1ヶ月は紹介経由が条件になり、フリーランス開業も対象だ。計算例と申請の期限1ヶ月は再就職手当はいくらもらえるかの記事で書いた。

育休の手当は手取りでいくらか

育児休業給付は賃金日額×67%(181日目から50%)で、令和8年8月からの上限は月332,454円。月給30万なら20.1万だが、非課税と社会保険料免除で手取りの約84%になり、両親とも14日以上取れば最大28日は13%上乗せで手取り10割になる。住民税だけは前年分が来る。月給別の早見表は育休の手当はいくらもらえるかの記事で書いた。

よくある質問

賞与は賃金日額に入りますか?

入らない。退職前6ヶ月の給与(基本給・残業代・手当)だけで計算する。賞与が多い人は、月給ベースの額になるので思ったより少ない。

受給中にアルバイトをしたら減りますか?

週20時間未満で、認定日に申告すれば受給できる。日数によって減額か先送りになる。申告せずに働くと不正受給になる。

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